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人の息遣いを感じたい

先日舞台を観に行った。ここまで大掛かりなお芝居はひさしぶり。ロッキーホラーショーも負けず劣らず大掛かりだったけれど、ミュージカル⁉️なので、音楽が基調にあって、今回のものとは雰囲気がずいぶん違う。

若い時はちょうどスーパーエキセントリックシアター、第三舞台や夢の遊眠社なんかの全盛期だったから、よくよく観に行ったものだった。

でもある時期から、急に行かなくなってしまった。お腹がいっぱいになってしまったのだ。当時のお芝居はメッセージ性が高くて、最後にはそれでしめくくる展開がお決まりのように準備されていて、ある時から急にそれが暑苦しいと感じてしまった。

別にお客が観てその感性で感じるままでいいじゃない、ってひねくれた私は思ってしまって。。。

なので、久々の最近のお芝居ってどんな感じかなって楽しみだった。

もちろん機材も相当進化しているし、コンピューターの導入で当時は想像できなかったようなこともできるようになっている。

今回びっくりしたのは、場面転換が演者によって行われたところ。途中休憩もなかった。大道具の移動を必要とせずとも、照明や映像技術で場面がくるくると変わって、全く別の世界を描けてしまうのだった。正直すごいな、と思った。

でもちょっと気になることが。。

鈴木光司さんの映画を思わせる演出があって、なかなか凄みがあって面白かったのだけれど、映像と役者のセリフがほんのほんのちょっぴり早かったり遅かったりしたのだ。

役者は背中を向けているのでスクリーンを見ることはできない。

そこは引きで見てるスタッフが合わせられないのかなと思ったけれど、どう言う仕組みなのかわからない。でも微妙にずれていて折角の演出が。。

ホントにちょっとのことだけれど、素人のワタシも気づいてしまうことだった。

映像も照明も本当にすごいのだけれど、何だか映像が主体に思えてしまって、それ違うんじゃないのって。
役者さんたちの息遣いでお芝居が流れていない感じがして、それがちょっと残念だった。

一方、先日見たロッキーホラーショー。これの息遣いたるや素晴らしかった。

終始流れる生演奏による音楽が、お芝居のタイムキーパー的な役割を担っていて、ほとんど数分もずれることなく公演が終わることにとてもびっくりした。

でも毎回アドリブはあるし、開催地ごとに変化もあって、どうやって音楽を正確に役者さんのセリフに合わせているのかずっと気になっていた。公演自体が生き物のように自由なのに時間きっちりってどうしてなんだろって。

そしたら、バンド奏者さんたちによる舞台裏秘話みたいなのが聞ける配信があって、その中で質問できたので聞いてみた。

そしたらなんと⁉️役者さんの息遣いに音を合わせているとのこと‼️
でも役者さんたちと、2階に設けられたステージにいるバンドとはかなりの距離がある。もちろん客席には息遣いは聞こえない。
すかさず「息遣いが聞こえるのですか」って尋ねる。

そしたらバンドスタッフに聞こえるようなマイクがあって、その音量⁉️だったかな、スタッフさんが調整してくれてた、とのこと。

その一瞬へのこだわりが、すごい、すごすぎる。

超感動した。やっぱり最後は人の力なのだわって思った。

多分ワタシは、生身の人間が演じる時のその息遣いを感じたくて、ライブの公演を観に行っているのだと思う。その時にその場でしか感じられないものがあるから、それを求めて出かけてしまうのだ。

今回2日目を観に行ったのだけれど、お芝居のいいところは、公演日程が何日もあるということ。だから、その間にどんどんお芝居が進化して行くのだ。

そしてそれを見たくて、私はつい2度3度と行ってしまうのだった。

でもコレは、かなり贅沢なこと。だから食費をキモチ削ってみたりしてる。するとちょっぴりだけど、罪悪感が薄まる気がしてくるのだった。

焼石に水⁉️だけど💦




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