猫が苦手だった私が猫と暮らす訳

猫のサブスクに大きな怒りを覚えている昨今です。
私は大反対ですが中には賛成派もいて、猫を飼っていない人には分からないことってあるんだなあ...と驚きながら過ごしていたのですが
ふと、自分が猫を嫌いだった時のことを思い出しました。

私が猫を嫌いになったのは、小学校低学年の時
近所の公園でネズミの皮を剥いで食べている口の周りが血に塗れた白猫の姿を目撃した時です。
その時の光景はトラウマとなってそれ以来徹底して猫を避けて過ごすことになります。

しかし不運にも数ヶ月後、友人の家に遊びに行く途中、人馴れしている猫が寄ってきていることに気付かずしっぽを踏んでしまいます。
猫は大激怒し、怒ってしばらく追いかけてきました。
私は1時間隠れていましたが怖くて友人の家に通じる道を通ることができずそれを理由に友達の家に辿り着く事はできませんでした。

その後、高校生まで猫嫌いは続きます。

そしてひょんな事から高校生のある日友人の拾った猫がどうしても里親が見つからないとのことで祖母の家に譲り受ける事に...

元々動物自体は大好きだったのでまだ手のひらサイズの子猫。怖いという感情はなく関わってみるとちょっと可愛いかも...と思い始めます。

それから時は経ち、友人の家に子猫が産まれて里親を探しているとの連絡を受け今度は自分でお世話をすると決め、譲り受けてみることに。ここから一気に猫無双が始まります。

猫を譲り受けてすぐに子猫の大変さを知ります
遊び盛りの子猫は足や手にじゃれて噛みつきひっかきいつの間にか傷だらけに。その期間は長く、子猫は可愛いだけじゃないんだと知ります。

そんな時、子猫の鳴き声を聞いて野良の子猫が庭によく訪れるようになりました。
捨て猫か、育児放棄かその子猫は沢山のカラスに命を狙われていました。私は気づいた時にはカラスを遠ざける様にしましたがまだその時はこの子を飼おうとは思っていませんでした。
それでも健気に何時間も庭で隠れて待ち、私の姿が見えると寄ってきて離れないのでした。
しかしその時私は大学生だったので、経済的に2匹は飼ってあげられないの。ごめんね。と言ってその子猫を拾う事はありませんでした。毎日その子は私のことを庭で辛抱強く待ち続けました。そしてある日、ドアを開けた瞬間に家に上がった子猫は側を離れる事はなく猫側の力技で強制保護させられる形となったのです。
私はあまりの子猫側の執念に愛着が湧き始めており、きちんとした里親を探すことにします。
幸いまだ子猫だったため引き取りたいという人が家に迎えにきてくれました。
しかしそれほどまでに人懐っこかった子猫は、里親候補の方々の姿を見るたびに酷く震えて怯え隠れ、小さな声でわたしをみて鳴き続けました。
その姿を見てわたしは猫にも意志があってきっとこの子は選んできてくれたんだ。働いてこの子を一生責任もってお世話しようと誓い、里親の方々をお断りしました。

その後2匹は仲良しになり兄弟の様に過ごしています。

そんな猫達の声を聞き更にもう1匹子猫が庭にやってきます。彼も出待ちが得意でドアが開くまで待ち続ける健気な猫でした。
私はこの頃には猫嫌いはすっかり克服しており早々に里親探しをしようと決意しこの猫を保護、動物病院を受診します。
そこでこの猫はガリガリに痩せて小さく見えていただけで子猫ではないということ
ガリガリに痩せているのは白血病が原因で余命は一年未満にほぼ100%亡くなることを知らされます。更にエイズも陽性。
インターネットで調べると白血病は感染したばかりだと隠転する可能性がある。その確率を上げる事ができる治療をしている病院があると知り、さまざまな病院に電話、受診し隠転の治療について聞きましたが
感染してから時間が経った大人になってからの隠転は難しい、ほぼ例がないと言われてしまいなす術がない状態に陥ります。
そこで里親探しはやめ、この子はせめて家で看取ろうという結果に。感染する病なので他の子達とは離して暮らしてもらうことになりました。白血病キャリアはストレスが1番寿命を縮める原因となるとのことだったので
なるべく元の生活環境に近づけご飯は好きなだけ食べられるようにしました。
また、小さな傷や病気も白血病が原因ですぐに膿んだり悪化して命に関わるため
毎日ホットタオルでアクネの詰まりを除去したり、小さなことでも何度も病院に行きました。
そして腎臓の血液検査の結果が悪かったため、医療用の腎臓に特化したフードに変えました。
せめて1年未満の余命を元気にストレスなく過ごして欲しいという思いでした。
そのおかげか一年経った健康診断では奇跡的に腎臓の値も回復、白血病も隠転していました。看取るまでは好きなだけご飯をの意向により2.5kgだった体重はなんと10kgに...しかしエイズは陽性のまま。今後も発症しない様ストレスのない環境が重要となります。
そして今、1年未満の余命宣告を受けてから6年が経ちました。大きな病気もなく、小さな傷が膿むこともなくなりました。今は長生きを目標に体重も健康的な標準体重に戻り元気に暮らしています。

以上が猫嫌いだった私が我が家で猫4匹と暮らすことになった経緯です。
今は何よりも猫が大切で本当に出会えて、我が家を選んできてくれて良かったと思っています。

これほどまでに猫は意志があり、ストレスが命取りになる生き物だということ、飼育環境や人の関わり方が直に寿命に影響すること
実際に猫と暮らすまでは知りもしませんでした。 
最大限長生きして欲しい、幸せに暮らして欲しいというのが今の私の思いの全てです。


どうか猫達をレンタルして、もの扱いするのはやめてください。

1匹でも多くの動物が救われ幸せに暮らせることを祈っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?