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アーチストとの出逢い

気づいたらまる5年経っていた
私とあの人を繋げているものは何だろう?

5年前だから当然だけど
私も今より5歳若かった

はっきり覚えている
あの日の空気、風のない麗らかで穏やかな午後、
当日突然に友人の元を訪ねることになった

2時間くらいすると、友人は
付き合いで今からカフェライブに行くけど、
興味ある?と言ってきた
1人で顔を出す予定だったみたいだ

そう言えば、私が大の音楽好きだと
彼女は知らなかったし、
私も特に話していなかった

1も2もなく、地方に住む者には
数少ないライブの機会だし
行きたい!と、どんなジャンルの音楽か
1人か、グループなのかも聞きもせず
気持ちが上がったのを覚えている

友人と小さなカフェ(正確には限られた
飲みものだけ提供しているお店)へ出向く

お店のオーナーさんを除けば
私を入れて4人?とか5人だった
こんなに少なくても演ってくれるのかなぁ
と、
なぜか申し訳ない気持ちになる
後から聞いたら、前日に他のカフェで
満員のライブを終え
最後にここへ寄って帰京する
と言う感じだったようだった

時間をかなりすぎて
入って来た男性1人、女性1人。
彼はギターを持っていて
女性ヴォーカルが歌うんだな、、、
それにしても!!
何て素敵な雰囲気の人なんだろう
ソロギター、聞いた経験はあるけれど
音色が魅力的だな
しばらくして女性とのデュオが始まる
自分の中にある何かがキュッと掴まれる

見ていてとてつもないことを考えていた
私も歌手だったなら
こんな素敵な人の伴奏で歌えたのかな(笑)

それまで人生で聴いたことがない曲
リズム、メロディ、洗練された雰囲気、
オシャレさ、せつなさ、素敵さ。
短いライブだったけれど
一瞬にしてファンになってしまった

ライブが終わり、友人に
あの素敵な人は何歳?結婚してるの?
と質問責めにしてしまったが
友人は関心無い声で「まったくわからない」
失礼しました、、

義務を果たした(お付き合い)と言う感じに
近かったかな、、
そして「去年も行ったよ。あなたがこういうの
好きだとわからないから1人で」と。

え?そうしたらもっと早く彼に、この音楽に
出逢えたのに、、
いや違う
出逢えたかもしれないけど
1年前だったら、その続きはなかったんだ
と気づく。
5年前のあの日だったから。

SNSでググる、と言う
普段ならやらないような事をして
私は知る
その人は、プロのミュージシャンで
色々な活動をしていた
全国各地をギター1本で回って
苦労しながら頑張ってる
みたいなイメージは一転した

5年間、私はその人の音楽を
聞き続けた
他の音楽も聞かなければ
テレビも見なくなった
彼の音楽を聞くことが
私の日常となっていく、、、

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