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四天王最弱【コント】

主人公然としたAの元に、殺到と立ちはだかる、如何にも悪そうなB。

B「フォーを倒したくらいで、いい気にならないでもらおう」
A「なに? どういうことだ?」
B「フォーは、我々四天王の中で、最弱」
A「そんな!」
B「四天王の恥、四天王の面汚し」
A「嘘だ!」
B「四天王のミジンコ担当、更には―」
   等と、しゃべり続けるB。

A「……そ、そんな弱かったのか?」
B「絶望したか?」
A「そんな弱いのに―」
B「?」
A「―そんな弱いのに、四天王になれたのか?」
B「? ……そうだ」
A「フォー、凄いな!」
B「ん?」
A「凄い!」
B「ん?」
A「そりゃ、実力があるに越したことはないけど、実力がないのに、四天王には、なれたわけでしょ?」
B「そういうことになるな」
A「実力が伴わないのに、四天王には、なれたんでしょ?」
B「そうだ」
A「凄いじゃん!」
B「なぜそうなる」
A「大出世!」
B「いや違う。それは違う」
A「どう違うの?」
B「奴は、とにかく弱いのだ。あのレベルの奴は、いくらでもいる」
A「ライバルが多い中で、一人だけ四天王になった……頑張ったなぁ」
B「いや……そこ評価ポイントになっちゃう?」
A「なるでしょ」
B「……とにかく!」

   B、気を取り直し、
B「フォーは弱いんだ!」
A「じゃ、なんでもっと強い奴が四天王になってないの?」
B「ん?」
A「強い奴を四天王にすればいいじゃん」
B「それは―」
A「―もしかして」
B「な、なんだ?」
A「大したことないの? 四天王って」
B「そんなことはない! 我々三人はもんの凄く強い! その他大勢ととんでもない差があるんだ」
A「そんな環境で、一人四天王に滑り込んだフォー、パねぇわ」
B「違う違う違う!」

A「じゃ、三人衆でよかったんじゃない?」
B「む?」
A「お宅ら三人と、他で差があるなら。なんで四天王になったのよ?」
B「確かに……」
A「誰が決めたの? そちらのボス?」
B「そうだ。首領が任命した」
A「(察したようにため息)」
B「いや違う……奇数だと揉めたりするから」
A「偶数の方が揉めるんじゃない? 多数決で2・2になっちゃうし」
B「なぬ?」
   B、指で4を、2・2にわけたりして確認。
A「地味なんじゃない? 三人」
B「う!」
A「(ボスっぽく)仕方ない、人気メンバーを一人追加しておこう!」
B「そんなどこぞのアイドルみたいなことはない!」
A「じゃあ、人徳がない」
B「(ムキになって)あるし!」
A「なさそう」
B「めっちゃ部下に慕われてるし、稽古もつけてやってるし!」
A「その稽古で自分たちレベルのやつ、育てられてないから、四人目がいないんじゃないんですか?」
B「うーうー……」

A「そもそもお宅らも、弱いんじゃない?]
B「なんだと!」
A「みんな、フォーと同レベルなんじゃない?」
B「そうなのかなぁ……」
A「もしくは、知らないうちに、フォーも強くなってたんじゃない?」
B「確かにアイツには努力家の一面が」

   A、自慢げに、
A「そんなフォーを倒したよ、俺」
B「マジか?」
A「お宅もヤバいんじゃない?」
   と、自信満々に構えるA。
   ひるむB。
B「くそぉぉぉ!」
   やけくそ気味に、相対するB。
A「やー!」
   攻撃するA、を簡単に倒すB。
A「わー!」
   倒れるA。
B「……良かったぁぁぁ!」

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