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イースター島に行く(実際に行ったとは言ってない)

最近デスクトップPCが届いた。
そこそこのPCゲームもできるし、何よりも自分がやりたかったものがある。

それはPCVRだ。

すでにVRを楽しんできた方々には「何を今更VRとか言っとんねん」という話かもしれないが、やっと環境が揃ったのだ。

デスクトップPCと手持ちのOculusQuest2を組み合わせることで、気軽にPCのVRが楽しめる。Quest2は本当に革新的なハードだなと思う。

やりたかったのはGoogle EarthVR
あの有名なGoogle Earthの3Dデータを利用して、自由な視点から立体的な地球の姿を眺められるゲームだ。
ストリートビューとも連携しているので、データがある場所なら360度の映像も楽しめる。(その場合、立体感は無い)

しかもこれが無料
……素晴らしい時代に生まれたものだ。

Google最高!!


PCとQuest2をUSB-Cケーブルで繋ぎ、死ぬほど面倒なアカウント連携やら本体連携を終えて、GoogleEarthの世界へと入った。

チュートリアルを終えて、まず目指したのはイースター島

なぜイースター島なのかといえば、先日のおすすめポッドキャスト記事の中で紹介したツイてるブッククラブの紹介本、『Humankind 希望の歴史』にイースター島の話が出てきたからである。

しかしイースター島の場所がどこなのかわからなかったのでゲーム内の検索を使う。……と思ったら英語しか使えない。
イースター”のスペルって一体……?
とりあえずEasterを入れてみると、サジェストに「Easter Island chile」が出てきた。そしてなんかうまいことイースター島へ飛んだ。
(正式にはパスクア島らしい。※パスクアはスペイン語で”復活祭”)

イースター島(パスクア島)の位置

さて、皆さんがイースター島について知る情報はどのようなものだろうか?
ちなみに情報をろくに更新してこなかった自分のイースター島のイメージは以下のようなものだ。

1.モアイを作りすぎて木がなくなって滅びた哀れな集団
2.世界の国々に知られないまま勝手に栄え、勝手に滅びた
3.めっちゃ小さい島(人口1000人未満)

どこかで聞きかじった情報のイメージでこんなことになったようだが、自分の認識はこれである。
加えて言えば、行っても殺風景なんだろうなあと思っている。

では実際のイースター島の姿を見てみよう。

全周は60km、面積は180平方kmで、大体北海道の利尻島と同じくらい。
正直、そこそこデカい。

中央左が利尻島

そしてイースター島では今も7500人ほどが暮らしている。
人口で言えば、利尻島の約5000人よりも多い。

現在人々が暮らしているのは西部の一部に固まってはいるものの、結構な家の多さだというのが画像を見てもわかる。

西の居住地
家だらけ

そしてストリートビューで見てみると、
なかなかいい感じの景色が広がっているのだ。

今までの定説では、イースター島は部族同士の殺し合いが続き、モアイ作りのせいで木は無くなって食料も育たなくなり、最後には人肉を喰らって滅びた……という話が語られ、「これが文明の崩壊する例ですよ」として広められてきた。

しかし、研究の進展によって、木が無くなったのは連れ込んでしまったネズミによる可能性が高く、木なんて大量消費しなくてもロープがあればモアイを動かせることが実験考古学で証明され、食料生産は木が減ってもなんとかしたようで、部族同士の殺し合いの証拠も皆無で、そもそも島民を消滅させたのは、奴隷商人とその連中が持っていた疫病ではないか?
……
という学説が出てきた。

最近、失敗だらけの人類史をちょうど読んでいたので、奴隷と疫病の定番コンボは実に合点がいくなあと思ったのが正直なところだ。

当時の世界の流れはそういうものだったとはいえ、なんとも悲しい話だと思う。平和に生きたいだけの人々は、野心的な人々に滅ぼされる運命なのだろうか……。


まあそれはともかく、実際に見るのは大事だなと思った。

いや、もちろん自分が見ているのは3Dデータや画像ではあるが、自分は今まで何十年も生きてきて、それすら検索してこなかった。
自分のイースター島のイメージは、今までのテレビ番組のワンシーンや学説によって作られたもの。そこからは実際の島の大きさも、島の植生も、限定的な情報しかなかった。(自分の吸収率のせいもあるが)

しかし実際にこうして島の姿や街の様子を能動的に見てみれば、自分の考えていたイメージとは全く違うイースター島が現れてくる。

町の南の巨大なクレーター
ラノ・カウ火口

イースター島にこんな巨大な火口があるということすら知らなかった。
自分の知っていたのは、寂しく佇むモアイの姿だけだ。

実際には広大な草地には動物が歩き回っていて、豊かな水場もあるのに。

ラノ・ララク

そんな、自分で見に行くことの大切さを考えさせられるVR体験だった。

今は画像だけのVRだが、これが将来的に音や匂いも再現できるようになったら最高だなと思いつつ、先日敗北した富士山にVR上でリベンジを果たした

登頂まで、数秒だった。


みなさんも是非、環境を整えてGoogleEarthVRを楽しんでほしい。
PC版のGoogleEarthより操作性もよく、自分の旅行先をあらためてVR旅行すると最高に楽しい。

Quest2が2万円の値上げをしたのはちょっとあれだが、まだまだ他のVR機器よりも価値があるとは思う。

そして、PSVR2にGoogleEarthVRが来るのかどうかにも期待したい。

PS5、持ってないけど……。(いつまともに買えるのやら)


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