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投手転向によって広がる打者根尾の可能性

立浪政権の悪事の一つとして挙げられがちな根尾の投手転向について、ポジティブなポイントを羅列していくスタイルでこのnoteを殴り書きました。読んでね。

 

1.投手に転向したことで、野手根尾の打力が向上した可能性

一つ目のポジティブなポイントは、投手転向による打力アップです。
まずは転向前の根尾のスイングをご覧下さい。
(40秒〜)



次は投手転向後の初打席です。(42秒〜)


どうでしょうか?
転向前の上半身も下半身も同時に回ってしまうスイングから一転、今は早めにトップを作り下半身主導で直球を弾き返す、理想的なスイングを見せています。
転向前にも良いスイングで直球を弾き返せる期間があるにはありましたが、スイングがすぐに戻ってしまったり、早めにトップを形成出来ずにストレートを引っ張れなくなる打席が多かったと記憶しております。

では何故久しぶりの実戦で理想的なスイングが出来たのか。
それは、投手に転向することで実戦での打席から離れたことが大きかったと僕は考えています。
実戦で最も求められるのは結果、つまり数字です。しかし、皆さんご存知の通り投手転向前の根尾の打撃成績はあまり良いとは言えず、周りからの期待も重なって、焦る気持ちが本人にあったのは想像に難くないでしょう。

結果が出ない時に人が取ってしまいがちな行動は、目先の結果を求めて当てに行くようなスイングをすることです。しかし、手先で当てに行くスイングは、根尾の本来の持ち味であるフルスイングとは対極にあたり、スイングを崩し再現性を失うことにも繋がります。

そこでプラスに働くのが投手転向によって実戦から離れることです。野手として数字を残さないといけないという現状から一旦離れ、個人練習で自分の求めるスイングを追求する時間があったのがプラスに働いたのではないでしょうか。実際、今年の春キャンプの打撃練習では、野手時代よりも好調な様子がうかがえます。

高校時代の身体能力だけで勝負していた、金属だからこそ打てていたスイングから脱却し、プロ仕様のスイングを構築することに苦労していた根尾には特に必要な時間だったと思います。

また、生き残っていくための選択肢が増えることは、本人の心の余裕にもつながるのではないでしょうか。

あんなヒットを打てるならやっぱり野手を続ければ良かったじゃん!と思う方もいるかもしれませんが、打席に立たない時間があったからこそあのヒットが生まれたと僕は思います。




2.投手転向によって打者根尾の打席が増える可能性


二つ目のポジティブなポイントは、投手転向によって根尾の打席が増えるのではないか、です。この一文だけだと「何言ってんだこいつ。試合後インタビューの立浪か?」と思われかねないので、ここからは理由を書き連ねていこうと思います。

投手転向によって打者根尾の打席が増える理由の一つとして、投手転向前の根尾の存在があります。
投手転向前の根尾を一言で表すと、「野手として打席を獲得するには打力が不足している選手」です。

転向前の守備位置は外野全てとセカンドショートで、長打が求められる両翼は言わずもがな、最近ではセンターにも打力が求められているため(例:塩見、近本)、転向前の打撃では外野手として打席を得るのは難しかったと言えるでしょう。
ショートとセカンドはどうかと言うと、野手育成に長けている中日ドラゴンズで長い間経験を積ませても、内野手としては厳しいと言わざるを得ない動きをしていたので、内野手として他の選手よりも打席を得るのも厳しかったと言えると思います。

こなせるポジションと打力が噛み合わない。そこで助けになったのが投手転向です。野手を続けることによって打席を得るのが難しくても、投手経験を活かして先発ローテーションに食い込めば、毎週ほぼ3打席は必ず得ることが出来ます。たった3打席と思うかもしれませんが、DHが存在しないセリーグでは立派な武器であると言えるでしょう。

先ほど挙げた一つ目の理由によって今の理想的なスイングが定着すれば、投手として打席に立つだけでなく、登板日以外でのここぞの代打や野手としてのスタメン出場もあるかもしれません。

3.単純に投手としての能力が高い

三つ目は、単純にピッチャーとしてポテンシャルが高すぎるというシンプルなポジティブポイントです。

最速154キロの吹き上がるストレートに、その軌道からキュッと落ちるスライダーとフォークを投げられるポテンシャルは、中日ドラゴンズ内でもトップクラスと言えるでしょう。

久しぶりに投手に取り組んでいきなり一軍で25試合に登板し、防御率3.41を記録した昨年とは打って変わって、今年は先発として幅を広げるためのフォーク習得のために二軍で長い時間を過ごしましたが、今日の投球を見れば分かる通り、投手としても順調に階段を登っているのでは無いでしょうか。


4.まとめ

前例の少なさや、ファン目線では大部分が見えづらい投手転向には多くの批判もありましたが、本人の努力によって投手としても野手としてもひと回りもふた周りも大きく成長し、自身の選択を正解に変えようとしています。
そんな根尾の成長をこれからも見守っていきたい所存です。

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