潰されたmimicと沈みゆく日本について

先日せっかくリリースされたmimicのサービスが終了してしまった。
結果として誰も得をしない争いが行われているという事実がこの騒動の最も苦しく感じるポイントである。
そしてこの騒動を通して、日本の在り方やこれから沈んでいく様子が想像できてしまったので、まとめて記載する。

中止側も存続側も(多くの人は)絵師の権利だったり仕事だったりを守りたいという思いで争っていたと思う。

ただ絵師側は生活がかかっているだけあって、直近1週間のことしか考えていない意見に偏っていたと思う。
 悪用されたら「今」私は悲しい、苦しい
という主張が強かったのではないか。

逆に存続側は来年以降について考えていたように思う
 問題があるのは認識しているが、今中止すると「数年後には」アメリカ、中国などのサービスによって完全に市場が制圧され、日本から文句が言えなくなる
という傾向にあった。

どちらも主張として正当性がある上で、今回でいうところの絵師側の意見が通ってしまうのが非常に日本的だなと感じた。

みんな大好きコロナの話題にズレるのだが、日本はワクチンの供給も遅く、マスクを外すという決断も非常に遅い。
もう本当にこれに関しては一長一短でしかないのかなとも思っている

コロナはギリギリ長の部分があったように思う。
日本が大陸的に孤立しているという特性上、国内に対して厳しいことを言えばかなり多くのことが解決してきたのだろう。
結果としてはそんなことはなかったが、例えばワクチンが非常に有毒で接種して1か月で死人が出るようなものだった場合、日本はかなり被害を抑えられていたと思う。
似たような成功体験が積み重なってしまっている以上、一旦国内に対して厳しいことを言い、進行を遅らせるというのが定着しているのではないか?

また世間全体に蔓延している、「間違ったことをしてはいけない/言ってはいけない」という風潮もかなり悪さをしていると思う。
ちょっとmimicの話に戻すと、「今回のmimicは良いところもあったが色々システムが追いついていないので、一旦仕切り直して万全の状態で出すべきだ。」というような意見が散見されていた。
この意見はあまりにもそうだが、まとめると何も語っていないことになる。
すごい耳障りがよく、コミュニケーション得意です感を出しているが、結局前に進まないのである。
痛みを伴ってでも前に勧めようという人たちも、生活を守るために何が何でもこれは拒否するという人たちも自分の主義を通すために批判を覚悟で発信しているのに、真ん中に立っていい顔をするのがうまい人生という世間になれば本当に何も決まらない社会になってしまう。
仕切り直し派を100人集めた会議ほど地獄はないのではないかということである。

要は物事を前に進めるということは決断することで、時に間違え、時に誰かが傷つくということでもあると思う、ということだ。
そんな中でこれまで決断をしないことで得をしてきた(あたかも損をしていないかのように暮らせてきた)日本という国ではこれからも色々な物事がゆっくり決まっていくのではないだろうか。
もちろんすぐ決めるのがよいという話ではなく、すぐ決めの極致ロシアはカスみたいな戦争を始めてしまっているし、独裁の中国で暮らしたいとも思えない。
ただ、インターネットですべての土地が否が応でも接続されしまう現代においては、今回のようなAI分野を始めとしたあらゆる分野で日本が戦いに参加できない状況が続くことが予想される。
 「とりあえず立ち止まって法整備を~」「みんなが納得できる形で~」
とない幻想を追っている間にすべてがアメリカ中国のスーパーカーに轢かれてしまう。

mimic潰しの件に関しては完全に日本の短の部分が発揮されていたと思う。
今誰も傷つかない進み方をした代わりに、10年後の日本のパワーは確実に削がれた。
新しいものを拒否し続け、他人の失敗を見ることで自分の正しさを確認しているような日本に未来はあるのだろうか?
100年後の世界史に日本は登場しているのだろうか?
日本の遅さに助けられたことは多々あったはずだが、自分はまだ沈みゆく日本と心中する覚悟ができていない。
あなたはどうだろうか?

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