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私の彼は星飛雄馬?

「私の彼は左きき」麻丘めぐみ
作詞:千家和也 作曲:筒美京平

これも昭和歌謡の名曲中の名曲。

この曲の作詞は、千家和也さん。
私は昔、お会いして一度曲作りをご一緒させていただきました。
(千家さんの作詞で私が曲をつけた)
残念ながら、その曲は世に出ることはなかったですが。

この曲「私の彼は左きき」のレコーディングの時の思い出を、
千家和也さんからお聞きしたことあります。

「最後のメロディ、左ききのところ。
 ひーだり、【き】↑っきー、と不自然に上がるのが不思議だった。
 でも、今から思えばあれが正解だったのかな?」

千家さんは笑いながらおっしゃってました。

もう耳慣れたフレーズですが、
そういえば、「きっきー」のメロディは不自然と言えば不自然。

童謡「赤とんぼ」でも、
🎵 ゆうやーけこやけーの 【あ】↑かトンボー
ここの【あ】の音程も上がっていて作曲が不自然だと物議を醸したとかそうでないとか。

そこで、私が検証してみた。以下の動画を見てください。

最初のフレーズが元のメロディ。
次のフレーズで「きだりきっきー」を普通に作曲すればこうなるかな?
という感じを作ってみた。どうでしょ?

ううーーん、
やっぱり「左きっきー」と上がる方がかっこいい気がする。
流石、筒美京平さんですね。


さて、この曲もそうなんですが、
千家和也さんの詞には特徴があります。

言葉が短いというかシンプルなんです。
この曲の歌詞、言葉が繰り返しているところが多いこと気づきましたか?

小さく投げキッス する時もする時も
横目で時計を 見る時も見る時も
私の私の彼は 左きき

この繰り返しの部分は、作曲家がやっているんです。
作曲をしていて言葉が足りないから、繰り返して付け足している。

おそらく最初に渡された詞はこのような詞だったはず。

小さく投げキッスする時も
横目で時計を見る時も
私の彼は左きき

他の楽曲(千家和也さんの作詞以外でも)で、
言葉が繰り返されていたら、
作曲家が付け足したと考えて良いです。

例えば、これも筒美京平さん作曲ですが、
「木綿のハンカチーフ」松本隆さん作詞。

はなやいだ町で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ

「木綿のハンカチーフ」

ねえ 涙ふく木綿のハンカチーフください ハンカチーフください

「木綿のハンカチーフ」


さて、この記事のタイトルの「星飛雄馬」はなんでや?
ですが、
千家和也さんに飲みに連れて行っていただいた時に聞いたんです。

「先生、あの『左きき』のモデルって、
 ひょっとして星飛雄馬と違います?」

千家和也さんの返事は、
「それは教えられない!」

千家和也先生、
貴重なお話と体験談、ありがとうございました。





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