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キング・オブ・トーキョーのモンスターごとの性能解説している記事がなかったので自分で書く2〜パワーアップ編〜

前書き

ボードゲーム『新キング・オブ・トーキョー』に拡張のパワーアップを導入するか、『キング・オブ・トーキョー モンスター・ボックス』を購入すると手に入る進化カードによる、モンスターごとの差異を初心者に伝えるためにサマリー作ろうと思って参考になるサイトを軽く探したが見当たらなかったので自分で書く記事第二弾です。
第一回から読みたい方は下のリンクからどうぞ。

この記事では株式会社ホビージャパンから日本語版が販売されている『新キング・オブ・トーキョー』および、その拡張に言及します。旧版については考慮していません。
また、ルールブック読了済みでルールを把握している人向けです。

※この記事上ではダイスの目を[爪][心][電][1][2][3]と表記します。
 継続型進化は継続、一時的進化は一時と省略します。
 本文中カードとだけ書いてある場合は進化カードを指します。

【パンダカイ】

ざっくり三行

  • ダイスを駆使して勝利点

  • エネルギーの獲得

  • トーキョーに頼らない勝利点稼ぎ型

もう少し詳しく

最大の特徴と言えるのが継続3枚のダイス関連カード。
解決前にダイスを全てひっくり返す豪快な能力に始まり、[1][2][3]以外にも特定の出目を揃えると勝利点を稼げるようになるものが2枚。
これらを使えば、[1][3]に変換したり、[心]で回復しつつ勝利点を得るなど、ダイスだけでかなりの出力を得られるようになる。

うち3枚が一時とはいえ、エネルギーを獲得できるカードが4枚あるので、エネルギー稼ぎも得意。
ダイス目を揃えて勝利点を稼ぐのが主戦術となるので、『巨大頭脳』『増えた頭』など振り直しやダイス増加を行えるパワーカードと相性がいい。

火力に関わるカードを持たず、トーキョーの支配権を捨てられるカードを持つことからも分かる通り、積極的にトーキョー争奪戦に絡んでいくモンスターではないので『草食』も好相性。

一度体制が整えば、妨害を受けづらいトーキョー外に引きこもりながら安定して稼ぐことができるうえ、同様の戦法を得意とするモンスターの中でもエネルギーを稼ぎやすいため、勝利点を得られる破棄パワーカードで勝利圏外から一気に詰めることも可能。

ただ、火力がないので殴り合いになると相当に厳しく、体力回復手段も細いのでダメージレースではほとんどのモンスター相手に不利。
他のモンスターよりもトーキョーに入るリスクが重く伸し掛かるので、トーキョーを利用した勝利点稼ぎが難しい。

また、体制が整えば強いのは間違いないが、妨害手段が乏しいので長期戦を強要することができず、そもそも体制を構築する時間を得られないことも多々。
ここでも回復を強要して遅延を行えない火力のなさに苦しめられる。

更に、ダイスの目を揃えて勝利点を得る戦術はパワーカードなしだとダイス運頼みで不安定。
パワーカードの扱いが得意なモンスターと違い、マーケットに並んだカードを定価で買うしかパワーカードを集める手段がないので、運次第では徹底的にヘタる。

総括すると、戦闘をかわし、ダイスとカードで勝つのが楽しいモンスター。
ただ、戦闘は壊滅的なので注意。

ピックアップ

『パンダーウィン進化論』
継続で、[心][心][心]を揃えると勝利点1点、更に4つ目以降の[心]の数だけ追加で勝利点1点を得られるカード。
端的に言えば、[心][1]と同様の効果を持つ。
本来勝つためではなく、負けないための行動である回復で勝ちに向かえるため、火力で圧力をかけてくる相手に対して有効。
[1]と違って3つ揃わなくとも最低限回復はできるので無駄になりにくいのも強み。
殴り合いに巻き込まれると被害が大きく、回復に手数を使わされがちなパンダカイの安定性を大きく高めてくれる。
パワーカードの『回復光線』と組み合わせて発電機として運用するのもなかなか。

【サイバーバニー】

※このモンスターの進化カードは『パワーアップ』および『モンスターボックス』に含まれていますが、モンスターボードと紙製フィギュアは『キング・オブ・トーキョー(旧版)』および『ダークエディション』に含まれます。

ざっくり三行

  • 莫大なエネルギー出力

  • カード購入で優位に立つ

  • 大量のエネルギーを元に強化するカード型

もう少し詳しく

最大の特徴は4枚のエネルギー獲得カード。
回り始めれば毎ターンパワーカードを購入するのも可能なほどの出力を持ち、発電能力では他の追随を一切許さない。

エネルギー獲得の中心となる2枚の継続は[爪]の攻撃を強化しつつエネルギーを得られるので、火力とパワーカードの量で圧力をかけ、ダメージレースで有利を取りに行ける。

パワーカード購入に関するカードを持ち、内訳はパワーカードの値引きとパワーカードを購入するたび勝利点を得られるものの2枚。
どちらも安定した稼ぎ手段として利用できるため、大量のパワーカードを得る戦術と噛み合いが良い。

パワーカード獲得という軸はあるが、特定の勝利条件を志向する性能ではなく、獲得できたパワーカードに合わせて方針を決めることができるので、戦術の幅を広く取れるのも魅力。

ただ、エネルギーが20個あっても勝利点が0点なら勝利できないように、パワーカードが増えて体制が整うまで強みを活かせず、直接勝利に向かえるモンスター相手だと初動は確実に遅れるので速攻は苦手。

体制が整うまで火力や妨害で圧力をかけて速攻を封じるのが重要になるが、妨害が細いサイバーバニーはある程度トーキョー争奪戦に絡んでいかざるを得ないものの、体力回復が苦手。
そのため手数が回復に取られて満足に動けないことも多々。

エネルギー出力も継続の2枚を得られるかどうかで大幅に増減するため、カードの引き運もそれなりに求められる。

総括すると、莫大なエネルギーを稼いでブン回るのが楽しいモンスター。
ただし、エネルギーは勝利を助けるが直接勝利に繋がる資源ではないので注意。

ピックアップ

『エネルギーソード』
継続で、自分がダイスを振る前にエネルギーを2つ払うと、そのターン中ダイス目に[爪]が含まれれば[爪]を追加し、更に[爪]1つにつきエネルギーを1つ得られるカード。
[爪]が1つでも出れば追加ダイスと合わせて簡単に元が取れるので気軽に発動でき、[爪][電]として扱えるためエネルギーを得られる確率が倍になるので、発動すればほぼ確実にエネルギーが増やせる。
追加ダイスで安定して火力を得られるのも嬉しく、トーキョー争奪戦でも優位に立てる性能なので戦闘勝利でも勝利点勝利でも役に立つ、サイバーバニーが欲しいもの全てを兼ね備えた存在とも言える。

【クラーケン】

※このモンスターの進化カードは『パワーアップ』および『モンスターボックス』に含まれていますが、モンスターボードと紙製フィギュアは『キング・オブ・トーキョー(旧版)』および『ダークエディション』に含まれます。

ざっくり三行

  • 体力回復

  • トーキョー居座り

  • 最硬の防御特化型

もう少し詳しく

自身の体力に関するカードが8枚中6枚という高タフネスモンスター。
自力で体力12に到達できる他、[心]の回復量を倍にするなど良質な回復を複数持ち、集中攻撃を受けても1ターンで全快できるほど回復能力が高いので、戦闘勝利を目指すモンスターにとっては高い壁となる。

トーキョー居座りに役立つカードが多いのも特徴。
トーキョーに入るだけで回復できるカードや、ダイス目で[心]を出せばダメージを無効化するものなど防御的カードを複数持ち、トーキョーに居座りながら体力が減らないどころか、逆に増えることすらあるので、2巡、3巡に渡ってトーキョーに居座ることもままある。

防御面以外でもトーキョーに入った時に全体火力や、[爪]で勝利点削り、果ては失った体力の分だけ勝利点を得るカードのためにわざと高火力を受けにいくなど、トーキョー特化と呼んでも差し支えないくらいトーキョーを軸に回して戦える。

ただ、簡単に脱落しない反面、火力上昇を持たないので他のモンスターを脱落させるのは苦手。
体力だけで比べればクラーケンの方がダメージレースで有利を取っているように見えても、火力の差を勘案すると実は不利が付いている時があるので、単純に数値だけで状況を判断するのは危険。

火力の低さはトーキョー居座りにも影響し、火力で圧力がかけられないので、そもそもトーキョー奪取が難しく、トーキョーに入れても回復を強要して攻撃頻度を下げるのも難しい。

またトーキョーで勝利点を稼ぐのが基本的な勝ち手段になるが、トーキョーの出力を上げられるワケではないのも難しい点。
必然的に中長期戦を見据えて戦うことになるものの、パワーカード主体のモンスターのような爆発力はないので、下手に長期戦に持ち込むとアッサリ逆転を許してしまうことも。

総括すると、群を抜いたタフさでトーキョーに君臨するのが楽しいモンスター。
ただ、攻撃力はないので注意。

ピックアップ

『魂を食うもの』
継続で、トーキョーの支配を得るたび1回復できる他、このカードを持っている限り体力上限が12になるカード。
単純に体力上限が上がることで脱落対策になり、予め回復した状態でトーキョーに入れるのでトーキョー居座りの懸念点である体力問題が緩和される。
また、体力残量が不安な状態で不意にトーキョーに入ってしまった時の保険としても働くため、生存性を大きく高めてくれる。

後書き

とりあえずパワーアップ分を書き終えたので、前回の基本セット編と合わせて最低限「進化カードで遊びたいけど、どのモンスターがいいかな?」という初心者へのサマリー制作用の叩き台を作るという目標は達成。

ただ、コレ書いていて思ったんですが、モンスターボックスから入った人にはまだコレだけでは不十分……。

なので、ベビー・ギガザウルスと南瓜の大決闘も書かないと駄目かな……という気がしているんですが、南瓜の大決闘のプレゼント進化は自分の中でこうするといいという方針が固めきれてないので、あまり自分が納得できる文が書けるビジョンがないんですよね。

まぁちょっと考えて、行けそうなら続き書きます。
駄目だったら失踪します。

最後にこの記事がキング・オブ・トーキョーの盛り上がりに少しでも貢献できることを祈って……では。

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