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青の祓魔師とアマビエ

「君の事は、絶対に忘れないよ!」
劇場版「青の祓魔師(エクソシスト)」(2012年、加藤和江原作、高橋敦史監督)を観た。主人公の奥村燐(岡本信彦)と双子の弟・雪男(福山潤)は、最強の祓魔師・聖騎士・藤本獅郎(藤原啓治)の修道院で育てられていた。奥村燐(リン)は悪魔の王・サタンが人間に産ませた御落胤で、その力を受け継いでいたが、何かとトラブルが絶えない。それに対して雪男は、成績優秀で名門私立「正十字学園」の若き天才講師として、未来を嘱望されていた。


神父の獅郎(ししろう)によると、この世界は人間の住む物質界(アッシャー)と悪魔の棲む虚無界(ゲヘナ)があり、悪魔は人間に憑依して物質界に干渉してくるのだという。
あるとき、サタンは獅郎に憑依することで、燐の前に現われて連れ去ろうとする。身体を乗っ取られた獅郎は、サタンから燐を救うために自ら命を絶った。燐は獅郎から渡されていた自らの悪魔の力を封印していた降魔剣の青い炎を解き放ち、サタンを撃退した。
その後、獅郎の葬儀に正十字騎士団・理事長で名誉騎士のメフィスト・フェレス(神谷浩史)が現れて、燐に「自決か、殺されるか」の選択を迫る。燐は獅郎の仇であるサタンを倒すべく祓魔師となることをメフィストに宣言して「正十字学園」に入学を許可され、雪男の指導の下、祓魔師を志す仲間との修行が始まった。
劇場版は、11年に1度の祝祭を前に、悪魔の侵入を防ぐため、祓魔師たちが結界を張り巡らす中で、幼き悪魔・うさ麻呂(釘宮理恵)の祠の封印を解いてしまったことで、世界は闇に包まれてしまうという物語です。うさ麻呂は、子供であるがゆえに、周囲の人たちから大した力を持っていない存在であるとバカにされますが、外見では想像できない世界を変えてしまうほどの力を秘めていたことが、後に明らかになってゆきます。「青の祓魔師」は、リアルタイムで視聴していませんでしたが興味深い内容でした。

ノストラダムスの大予言の世紀末を乗り越えて迎えた2000年以降は、スピリチュアルなドラマがたくさん生まれました。
映画「陰陽師」(2001年、原作:夢枕獏)は平安時代を舞台に、平安京を守るために戦う陰陽師・安倍晴明(野村萬斎)道尊(真田広之)との呪術合戦。

「鬼滅の刃」(2016年、原作:吾峠呼世晴)は、鬼化した妹・禰津子を人間に戻すために鬼舞辻無惨、十二鬼月と炭治郎達多くの鬼殺隊が戦う姿を描く和風剣戟奇譚。

「呪術廻戦」(2018年、原作:芥見下々)は、人間の負の感情から生まれる化け物である呪霊を祓う呪術師を描いた物語。

目に見えない世界の出来事は、現実の世界にも知らず知らずの内に影響を与えているのではないかと思えてきます。「ゲゲゲの鬼太郎」にも出てきた妖怪「アマビエ」も興味深い。

1846年に熊本県の海上に現われたという伝説の「アマビエ」は豊作や疫病の予言をした妖怪と言われて、近年ではコロナ終息の願いを込めて、「アマビエの絵」を公共施設に設置されるようになってきています。暗い話題が多い昨今ですが、「呪術廻戦」のような呪霊を呼ばないように、明るい未来を描いていきたいものです。(敬称略)







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