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細かくて伝わらない「魔ノ姫こあく」ちゃんの魅力

細かくて伝わらないシリーズなんだけど、
いつだかの配信で言ってたことが、う〜ん好きだった。

「また今度も新曲出しちゃったりする?」と
半ば冗談、半ば期待で聞いたリスナーに対して
「ん〜現状に不足は感じてないかな〜」と言ったこと。
俺は、これを聴いて、すげーかっこいいと思った。

何故なら、この言葉は現在ある3つの曲に対し
一旦やり切った”自信がある”ということで
ファンとしても同意できるほど
実際”完成度が高い”。
妙に納得させられる言葉だったからだ。

「好き好き大好き〜」 ということで
今回の発表ドラゴンはこれにて終了なのだが、
これまでの三曲の素晴らしさについて
あるいは曲作りの難しさについて、
改めて考えさせられたので、書いておく。


確かに、新曲はいくらあっても嬉しいし、
俺も新曲が出るたび狂喜乱舞ラビリンスしているが、
実際問題、いくらでも出てくるものではない。
それが世界観に結びつくものなら尚更だと感じる。

Vのオリ曲には、そのVの傾向が出る。
某海賊団船長なら年齢ネタが入りがちだし、
セクシーな歌詞や台詞パートを加える事が多い。
某本業イラストレーターの直近二曲には
リスナーへの塩対応とガキ煽りが入ってる。
歌詞と歌作ってる人間、上手で賢いな〜と思う。
どういう人間/キャラか、歌で丸わかりなのだ。

つまるところVtuberのオリ曲は
キャラソン的になるということだ。
今まで積み上げてきた特性が
凝縮されたものであるべきだし、
濃縮還元だからこそ美味しい。

オリ曲はキャラ性や世界観の反映。
では、こあくちゃんの曲はどうだったか。
彼女の場合、作詞やメロディの作曲を
自身でやっているが…

・小悪魔的レゾンデートル

・はじめてのえーきゅうけいやく!

・ラブラビリンス(5:51:14〜)


結論として、これらは存分に
彼女の世界観を伝えていると思う。
彼女をよく知っているリスナーであれば
丁寧すぎるとすら感じるかもしれない。
不足を感じない。具体的には以下となる。

「こあレゾ」は、映えある第一曲目として
様々な情報を伝達している。
・小悪魔による曲であること
・ゴシックでハイソな雰囲気
・重ためなキャラであること
・魔族との共依存であること
・極度に束縛体質であること
・存在の葛藤の中にあっても
 皆とともに強く生きる決意、など。
彼女らしさの塊。王道で魅力的だ。

「けいやく」は、うってかわって
彼女の”可愛い”を抽出した曲と言える。
繰り返される「けーやく!」のフレーズに中毒性があり、
つい声に出したくなるポップさがある。
軽やかに重い契約を結ばされる点に「らしさ」があり
彼女のアイドル性が滲み出ている。
ライブソングの王道。
「こあレゾ」が高〜いお城の上からの魔姫の曲だとして
「けいやく」は地下のライブ会場、壇上のアイドルの曲。
距離の近さを感じる。だから楽しく、また魅力的。

「ラブラビ」はスリリングでトリッキー。
この曲は”妖艶さ”が前面に出ていると感じる。
「こあレゾ」にも、妖しい雰囲気はあるけれど
爪で引っ掻かれそうな、牙で噛み付かれそうな
”流血の危険”を感じる雰囲気は「ラブラビ」だけ。
「ずっと一緒にいようね」というテーマは
前の2曲にも共通している部分だけれど、
よりリアルに、生々しく「傷付けていいよね?」
と再確認させられるようなゾッとする魅力がある。

「らしさ」満載のとても魅力的な3曲なのだ。
だから不足はないし、この3曲を聴けば
どんな存在なのかざっくりわかるだろう。

で、だ。不足がないことは承知の上で、
まだ出ていない彼女の素敵さは何だろうと考えてみた。

彼女の核となる部分は、既にかなり表現された。
だが自分の素敵な所は自分では見えないものだから
勝手ながら、個人的に、あるいは魔族的に見て
素敵な部分についてさらに考えてみる。

例えば
「負けず嫌いで気持ちの熱いところ」
ライブを見ていてもそうだが、
妥協をするのが、大嫌いで、
自分に厳しく、純粋で、
真っ直ぐな側面がある。
そういう彼女が俺も好きだし、
魔族たちも好きだろう。ならば、
熱いロック調の曲とかもあり得るだろうか?
彼女の熱い部分はロックのように発散せず、
うちに秘めた感じだから、バラードか?
一応「けーやく」の歌詞にも
「負けず嫌い」はあるけれど…

あるいは
「もっと本気のダークな側面」
彼女はエンターテイナーとしての誇りがあるから
暗黒面を周囲に見せることをヨシとしていない。
だが、必ずしも、需要がないわけではなかろう。
「大丈夫、怖くないよ」という歌詞もあるように、
怖がらせるような事は基本好まないし(多分)
人が嫌がるようなことは絶対にしないのだが…
メンヘラ好きな人間もこの世にはいるし(俺か)
それ系のホラー曲を歌ったこと自体はあるしで、
ある範囲の需要に応える方向性も、あるだろうか?
ただ「ラブラビ」が担う部分と被りそうかな?
俺は尖った曲が好物だが、好き嫌いが分かれる曲を
どこまで許容できるか。

または
「裏では気弱な時がある点」とかはどうだろう。
基本的に、弱みを人に見せたがらない。
本気で見せたがらない。
プライド高さの裏部分。プロ意識とも言える。
その弱さをあえて見せる方向性は…
うーん、難しいかもしれない。
こあくちゃんは、これまでの傾向を見ていても
エンタメ性が高いかどうかを強く重視しており、
”不可能ではないが、やらない”の位置にありそう。

曲を作るためには、
膨大な時間・金・エネルギーを
注ぐことになると以前に言っていた気がするが、
そのコストに見合う曲というのは、
結局は生み出す側にしかわからない。
一方的に思う魅力については語れるが、
価値判断を下すのは彼女だから。

そもそもとして、彼女は多産するタイプではなく、
一曲ずつに思い出や想いを込める。
これを踏まえても
一曲分の作詞とメロディがイメージできるくらい、
彼女の中で強度がある部分が必要だろう。

仮に、食いしん坊な側面をとって
ダイエットソング!も企画として面白そうだけど、
(大昔に「それもあり」とか軽く言ってたような)
企画だけあっても作れるわけではないのだろう。

可能性だけならいっぱいありそうだが、
まだ「ラブラビ」のMVも出ていないし、
とてもとても時期尚早な話ではあった。
だが、こう考えてみても、
今ある三曲にはかなり隙がない(好きはある)。

自身を客観視して、特性や世界観を、
音と歌詞に落とし込めるのが凄いし
誰にもできる事ではなく尊敬できる。
パフォーマンス力だけじゃなく、
自己表現力がある点が、彼女の隠れていない魅力…
ついダラダラと誰でもわかることを…

これからも
こあくちゃんが
健康でありますように。

(魔)

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