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Schloss と Schlüssel の違い

語源は同じ「schließen」

das Schloss, Schlösser
der Schlüssel, -

タイトル写真|Foto von Towfiqu barbhuiya auf Unsplash

共に、schließen「閉める、閉じる」(過去分詞形|geschlossen)という動詞から派生した名詞です。日本語で普段、この2つの名詞の違いを、意識して使い分けている人は、少ないのではないかのでしょうか。両方とも「鍵」という意味で、認識している人が多いのではないかと思います。語源が同じなので、形が似ているだけでなく、意味も似ていて不思議ではありません。でもドイツ語では、この2つの単語をはっきり区別して、使います。

Schloss を開閉するのが、Schlüssel

Schloss は「錠」。自由に開けたり閉めたりできないようにするために、扉や箱の蓋などについている金具の部分のことを指します(タイトル写真右の、南京「錠」の方)。そして、この「Schloss(錠)」を開けたり閉めたりする時に使うものを、「Schlüssel (鍵)」と言います(タイトル写真左側の、キー)。

自転車の「カギ」も、自転車に巻き付けるチェーンなど、輪の部分は、錠「das Fahrradschloss」、チェーンを閉めたり開けたりするのに必要な鍵が、「der Fahrradschlüssel」です。ドアも同じ。ドアの中に埋め込まれているのが、「Türschloss」、そのドアを開閉したりするときにそこに差し込んで、回すのが、「Türschlüssel」ということです。

「錠」と「城」(と「じょう」)

さて、Schloss というと、「城」を思い浮かべる人もいると思います。バイエルン州フュッセンにあるノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)が有名なので、「錠」という意味でより、「城」という意味で覚えている人の方が、多いかもしれません。おっと!なんと、日本語でも「錠」と「城」はどちらも「じょう」ですね!

「城」としての意味は、中世に建てられた「Burg(城、古城)」 に代わって、中世後期、近世から使われるようになった名称のようです。要塞、という役割があった Burg とは異なり、Schloss は、貴族が住むために建てられた大邸宅(城館、王宮、宮殿)。「錠のように安全な場所」という意味から、「城」という意味にも使われるようになったようです。


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