エターナルルーザーは、イチローの夢を見るか

日本経済の不振が叫ばれて久しい、その原因とされるものについて、竹中平蔵式しばきあげ隊や、MMTパラダイス教団が、かみ合わない論争をTwitterをはじめ繰り広げているが、語り尽くされた論考はそれぞれの学説の支持者(信者)の方々にお任せしたい。

本題に入る前に、説得力について簡単な考察を行いたい。あなたはイチロー元選手をご存じだろう。卓越した才覚、その能力を引き出す的確な訓練、そして、それらを実現してきた自らを律する精神性。いずれも敬意以外の感情を向けることなどできない。

イチロー氏が、仮に何か野球以外についてコメントを出したとする。的外れかもしれないし、明らかな誤りかもしれない。しかしながら彼の実績は、多くの人々に届き、影響を与えるに十分だ。

ここで、万年草野球三振マンの近所のおじさんが同じことを話したとしても、同じ影響力は決して持たない。もちろん万年草野球三振マンおじさんが、学門や芸術、実業などの分野で活躍しているのであれば、学者や芸術家、あるいは実業家として影響を与えることはできるだろうが。それは彼の野球観のおかげというよりも他の分野での成功した実績が、発言に説得力をもたらしているからである。

今日の本題である、岸田政権に呪詛の言葉を投げ続ける「株クラ」の面々について。彼らの説によると、資本主義社会である以上、金を稼ぐことができた人間が偉く、株式市場を報じ奉ることこそが、その理想社会への近道であるという。

彼らは、もっぱら安倍、管政権の経済政策を賞賛し、岸田政権のブレーンの、株価を軽視するかのような発言に、日夜怒りを募らせ、罵りを浴びせている。

しかしながら、ここで彼らの自信の源泉をご覧に入れたい

Google Financeより、直近1年の株価指数

おわかりだろうか、彼らはコロナ後の市場で大負けを喫している。しかも岸田政権が始まる前からである。

たった一年だけを見る?それでは不足だ、と仰るのであれば、こちらをご覧に入れたい。

Google Financeより、全データ

もうおわかりのことだろう、彼らは総理大臣に物を申すと意気込んでいながら、その実、単なる永遠の負け組、エタナール・ルーザーと言う表現以外当てはまらないのだ。

一体、どう考えれば万年三振選手、日本株ホルダーの指し示す経済政策が妥当であると考えられるのか?

「株価だけが全てでは無い」「自国の発展を望むのは国民として当然だ」

仰るとおり、だが、「金を儲けれた奴が資本主義では偉いんだ」という株クラのコンセプトが悲しく響き、岸田政権が進める「新しい資本主義」がひときわ輝いて見えるのをサポートするに過ぎない。

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