五条先生は恋をしない

僕のかわいい生徒達が…
僕を勝手に…マッチングアプリに登録してしまった。
「五条先生っ無駄に素材良いんだからマジでもったいないよっ!」
「職業は…教師にしとくか。呪術師だと胡散臭いし。」
「先生〜…この歳で◯貞ってマジヤバイっすよ。」
「うるさいよっ!もう…っ!」
ガラッ…硝子と七海が入ってきた。
「おおい…お前ら何してんだ〜?」
硝子は、タバコをくわえていた。
「ふぅ〜…」
「硝子〜…教室は禁煙だぞ〜。」
「それ…五条のスマホだろ?返してやれよっ。」
「五条先生をマッチングアプリに登録したんだよ〜。」
「アッハハハハ…マジウケるんだけどっ。私なんか…出会い全然無いってのにっ。」
「まぁ…いいんじゃないですか…っ。」
「七海までっ!?」
七海は…少し…複雑そうな表情をしていた。
「おっ…38歳キャリアウーマンじゃんっ。五条先生よりかは年上だけど…この人良くないっ?」
「…加工とかしてない?でも…美人ね〜。」
「よしっ。これで…マッチング完了☆…とっ。」
「おおい…っ…勝手にっ!?」

…。

日曜日…渋谷のカフェで、マッチングアプリで知り合った…五条さん?という人と会うことになった。
うわ…っ…高身長っ!
股下どこにあんのよっ!?
なんか…Snow Manの目黒蓮みたいなのがキター!
私より年下らしいけど…
教師としては…もったいないルックスだわっ!
「すみませんっ。遅くなりました〜。五条です。」
「…西園寺です。今日は…よろしくお願いしますっ。」

私はオレンジジュースを飲み…
五条さんは…クリームソーダを飲んでいた。
「あの…失礼ですけど…その髪…っ」
「あ〜…僕…これ…生まれつきなんです。地毛ですよ。」
肌も色白だし…日本人離れのルックスだなぁ…。
彼は、白ワイシャツに黒ズボンだった。
私は、黒のワンピースに白いサンダル。
「五条さん…ちょっとサングラス外してもらえます?」
「あ〜…まぁ…いいですけど…っ」
五条さんは…サングラスを外すと…
吸い込まれそうな…青い瞳…っ

ダ…ダメ…ッ…楠見君…思い出しちゃ…っ

あれ…っ…ちょ…っ…横井さんが…っ

横井さんがサングラスを外した時の…
濡れた子犬のようなうるうるした瞳を…
思い出してしまった…っ。

「西園寺さん?…どうしたんですか?」
「い…いや…っ…あの…ちょっと…余計な考え事を…すみませんっ…。」
「すみません…僕は…これで…」
「あ…っ…ちょっと…」
五条さんは…立ち上がり…私に近づくと…
「そろそろ…渋谷も危ないことになりますよっ。」と、意味深なことを囁き…
カフェを出てしまった。

ま…また…ダメだったか〜…。

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