カレー屋の日記・256

5月7日 身近な人が次々と亡くなっていく。自分の世界と、そして母親の世界から。変化しないと思っていた地元の広島も少しずつ変わって行くようだ。もったいない。生きることはたしかに苦しいけれど、昔に比べればきっとマシだ。

これから先どんな仕事が待っているのだろう。あの時、産み捨てられた子猫を拾わなかったように、独りで生きていけば仕事も必要はない。だけど、まだ家族は欲しいと思っている。これで本当に宇宙まで飛んでいけるのか。

僕の血筋で残っているのは僕と妹で二人だけ。未来に生き残るためには、ご先祖たちは僕たちに頼るしかない。

座る椅子も、床も、ボールペンも皆私だと思うと少し気持ちが悪くて、そうして残ったエゴを見つめていく。

10月にはまた一区切りつくだろう。そこからは3ヵ月単位で世界はきっと変わっていくだろう。

人生を取り戻すんだ。もう残り時間は短い。

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