カレー屋の日記260・【分岐点の思い出】

【分岐点の思い出】
2022年10月頃から私の人生は分岐した。結局、上昇の波には乗れず、下降した。2023年5月頃からちょっと回復してきて、元に戻った様子だ。

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僕は、今からちょうど1年前の初夏、好きな人が出来た。久しぶりの恋愛だった。けれども、それはうまくいかなかった。なぜうまくいかなかったのかは分からない。
2022年の10月頃は、そのモヤモヤとした気持ちが燻っていて、失敗を重ねていた頃だ。
古民家の滲みるような寒さが、少しずつ強まっていた。
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失恋の傷は、どんどん悪化していった。仕事も次から次に問題が発生していて、順調ではなかった。
あれだけ膨大だったモチベーションが、風船に針を刺したように、しぼんでいった。
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恋愛がしたかった。結婚がしたかった。幸せな家庭を持ちたかった。人間はそのために生きているようなものだ。大事な場面で失敗した僕には、人間として生きる資格はないということだった。
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10代は傲慢で、地方とインターネットの間で、完全に腐っていた。
20代は行動を起こす力がなく、引きこもっていた。
30代は休むのが辛くて、常に動き回っている。
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2023年の1月ごろに、店を閉店することに決めた。
20年間続けるという目標は、たった3年で終了した。
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それから就職にチャレンジしてみた。3年間でチャージされたコミュニケーション能力が上手に開花して、面接はうまくいった。しかし、やっぱり仕事のカルマは並大抵の重さではないようで、吹き飛ばされるように、3ヵ月で職場には居られなくなった。
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選挙活動にもチャレンジしてみた。たまたま、友達が立候補した、事務所がみつからなかったので、成り行きで自分のお店を貸した。しかし、『今のままでいいよ』という現状維持の力は思った以上に強力で、変化は起こらなかった。応援する候補は次点で落選。市長も新しい候補者はたった300票差で落選。町は変わらないことを決めたようだ。
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結局、レベルアップをしなければ、尾道では生きていけないということだ。
真剣に生きている人ばかりで、自分の小ささが嫌になる。
尾道で生きている人たちは、自分より遥かに強力な人ばかりだ。

人口はどんどん減っているけれど、それはどの地方でも同じことだ。
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『毎日変わらず同じことをやるのに向いている。』だから、そういった仕事を求めているのだけど、34年間かけても、一度も辿り着けなかった。
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こんな難しい世界で生きていて何が楽しいのだろうか。
毎日毎日苦痛に塗れている。
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『自分の意見を言えるようにする。』
『履歴書に納得できる形に仕上げる。』
『最愛の女性を見つける。』
『精神世界のマスターとしてひと角の所に立つ。』

夢は何一つ叶わなかった。

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