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旅の写真日記(北海道)

すっかり定番となった旅の写真日記。まだ朝晩は寒い6月下旬の北海道へ、5泊6日で行ってきました。ちょっと間をあけて日記をかくと、旅の追体験みたいでなかなか良い。それこそここ数日の暑さがヤバすぎて、写真の世界に入り込みたいわ、なんてことを思いつつ。今回も大量の写真とともに。

今回の旅も例によってざっくり「釧路」「網走」とだけ頭に入れて、あとはその時の感じで。これは実は最終日の写真。霧の釧路。
いきなり最終日の写真ですが、あまりにも良かったのでトップに持ってきました。
釧路市の霧の発生日数は、ほぼ毎年100日以上ということで、ある意味これが日常風景といえる。聞きしに勝る霧の町でした。早朝だったこともあって、ずっと夢の中にいる感じ。
海上で発生した霧が運ばれてくるので、海霧(じり)と呼ぶらしい。
2時間くらい、幣舞橋を中心に釧路川沿いを撮り歩いていたのですが、気がつくと髪の毛がびしょ濡れでした。それほどの水蒸気の中を歩いていたということか。いや素晴らしい体験だった。これモノクロでも最高なんですよね。
さて、ここから初日の写真を。羽田から釧路空港へ降りたった初日は雨模様で「おお、いきなり目的達成かも」と期待したものの、釧路市内に霧は出ていませんでした。そんなわけでGoogleマップを見ながら「海沿いの国道を走ってみるか」と思い立って、38号線を十勝方面へ。
道東の、ロードサイドの寂寥感がたまらない。
「厚内駅」という無人駅が目的地になりました。
こういう無人駅からしか得らない栄養素がある。釧路に戻ります。
霧の出ていない釧路。それでも良い感じですけどね。
翌日(2日目)、ひとまず釧路を後にして北へ。網走へ向かいます。約150㎞のドライブ。途中で摩周湖に寄ったりしつつ、6月でも晴れた昼間はさすがに暑くて、ソフトクリームを食べた。
運転していて、良さそうな風景があれば車をとめる。
晴れたり、曇ったり、ゲリラ豪雨があったりで楽しいドライブ。なんだかんだと寄り道しつつ、夜には網走のホテルにチェックインしました。
翌日(3日目)もほとんどノープランだったので、気ままにドライブ。
これまたGoogleマップで見つけた「北浜駅」へ。オホーツク海の見える駅。
おお、良い感じで電車が来る!夕日はここで狙うしかないな。
北海道を走っていると、よく見かける花、ルピナス。どんな荒れ地でも育つ品種で、廃線や廃道、離農した農家でもよく見かける。そのせいか、ある種の哀愁を感じさせる。
初見は綺麗だなと思うのですが外来種なので、本州でのセイタカアワダチソウのような位置づけかもしれない。
休憩がてら、広い駐車場がある「小清水原生花園」へ。駐車場からもうエゾシロチョウが大量に飛んでいました。これがけっこう怖い。ルピナスにもいえることですけど、単体では美しいものも、大量に面で対峙するとそれが不気味さに変わるという。それでも、写真は一部を切り取れることができるゆえ美しく表現できる。そのことに自覚的であるべきだなぁと思った。
小清水原生花園の丘を登るとオホーツク海も見渡せる。
濤沸湖へ。
ラムサール条約湿地に登録されている濤沸湖。水鳥がたくさんいて美しいが、唯一の武器、35mmでは限界が笑。
ポニーの放牧ポイントを発見。
めっちゃ寄ってくる。めっちゃ可愛い。
Leica M11 しか持ってないので、動く馬は大変。
とてもユニークな場所。釧路とは違った意味で北海道に来たなぁと実感する。
再びの北浜駅。
奥に見える木組みの展望台から、電車を撮る算段。
展望台から網走方面を見る。オホーツク海の波打ち際のかすみがとても綺麗。日が沈むまでだいぶ時間があったけど、いつまでも見ていられる光景だった。
暮れゆく。
電車待ち。でもバスも良い感じ・・・!
美しい駅だった。推せる。
翌日(4日目)は文化的栄養摂取と移動日。まずは「網走市立郷土博物館」へ。
建築が可愛い。設計は北海道の代表的建築家・田上義也。フランク・ロイド・ライトが帝国ホテル新館設計のために来日したときに通訳として参加し、その仕事を間近で学んだとのこと。
この建築だけでも見る価値あります。展示内容も古代から現代にいたる歴史や文化を堅実に伝えていて、すごく勉強になった。自分のなかで北海道の最古の知識(日本史的な意味で)が、江戸の松前藩だったので、それ以前のとても豊かに広がっていた歴史に愕然とした。
その足で「北海道立北方民族博物館」へ。こちらは北海道のみならず「北方民族」というひとつ上の視点から焦点を当てた展示内容。
北海道から帰ったあと、川越宗一「熱源」を手に取ったときも、この時に見た展示を思い出しながら読んだ。熱源を読み終わって、ウポポイにも足を運んでみたいと思いました。
上記をまわって、だいぶゲージがたまった状態ですが「博物館網走監獄」へ。予定時間1時間半くらいのつもりが、敷地が広く充実過ぎる展示で駆け足になっちゃった。
「ゴールデンカムイで出てきたし」みたいな軽い気持ちで行ったのが間違いだった。囚人の生活や、開拓史にも労働力として多大な影響をあたえた背景などが知れて面白い。3時間は必要だったかも。
重要文化財でもある網走監獄の舎房。放射状に伸びる五つの舎房を、この中央見張所から全方向見張ることができる。死角が出来ないような合理的な造り。
中央見張所からの眺め。
あ、白石はっけん!ここを脱獄するなんて。改めて驚愕。
そんなこんなで釧路へ戻ります。ちょっとだけ能取岬灯台を見て、南へ。
釧路湿原にさしかかって、シラルトロ湖というところ。車を停められる場所があったので夕日を見る。帰り道の道中、意図せずこういう光景に出会えてしまう北海道よ。
さて翌日(5日目)。もう明日には帰るけど、この時点でまだ霧は撮れてない。ちょっと諦めモードではあったが釧路は夕日も綺麗と聞いている。
やっぱりめちゃくちゃ綺麗。釧路最高か。
水蒸気が多いと、空気中の水蒸気の粒子によって太陽の光が散乱されるため、綺麗なオレンジ、赤色の夕日になる。ということは、翌日の朝は霧になるかもなと思いながら、早めに眠りにつきました。
(6日目)キター!おしまい。

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