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遠くの土地の「なんかいい感じ」

ずっと乗ってみたかったサンライズの予約が取れたので、今週は西の方へ撮影に行ってきます。ひとまずの目的地は岡山で、着いた後はその時々で目的地を決めようかなと。

それで思ったんですけど、旅館や温泉宿はそれ自体情緒があって素敵なのですが、上記のようなスタイルで旅をするうえではビジネスホテルって最強ですね。夕食や朝食の時間に縛られないし、門限の気遣いもいらないので、深夜だろうが早朝だろうが撮影に行ける。

ビジネスホテルといえば、連泊した時の、11時〜12時頃に他の部屋から聞こえてくる清掃の音、あれけっこう好きなんですよね。周りがほぼチェックアウトし終わって、清掃員の話し声だったり掃除機の音だったりが聞こえる中で、自分は静かな部屋で一人、ベットに寝転がっているあの感じ。

早朝に撮影をし終えているので罪悪感とは違うんですけど、それでいて学校や会社をサボっているような気になります。学校とも会社とも縁遠い人生だったので、その感覚になるのもおかしな話ですが。

そうやって日常では得られない「なんかいい感じ」を、遠くの土地で感じられるのもまた、情緒だなぁと思うわけです。

「あなたにおすすめ」やSNSのアルゴリズムは時には便利ですけど、「あなたはこれが好きでしょう」と提案されることの気持ち悪さには、自覚的でありたいと思います。それらは主体性を奪うものであって、その積み重ねに慣れてしまわないように本を読んだり、旅に出たりが大事になってくる。

旅先において「あなたのための風景」なんてものはなくて、自分がそこに行こうが行くまいが、風景としてはそこにあるわけで、そこにあるがままの風景に出会いにいく、そして写真を撮る。それが良い。

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写真家の日記

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