見出し画像

生きていく意味を探していた時


8年前、
生きていく意味を見失った私は

もう命なんかいらない、死んでしまった方がましだ、
一人になって生きる価値なんてどこにもない、

と保護された部屋の片隅で、
ずっと目を瞑り
「なんでこうなったんだろう」と自分に問いかけていた。

普通に真面目に、家族の為に、会社の為に、
それらを必死に守り続け、どの方面にも抜かりが無いように、
完璧にこなしてきたつもりだった。

自分でいうのも何だが、私は元来、真面目で素直で誠実で、
嘘もつけなくて、頑張り屋で努力家、

そんな自分が
「今、なんでこんなところに一人でいるのか?」自分にも分らなかった。

「私が何か悪いことをしたのか?」
「いや、そうではない」

「神様に反することをしたのか?」
「それも違う」

「じゃぁ、何で、今一人でこの深く暗い穴の中に落ちてしまっているのか?」


「いや、私はただ・・・」


しかし、その後の言葉は見つからない。

長い時間、

「なんで」、「なんで」、「なんで・・・」

「なんで私がこんなところに、たった一人でいるの・・・」

「なぜ・・・」

目を瞑り、同じ質問をずっと繰り返していた。

その状態で、3日間くらい過ぎていただろうか・・・。

突然、私は自分の中に魂を見た。

ただ、私もそれが魂と言えるのかわからない・・・


しかしはっきりと、グレーの色をした、

ビー玉のような小さくて硬く、丸い球体の周囲3方から、

今にも消えそうで消えない、

弱々しい青い炎がゆらゆらと揺れては消え、

またゆらゆらと立ち上がり、

また消えかかり、

弱々しいがどこか力強い、

決して消えない青い炎を見た。

決して消えない炎。


それは自分の命、魂だった。


魂が生きたがっていた。


まだ自分に生きる力が残っている・・・、


そう思えた。


その時、心の奥深くにしまい、すっかり忘れていた

「自分らしく生きてみたい」

と、どこかで思っていたことをハッと思い出した。


それに気づいた時、私の目から涙がとめどなく溢れ、
それはとどまることを知らなかった。


まだ生きたがっている命を消してはいけない、


「生きなきゃ」

「このまま死んではいけない」

「この命の炎を消してはいけない」


そう思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?