思い出

先日、10歳の時に見た、タイガーマスクのデビュー戦のことを書いたけど、

記憶がハッキリしてるんですよね。

これは加齢による呆けとかではないと思うけど、齢を取るにつれて

「感情や光景を伴う記憶」が
幼少期〜高校生
くらいのものに限定されてきてる。

いや、20歳前後、20代も楽しかったはずなんですよ。
まだ心身共に健康だったし、フツーに働いてたし、結婚もしたし、標準体型より痩せてたし。

いろんなことを体験してるし、いろんな場所に行ってるし、いろんな人と楽しい時間を過ごしてる。
いわゆる「イベント」的なものは18〜30歳くらいが一番あるのに、

何故か記憶が無い。

現代だとイベント的なものがあればスマホで写真を撮るだろうし、その写真に日付と場所が記録されてる。

その記録も無いんだよね。時代的に。
記憶を呼び覚ますトリガーとなるであろう、記録も無い。

テレビで全国放送された有名なやつ、みたいなのだと、ネットで調べたら日付とか出てくるので、
ああ、あの日は俺は〇歳だったのか、じゃあ、あの家に住んでる時だな?
と分かるんだけど、

個人的な思い出はネットに載ってないし。


俺は若い時から「日記をつける」みたいなことをしてなかったから、更に。

10〜20代の頃って感受性も好奇心も行動力も、
(今の自分に比べたら)
絶対にすごいので、

「今日はレッドツェッペリンというバンドをラジオで初めて聴いた。流行りの音楽よりすごい」
「夜のヒットスタジオにラフィンノーズが出てギターの人がカメラに唾を吐いた。唾をカメラに命中させるのすごい」
「昨日からずっとクラプトンのギターをコピーしてて、高校を休んでしまった」

とか、日記を付けとけばよかった。

あ、今、思い出したんだけど、
高校生の時に日記を付けてた。
でも、ある日、読み返して
「恥ずかしい!」と思って捨てたんだった。物理的に燃やしたかもしれない。


生きてれば、特に社会人にもなれば
ツラいことが積み重なっていくから、

今を生きるための術として
「イヤなことは忘れる」という能力を身に付けてしまって、
まあ、それで今は楽しく生きているが、

忘れ過ぎでは?
イヤなことと共に、楽しい思い出も消し過ぎでは?

脳、そこら辺のことはどう考えてんの?

…とも思うが、
そう思うのは、現在の俺が、
10〜40代の俺よりラクに生きることができてる証拠かもしれないな?

とも思うけど。


タイムマシン的なものがあって、10〜20代、ん〜、18歳で家を出た時にしよう、
その18歳の俺に会えるのであれば、

「日記を付けろ。見たもの、聴いたもの、起きたこと、会った人、箇条書き、いやメモでいいや。日付と、感じたことも一言でいいから添えて、日記を付けろ。なぜなら、50代になった時にほとんど忘れているから」
と言いたい。

しかし、18歳の俺は
「オッサンが未来の俺ということは分かった。分かりたくないけど…。でも、俺は!日記とか付けない!今を生きてるから!この日々のことを忘れるなんて絶対にないから!」
とか言って、
今の俺の言うことを聞かんだろうな、と思う。

そういうものよ…………

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