阿部寛

VIVANTの最終回、楽しみですね〜。

ドラマの主要人物の一人、阿部寛を見るたびに思い出すことがある。


俺が高校時代、「メンズノンノ」という雑誌が創刊された。
それまで男性向けのファッション雑誌はなかった。(「スーツの着こなし」を中心としたビジネスマン向けの「MEN'S CLUB」などはあったが)

「男がツヤつけんな!(男がオシャレなんてするな)」という価値観がデフォルトだったので…

その価値観を大きく変えた「メンズノンノ」の初期は2人のモデル、やたら背が高い日本人の青年と童顔の外国人が毎回載っていた。
阿部寛とマークパンサーである。


マークパンサーに関しては「消えた」と思っていたので小室哲哉のグループで見た時は「マークパンサーじゃん!でも今まで何してたの?」と思った。


阿部寛はモデルをやった後、俳優に転向するが今のように売れてはなかった。

ウィキペディアによると
・二枚目過ぎて「フェラーリで乗り付けるような」ありきたりな二枚目男の役しか与えられなかった。
・背が高過ぎて「女優とのツーショットが撮りにくい」という理由からドラマに呼ばれなくなった。
・バブル期に買った投資用マンションが原因で多額の借金を追った。
・3年間、パチンコで食いつないだ。
・「あの人は今」から声がかかった。

不遇時代の阿部寛の出演映画に池上遼一の「サンクチュアリ」実写版がありますね。

つかこうへいの舞台に出たりしながら不遇時代をなんとか乗り越え、2000年に「TRICK」で再ブレイクする。
その後、「HERO(2001年)」でキムタクの脇役をやったり、「アットホームダッド(2004年)」で専業主夫を演じたりした後、2006年の「結婚できない男」でその人気を決定付ける。

「めっちゃイイ男が、全力でバカな役をやったらめっちゃおもしろい」を浸透させたのは阿部寛ではないだろうか。

VIVANTでの「ミィリタィスコール?」もイイ男の阿部寛がやるからおもしろい。
阿部寛、何も演じてもおもしろい。
阿部寛にしか出せない「阿部寛味」がある。そこには滑舌の悪さも含まれる。


同じように「二枚目過ぎて不遇時代があった」俳優に草刈正雄がいる。

70年代の日本映画や漫画に「ハンサムの代名詞」として草刈正雄の名前が出てくることがある。

これは1978年の松田優作主演の映画、「最も危険な遊戯」のワンシーン。

「ハンサム」という言葉が死語になったように、草刈正雄も徐々に仕事を失う。

こんな役をしてた時代もある。
これは「ダブルエックス」という、宮崎ますみを脱がせる目的で作ったと思われるVシネマのワンシーン。
草刈正雄と宮崎ますみのヘッドシーンが15分くらいあったりする。

草刈正雄も「消えた昔の人」と思ってたので大河ドラマ等でやたら貫禄のある役をやる草刈正雄を見た時は「いつの間に?」と思った。


若い頃から売れ続けてる訳でもなく、成り金でもなく、「キャリアの途中で不遇時代があり、試行錯誤の末、再ブレイクした人」にしか出せない味があるなあ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?