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思ってたのと違った、山口百恵の「蒼い時」(ネタバレ)

※このnoteは本の内容を書いています。

・「自立する女」「キャリアウーマン」 私は、この言葉を聞くと身震いがする。
・女の時代だとか何だとか言われて、その気になって「男なんて」と思ったり、
・「私は、自立する女」という看板をブラ下げている女性ほど、薄っぺらな感じがしてならない。

山口百恵の自叙伝「蒼い時」に書かれている文章の一部分である。

「蒼い時」127ページより

いや……誤植では?と思った。
有名人が夜中に酔っ払ってツイートするのとは訳が違う。書籍なので編集の人などを通して出版されているはず。

思ってたのと違い過ぎた。 
この本の存在は知っていた。
しかし、ぼんやりとした山口百恵への「強く生き抜く女性の象徴」という俺の勝手なイメージから、
この「蒼い時」は

「全ての女性に送る、女性のための、女性が(男性に負けず)強く生き抜くための必読書!」
…みたいな本だと思っていた。

この本は26年前、妻と結婚した時から家にあった。

「第一刷発行」と書いてある。
5歳年上の妻が15〜16歳の時に買った本だ。

このnoteの最初に書いた文章は、今なら切り取られてツイッターで炎上するような内容だ。

この文章をどんな気持ちで山口百恵が書いたのか、それは各自、読んでみるしかないと思う。

ネット的、ツイッター的ものとは真反対、特に日夜繰り広げられているツイッターの「男女論」とは全く違う。

「時代が違う」と言われればそれまでのような気がするが、SNS時代の今だからこそ、読む価値があるようにも思う。

ここに書かれてる、今では逆に新鮮にも感じる価値観は今でも通用するものであると思う。

というか、ネットやツイッターの方がオカシイのだ。

あの、極論であればあるほど無責任にバズってしまう場所で作られる価値観が、正しい訳がない。

「ツイッターなんて、しょせんドブ川」ということを忘れて麻痺してはならない。

歌手としての才能から神格化されてるような感じもするが、
この「蒼い時」は「芸能界という特殊な世界で8年間生きてきた」ことをしっかり自覚している「一人の人間・山口百恵」が書いた本、という印象を持った。

特殊な自身の出生についても赤裸々に書いてるし「父親に当たる人」への痛烈な批判も書いている。

有名人の言葉に有りがちな「皆さんのために〜」みたいなのは微塵もなく、
自分、母親、妹、夫になる三浦友和、この4人のことしか考えてない、そんな風に感じた。

この本は、本当に山口百恵が書いたのだろうか?とも思った。

しかし本の最後の方に山口百恵直筆の原稿があり、

自分で書いてるっぽい。

ああ、この時代はパソコンとかではなく、万年筆などで、手で書いたのだな、と当たり前のことを思った。

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