R-1グランプリ2021準決勝感想

今回はU-NEXTでリアルタイム配信とのことで、お笑いの賞レースでは初めて準決勝をリアルタイム鑑賞することに成功。正直、THE WについでぱっとしないR-1というのが何とも微妙なところではあるけど。KOCやM-1であれば準決勝進出者で全くネタを観たことがないコンビは1-2組あるかないかなんだけど、R-1に限っては半数近くが名前すら聞いたことがない。。あと、ネタ尺3分ってきついよねえ。

去年と同様、決勝進出者が11人+復活ステージだとすると、個人的には、真輝志、森本サイダー、高田ぽる子、徳原旅行、ケビンス仁木、独唱の塔天、寺田寛明、ヒコロヒー、ZAZY、吉住、シモタあたりかなあ。時点でかが屋・賀屋とか?_

ラニーノーズ山田健人(△)

大阪吉本のイケメン若手歌ネタ芸人という印象。

オリジナルソングというベタな展開からちゃんと展開があるリズムコント。オチ周りが弱かったけど。

かが屋 賀屋(〇)

この前『ほんとうにあった怖い話』にメインキャストとして出演していた賀屋君。かが屋は大変な時期が続いている中なので、おぎやはぎ、バナナマン系列の関東コント師として是非頑張ってほしいところ。

有吉の壁でたまにみるキャラ?かと思ったら下品なスラップスティック?かと思ったらちゃんとかが屋の雰囲気のあるコント。結構受けてた?

土屋(△)

『弱虫ペダル』の2.5次元ミュージカル?風の雑な小道具に、ボケが田原俊彦縛りという意味不明な設定。コントインの度合いが中途半端でラスト周りウダウダになってたけど、あれも計算なんだろうか。

Yes!アキト(〇)

イージードゥダンサーズを超えた賞レースの賑やかし担当、怪奇!YesどんぐりRPGの主に正統派ギャグ、ダブルパチンコ担当。どんぐりたけしとサツマカワRPGのセットでしか見たことがないので、ピンネタは逆に新鮮かもしれない。

ただのギャグリレーでストーリー展開も伏線回収もほぼないんだけど、めっちゃ面白いし濃淡のつけ方が上手い。ラストの唐突な一発ギャグ宣言で会場が沸いてる。とはいえ、この手のパワープレイを審査員がどう評価するのか分からん。

森本サイダー(〇)

オズワルド・伊藤、蛙亭・岩倉、ママタルト・大鶴肥満との芸人ルームシェアでお馴染みの松竹ピン芸人。細かすぎて~で披露する悲哀漂うショートネタ(河邑ミクとのコラボネタは傑作だった)しかしらないので、賞レース用ピンネタはこちらも初。

真空ジェシカの「悪いお客さん」を彷彿とさせるネタで、ネタバラシパートはあまり強くはないけど個人的にはかなり好き。結構ウケてた気がする。

ママタルト檜原(〇)

森本サイダーと同居する大鶴肥満の相方。一昨日、TBSラジオ「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」にトンツカタンの方の森本とピンチヒッターとして出演していたので、色々ごっちゃになっている。

掴みのレジ袋ボケがかなり強い。その分その後に同じトーンで続くボケがあまりハマらなかったけど、ラストのボケもよかった。笑顔で人〇してそうな笑顔が印象的。

Gパンパンダ星野(△)

2018年のNHK新人お笑い大賞を制したナベプロの高学歴コント師。

半分コントインした自虐漫談。面白いけど、面白事実の羅列になっていて、着眼点も切り口もちょっと弱い気がした。

高田ぽる子(〇)

なんだこいつ・・・笑。フリップの字がちょっとうまいのも腹立つ笑。一切感情のない目が怖すぎて、去年乳首ネタやってたななまがり森下よりよっぽど狂気を感じた。決勝ではハマらないだろうけど、カルト人気が出そう。

そいつどいつ市川刺身(△)

最近はABCお笑いグランプリの決勝常連な東京吉本のコント師。コントでは気味の悪い天丼ネタのイメージだが、ピンネタはどうか。

と思ったらコミュ力高い町のヤバい人による悪意のある捨て台詞天丼。ヤバい人ボケがあまりハマってなかった気がする。

さきぽん(△)

デブネタ真正面の演技派コント。どストレートすぎて逆にびっくりしたけど、流石に弱いかなあ。

徳原旅行(〇)

聞いたことない芸人だったけど、面白いなあ。単なる大学生あるあるが、設定をちょっと変えるだけで、ここまで面白くなるというコントの教科書的なネタな気がする。

金の国・渡部おにぎり(×)

おおん?ネタが完全にぶっ飛んだ?30秒もしないうちにはけていったぞ。。

吉住(〇)

THE W2020王者、渡部ショック後の人力舎の星。バラエティでの立ち回りは苦手そうだけど、見えない第三者を浮かび上がらせる一人芝居(ルシファー吉岡系統)は文句なしに面白い。

公式YouTubeにあがっている過去ネタ。ボケ数は少ないんだけど、そのボケの爆発力が半端じゃない。あと、あの演技、というか声の出し方がネタの世界観に見事にマッチしている。

グータン森山(---)

テツandトモのライバルwwこれはダメだろ笑。めっちゃ笑ったけど、バラエティでやってくれww

ケビンス仁木(〇)

視力検査設定のフリップ芸。前半に強いフリップが集まっていて終盤息切れ感があったけど、粗品のネタに似たお題フリップ⇒大喜利回答のフォーマット。面白かった。

独唱の塔天(〇)

中盤にあまり出来の良くないショート替え歌パートを挟む理由がよく分からなかったけど、替え歌×フリップは強い。替え歌自体にパンチ力があって、その後にフリップ上でボソッとツッコむ形式も憎い。

カベポスター 永見(△)

ABCお笑いグランプリの決勝やM-1の準決勝などで見かけるようになった、ちょっと知的なネタをやる印象の漫才師。

世界のどこかで誰かが言っているかもしれないフレーズを言い続ける、というtwitterのbotを読み上げるようなネタ。展開が無くてセンス一本勝負かつロートーンのヒロシっぽいネタは賞レースの雰囲気にあまり合わない気もする。好きなんだけど。

kento fukaya(△)

三つのフリップをフル活用して、フリップからフリップへと破天荒に展開するフリップネタ。配信だとカメラワークが終始ひとつのフリップのアップだったので、フリップを複数使っているからこその面白さが伝わりにくかった。会場はウケてたなあ。

田津原理音(△)

情報量の薄いフリップをめくることで畳みかける天丼系のフリップネタ。いくつかフリップのサイズと絵のサイズが釣り合っていないフリップがあったのが気になった。あと中休憩直後のアドリブの掴みでやや滑りしてたな。

紺野ぶるま(△)

「ち〇こ」謎かけという最強の飛び道具を持ちつつ、嫌みな若い女性ネタで着実に賞レースの実績を積んでいる。キンタロー、ヒコロヒー、河邑ミク、紺野ぶるまと松竹は強い女芸人が揃ってるな(一応Aマッソも元松竹)。

意識高い系イジりだけど、どうしても切り口がベタな印象。コント内でのイジりのベクトルが終始ぶるまから見えない第三者への一方通行で、自分側のスタンスを最後まで切らないのが単調に感じてしまう要因かも。

寺田寛明(◎)

年明けの深夜特番でやっていた、「笑うラストフレーズ」とネタの構成(英語のフレーズを日本語に超訳する)がもろ被りしてたけど、それを加味しても十分に面白かったし、一つも外していなかった。会場もかなりウケていた様子。

4000年に一度咲く金指(△)

コントの中でコントインするタイプの一人芝居。コント内コントで演じるキャラクターがちょっと怖すぎるのに対し、それをフォローするコント側の諭し文句が弱い感じがした。

西村ヒロチョ(△)

野田クリスタルの乙女ゲーでしか知らなかったけど、これがロマンティック漫談かー初めて見た。キャラ芸なので、王子漫才をやっていた頃のアントワネットみたいなツッコミが欲しいなあと思ってしまった。

ZAZY(△)

絹江にパンパン、のトツギーノ系不条理フリップネタと、Aマッソとのコラボで見せた意外な大喜利の強さにギャップ萌えな芸人。そういえば見た目もぶっ飛んでいたな、というのを定期的に思い出す。

なんかリズム感が悪いなあ、とかフリップこんなに使う必要ある?とか思いながら見ていたら、しっかりラストで回収された。ZAZYの芸風を知ってるから最後まで待てたけど、決勝の客に初見でこれは厳しいのでは。。

ゆりやんレトリィバァ(△)

ぶっ壊れたラジオばりにボケ続けるお笑いモンスター。正直ネタは当たりはずれが大きいと思っているが、芸人としての胆力はピカイチ。

擬人化ボケ⇒ちゃうねん、のセットをひたすら積み重ねる。天竺鼠・川原に似た雰囲気があったけど、一つ一つのボケが浅すぎて、全体的に投げやり感を感じた。

マツモトクラブ(△)

音声を用いた唯一無二の演劇ネタを引っさげるも、なかなか勝ちきれないR-1決勝常連。今年はラストイヤーらしいのでぜひとも頑張ってほしいところ。

と思ったものの、これ過去ネタだよな。。コロナ禍を受けてだいぶ手は入れていたけど、その部分があまりハマっていなかった。

お見送り芸人しんいち

ヒロシ系のギター漫談。~好き、という悪口を列挙するフォーマット。要所要所で記憶に残る悪口があったけど時事ネタ要素が強いから賞レース的に評価されるかは微妙な気がする。

シモタ(〇)

誰かと思ったらコウテイの下田かい。同じフリップの絵を日本語に見立てたり、簡略化したイラストに見立てたり、モールス信号に見立てたり、とかなり高度なことをやっている印象。相変わらずパワープレイ多めだけど。

真輝志(◎)

園子音の『自殺サークル』かよ、という設定だが、全く予想しなかった展開で、良質なショートショートを読んでいるような感覚のネタ。最後のオチもおそらく今日の出場者で最もキレイだった。

ヒコロヒー(〇)

最初に知ったのは「うしろシティ 星のギガボディ」での阿諏訪エピソードトークだが、ヤサグレ芸と元ピーマンズスタンダード・みなみかわとのジェンダーいじり漫才で絶賛売れかけ中の松竹の星(脱竹最有力候補)。R-1で優勝するためにYouTubeチャンネルで方々から金を借りているのでぜひとも頑張ってほしいところ。

いつも何でやってるのか分からなかった、冒頭の「ヒコロヒーのヒッコロコント、〇〇!」というやつが今回は上手いこと言うてるやん、な感じで決まっていた。マジでブラックな着眼点を笑いに変えているが、最後の展開で笑いのベクトルが180度ひっくり返るあたり、ぶるまのネタより構成の妙は長けてるな、と思った。


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