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文化庁メディア芸術祭受賞作品展に行ったという話

未来館で芸術祭をやっているよ、無料だよ、今週末までだよ、という話を友人から聞いたので、じゃあせっかくだし行ってやろうじゃないかと来場予約をして作品展を見てきた。普段なんとなくアート系興味あります風を装っているが、こういった展覧会とかに足を運ぶのはかなり久しぶりだ。(コロナの影響を抜きにしても)

基本的に予習ということができない性格なので、ほぼ何も調べずに会場入りしたが、作品説明で、場合によってはちょっと野暮なのかもと思うくらいに、制作背景やコンセプトなどを丁寧に解説してくれているので大変助かったし訳も分からず見るより断然面白かった。

アート部門大賞受賞作の「[ir]reverent: Miracles on Demand」なんか、それだけ見たって何のことかさっぱりわからない。説明書きを読んで初めてその尖がったコンセプトが見えてくる。

アートは感じるもの、作品自体の真正性や伝統性が大事。説明なんて二の次でいい、というタイプの人も多いけど(だいたいそういう人は「現代アート」を「よくわからない(発想の面白さの否定)」「誰でもできる(技巧性の欠如)」といって毛嫌いし、観光地の歴史的建造物などを見るときも、それが再建されたものと分かったとたん露骨にがっかりする。あと「なんでも鑑定団」が好き)、

僕は今回の展示を見て、別に作品自体がその場になくても、説明書きと作品の写真なり映像なりがその場にあれば、十分に展示会として成立するんだな、と改めて感じた(コロナの影響で実物を運ぶことができない、という外的要因もあって特にその様相が強かった)

展示作品の中では、「Shadows as Athletes」という、アスリートの影を中心に捉えた映像作品が抜群に印象的だった。少し前に市川崑の「東京オリンピック」を見て、アスリートの姿を純粋な肉体の運動として捉えた映像の数々に度肝を抜かれた(特に器械体操のシーンは強烈だった)のだが、視点を二次元に投影された影の運動に向けるという本作の試みも、顔の見えない純粋な運動を見ることができて個人的に一番ぐっと来た。(隣のブースのamazarashi 武道館公演『朗読演奏実験空間 “新言語秩序”』の音声が気になってしょうがなかったが)

ところで、帰りがけに受けた「東京都臨海地域観光動向に関する調査」の謝礼で招き猫の消しゴムを貰った。仕事で似たようなモニター調査の実査設計をしたことがあるけど、キャラクター消しゴムってこういう調査謝礼の定番なんだな。

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