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[方法] 楽譜を読むのが得意になれる秘訣

これを読んでくれているウチの生徒さんがたで、「楽譜を読むのが不得手」というかたもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

わたし自身も高校を出るくらいまではずっと不得意で、どうしたものかと悩んでおりましたがその時兄弟子の一人からアドバイスを受けて努力したところそこそこ読めるようになりましたので、こちらでご紹介してみたいと思います。

楽譜というものは後世の人が考えたもので、音楽の継承はもともと「口伝」であります。
親から子、子から孫へと口伝で伝えられていくもので、それらが楽譜という形に整理されるのはずっと後の話であります。

ひとつ大前提として、音楽のすべてをあらわすことに成功した楽譜というものはありません。

録音という技術がなかった時代では音楽を記録しておくということではほかに方法がなく、限りのある2次元の媒体に工夫して情報を詰め込むことになります。
そのうちに、楽譜というものがある前提で音楽が作り始められますが、それとて「作曲家の頭の中にある音楽」が「2次元である紙媒体の楽譜」に「整理」されることにより失われる情報ができるだけ少なくなるよう、多大な工夫があったと思います。

このように楽譜にはそれほどたいした情報は詰まっていないのです。
ただの暗号文のようなものなの。まずはただひたすらに解読することでよいわけです。細かな機微などはそこには載っていません。

それではこの暗号の解読に慣れるためには何をすればよいでしょうか。
それは、積極的に楽譜を書くことを習慣にすることです。

記譜の歴史は、口伝の記録から始まっています。
街で耳にしたもの、テレビから流れてきたもの、お気に入りの歌、片っ端から耳コピします。
この耳コピが「口伝」と同じことですね。
耳コピに慣れることで、楽器も上達します。

最初のうちは苦労するかもしれませんが、時間をかけてやれば、よほど難解なものでない限りは耳コピができるようになるでしょう。
そうして苦労して取得した情報は何かに残しておきたいですよね。

そこで、楽譜を自分で起こします。
もちろん、楽譜を読むのが苦手だということですから、間違っていないキレイな楽譜にはなりません。

でもそれでいいのです。

その「なんだかわからない楽譜」を書いてください。
書いたら翌日にそれを見ながら演奏しましょう。
完全に細部まで覚えている曲ではだめです。楽譜を見ずに弾いてしまいます。
耳コピをしている間に曲を覚えてしまっている可能性もありますので、この耳コピ譜面を先にたくさん作ってしまいます。

最初のほうに作った楽譜の曲を少し忘れかけたころに、その楽譜を見ながら弾いてください。
自分で自分に、情報伝達するのです。
おそらく、「こんなんじゃなかった」となることでしょう。

とにかく、たくさん「書くこと」です。
これを続けてください。
そうすると、少しずつ楽譜が洗練されてきます。

ある程度楽譜が書けるようになったと思ったら、それを楽譜の読めるお友達に見せて弾いてもらいます。
たぶんまだ、いっぱい間違えているはずです。
そうして、怒られてください
何度か指摘されたころには、それなりの完成度の楽譜が書けていると思います。

その段階まで来たら、いつの間にかあなたはそれなりには楽譜が読める人になっていますよ。

京都在住のサックス/フルートプレイヤーです。 思ったことを自分勝手に書いていきます。 基本、内容はえらそうです。