見出し画像

[閑散]いま、やろうとしていること


ジャズのライブと言うのはだいたいいつも閑古鳥が鳴くものだ。
J-Popやアイドルのライブとは違う。
著名な大御所と呼ばれる、日本を代表するような演奏家のライブにお客が1ケタ・・
などということも決して少なくないのが現状です。

でも大入りのライブも実際あるじゃないか、そんなのはミュージシャンの努力不足だ!という声も聞こえそうですね。
ジャズのライブで100名くらいのお客様がご来店されたら、それはもうひとつの「事件」レベルです。

基本的にお客様が多く入っているのは女性ヴォーカルまたは女性奏者がいる場合。
わたしたちのようにオッサンだけが出演するジャズライブはだいたいガラガラです。
これだけでもお客は音楽を求めて来店しているのではなさそうに思えてしまいますね。
ナニを期待してくるのか知りませんが、本当に努力して実力を持ってステージに立つ女性奏者たちが気の毒でなりません。

それは別の話としまして、「別にいまジャズ流行ってないからしかたないじゃん」という声も聞きますね。
でも、この15年ほどはかの京都発国民的高級中華料理店だの、居酒屋だのでもジャズが有線で流されています。
むかしは歌謡曲か懐メロか演歌でしたよね。
大雑把に言うと、いまはジャズがまぁまぁ流行ってるんですよ。
でもジャズのライブは流行ってないんです。

話をインストのジャズに限定しますと、まず普通のひとはインスト聞かないです。
インストで聴かれているのはクラシックと映画・アニメのサントラだけです。
つまり、わかりやすい言葉によるメッセージ性を求めるのですね。

ジャズの歌モノというのはだいたい英語で歌われますが、
当のヴォーカリストの英語がもしも上手であったとしても、お客さんの大半は中高6年間も多大な時間を英語の授業に割いてきたのにさっぱり聴き取れず意味が解りません。ボクも解りません
なので、ジャンルとしてはインストとほぼおんなじです。
歌詞は意味を失い、ただの符号として伝わっているのですね。

ボク自身はそのこと自体は別にいいんじゃないかと思っています。
インドネシアあたりのアーティストで何について歌っているのか全く分からず、曲のタイトルもそのアーティストの名前すらも読めないやつでお気に入りがあったりするのですが、それを聴く時って単に歌われた歌詞というか語感を「意味なき符号」として受け取っていますよね。

そのことより、インストであるジャズをできる限りわかりやすくしたいと思っています。
曲の意味なんか(あるにはあるけど)まずは分かってくれなくてもいい。ただただ「雰囲気」を味わってほしい

たとえばお客さんがやりこんだゲームに出てきた音楽がジャズになったら
ハマったアニメの曲がジャズになったら
ジャズの演奏の中にそのメロディのオマージュが出てきたら
面白いと思う人も出てくるんじゃないかな。
歴史的なジャズの演奏にも、映画の曲の1節が部分的に引用されていたりしてニヤっとしてしまう瞬間とかありますよね。

わたしがいま頑張っている活動の中に「ついったー東方部」と言うものがありまして、これは「東方Project」というゲームの中で使用された楽曲をジャズアレンジして演奏するユニットなのですが、2014年ごろにリーダーであるtanigon氏から誘われてライブをしたときに、いままで見たこともないほどのお客さんが来てくれたことに驚きました。

それからというもの、通常のジャズのライブもやりながらではありますが、この「ついったー東方部」での活動に注力してきました。

現在「ついったー東方部」では17枚目にあたる作品を録音中です。

発売されたら多くの方にぜひいちど、お聞きいただきたいものです。


京都在住のサックス/フルートプレイヤーです。 思ったことを自分勝手に書いていきます。 基本、内容はえらそうです。