[課題] 無理せずゆっくりやれる半音階練習
サックスやフルートなどの管楽器の半音階っていうのはピアノやギターに比べるとちょっと難しいと思います。
ピアノやギターは鍵盤や指板が目に見えていますよね。なのでただ隣を弾けばいいことなのですっごく簡単です。
サックスの場合、指が置かれているところ(キーと言います)は目に見えないところにありますのと、「順番に並んではいない」のでちょっと厄介です。
運指(どこを押さえるの?)については運指表など見て地道に覚えていくのと、寝る前なんかの音の出せない時間帯なんかにじっくりと楽器を見て構造を少しずつ頭に入れておくようにしておくと将来的に役に立つことがあるかもしれませんね。
運指表を傍らにおいたままでも良いのですけど、実際に音を出さないと練習にはなりませんから吹いてみましょう。
ただ、吹いてみましょうと言っても結構なボリュームになります。
サックスの全音域における半音階を書き出してみましょう。
[全音域(低いほうからあがっていく)]
シbシ|ドド#レレ#ミファファ#ソソ#ララ#シ|ドド#レレ#ミファファ#ソソ#ララ#シ|ドド#レレ#ミファファ#
※最低音以外は派生音をすべて"#"で表記しています。
結構な数がありますよね。
これを闇雲に吹いてみるとよくあることが、「いっこ飛ばしたのに気づかず続けてしまう」現象です。
最初のうちは吹くのに必死で自分の出している音なんかあんまり聴いてないからそんなことも起こります。
くわえて、だいたい音階練習というのは低い音から始めますが、初心者のうちはこの低音域が苦しくてますます「吹くだけで必死」になりますよね。
苦しくなく低音域が吹けるようになる練習はそれはそれでやってもらうのですけど、この半音階も早く覚えてほしいのでもうすこし楽な方法を考えてみましょう。
その方法とは、ところどころに「チェックポイント」を設けます。
一気に全部吹くのではなくて(よっぽど早く吹けないとどうせ息が続きませんから)一息で吹ける区間をちゃんと計画的に区切っておきます。
おすすめのチェックポイントは次の3か所。
「シb(ラ#)、レ、ファ#(ソb)」の3か所です。
どのオクターブでも同じです。
上で書いた[全音域]の半音階を次のように区切ります。区切ったところでは息を吸ってくださいね。
[エクササイズ#1(低いほうから上がっていく)]
シbシドド#レ~(吸う)、レレ#ミファファ#~(吸う)、ファ#ソソ#ララ#~(吸う)、
ラ#シドド#レ~(吸う)、レレ#ミファファ#~(吸う)、ファ#ソソ#ララ#~(吸う)、
ラ#シドド#レ~(吸う)、レレ#ミファファ#~(終わりっ!)
ここまで出来たら、反対に高いほうから降りてくるのもやりましょう。
[エクササイズ#2(高いほうから降りてくる)]
※こんどは最高音以外の派生音を"b"で表記しています。
ファ#ファミミbレ~(吸う)、レレbドシシb~(吸う)、シbララbソソb~(吸う)、
ソbファミミbレ~(吸う)、レレbドシシb~(吸う)、シbララbソソb~(吸う)、
ソbファミミbレ~(吸う)、レレbドシシb~(終わりっ!)
いかがでしたか?
ちゃんとところどころに休憩(チェックポイント)があるのでそんなに苦しくなく吹けたかたも多かったのではないでしょうか。
そして、チェックポイントがあるので伸ばしている音が書いてある音とあっているかどうか、頻繁に点検できますので飛ばしてしまった音があってもすぐに気が付きますよね。
あとは「最初の1音目に最低音/最高音なんて出せない」場合ですが、こういうひとは吹きやすい真ん中あたりから無理せずやればいいのです。
たとえば、オクターブキーを押したレ(指番号123/456のレ)から、まずは上へ向かって次のように練習します。
[エクササイズ#3(真ん中のレから上がっていく]
レレ#ミファファ#~(吸う)、ファ#ソソ#ララ#~(吸う)、ラ#シドド#レ~(吸う)、レレ#ミファファ#~(いったん終わり)
※無理なひとは最後のレレ#ミファファ#~は後回しにしてもいいですよ。
この後、同じくオクターブキーを押したレから下へ向かって練習します。
[エクササイズ#4(真ん中のレから降りてくる]
レレbドシシb~(吸う)、シbララbソソb~(吸う)、ソbファミミbレ~(吸う)、レレbドシシb~(終わりっ!)
※低いほうはキッチリやってほしいのでなるべく最後のレレbドシシb~まで頑張ってください。
いかがでしょう。少しはラクに半音階ができるようになれるのではないでしょうか。
お試しになられたら、ぜひ感想をお聞かせくださいね。
京都在住のサックス/フルートプレイヤーです。 思ったことを自分勝手に書いていきます。 基本、内容はえらそうです。