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撮影用防寒グローブのお話

冬の撮影用グローブに求められるもの

-20度以下になる極寒地へ撮影に行くので色々と手袋を探していた。
ネットで検索すると色々な情報が飛び交ってる。
カメラを操作するので分厚い手袋ではダメ。分厚くてもインナー手袋をしていれば厚い手袋から手を出して操作ができるというのが良さそうだ。
薄手の良さそうなグローブ+暖かい厚手のグローブの組み合わせが良いというのが結論だ。
今回選んだのは色々情報を集めて、そこそこの値段で購入できる商品だ。

電熱グローブ

イメージ的にやはり暖かいと言えば電熱グローブだろう。
インターネットで物色していたら、3大ネットショップで似たような商品が沢山出ている。よく見てみると作っているところは同じ工場で仕様を少しだけ違えてOEMしている物が多いようだ。最近のネット商品は売れた物をコピーして販売すると言うことが当たり前になっているし、逆にコピー商品の方が性能が良いなんて言うことも多いのが現状だ。

なんと言っても厳冬期に一番辛いのは指先が冷たくなって痛くなること。
厳冬期用グローブに求めるのは指先が温かくなるか否かだ。
ほとんどがイラストや写真にグローブが赤く発熱しているかのような色を付けている。手の甲の部分に発熱物質を仕組んでいるものがほとんどで、そこの熱が指まで降りてきているらしく色づけされている。

Yショップで多い商品

上の写真を見ると手の甲と指先に発熱体が仕組んである様に色が付いている。実は指にはそんなものは入っていないか役に立っていないかのどちらかで、指先は温かくない。

5000mAのリチウムイオンバッテリーを使って暖めるタイプ

確かに部屋の中や野外でも手袋が必要のない気温でスイッチを入れれば手の甲の部分がポカポカで、次第に手袋全体に熱が回って指まで温かくなる。発熱時間も記載通りに一番強くして2時間半は持つ。ある意味赤く色付けてあるイラストは嘘ではない。
しかし、いざ0度以下の野外で使えば手袋が手の甲は温かいが全体に暖まることはなく、指には発熱体が入っていないのだろう暖かくなることはなかった。
手袋自体は厚手で中までフリース素材が使われていて普通に暖かいし、通勤通学程度であれば十分実用的なのだろう。
薄手のインナーグローブを着けて使えばある程度はいけるかもしれないが、ダイヤモンドダストが舞うような条件で何時間も耐えられるかは疑問だ。

インナーグローブ おたふくの定番手袋
とてもよく伸びて手にフィットする。0度程度の時のインナー手袋だと使いやすい
インナーグローブ 薄手のモンベルのシャミースグローブ
肌触りが良く薄い割に暖かい。厚手の手袋の中に使えば−5度程度までは耐えられる。

これはこの商品だけでなく、沢山の商品のレビュー記事を精査して読むとネットで見かけたほとんどのグローブが指先までは温かくならないようだ。良く曲げられ力がかかる指の部分に発熱体を仕込むのはコストがかかり断線のリスクが大きくて難しいのだろう。

オーバーグローブ

フィンガースルーミトンも写真家には定評がある。オーバーグローブを外すこと無く中の手を出せるので余分な熱を逃がすことなくカメラ操作ができるのが良い。

AXESQUINのミトン
手が出せるようになっていてカメラ操作をし易くしている

このオーバーグローブは防風性、耐水性、透湿性があり中のインナーグローブが濡れることがないのが良いところだ。内側はフリース素材でこれだけでもある程度は暖かい。中に着けるインナーグローブの素材で温度調整が出来るのも長所だ。

モンベルの厚手ウール手袋
値段は張るが確かに暖かい
シンサレートの手袋
それなりに暖かい

インナーグローブは厚手のウールもしくはシンサレートグローブがちょうど良さそうだ。驚いたことに新素材のシンサレートよりもウールの手袋の方が保温に優れている。
どっちにしてもグローブをレイヤードするのが賢い方法だろう。
しかし、この装備をしても氷点下10度くらいでは長時間外にいれば指先がもげそうになる。風が吹けば快感温度はあっという間に下がってしまう。

体感温度-20度だと自ら発熱する物が欲しくなる

白金カイロ

電気に頼らず長時間確実に熱源を供給できるのは白金カイロしか無いだろう。定番中の定番だ。最後はこれに頼るのが最良の方法だ。
貼るカイロも良いのだが手を出している隙に冷えて発熱をやめてしまうこともあるし、なによりゴミがでる。

手袋の中に入れられるミニ版

専用のベンジンで半日以上使えるのはありがたいし、なんと言っても軽い。
このカイロをオーバーグローブの中に入れておくのがベストだと確信します。

結論

電熱グローブは持って3時間だけで肝心の指先は暖められない。氷点下だと発熱していても熱を奪われる方が大きくて暖かい感覚は減少もしくは無くなってしまう。なぜなら発熱体がグローブの表層部に埋め込まれているからだ。でもコートのポケットに手を入れておけば外気が遮断され暖かくなる。
白金カイロをオーバーグローブの中に入れておけば確実に指先の表裏や甲、手のひらに移動できるので確実に冷えた場所を部分的に暖められる。何より長時間暖かい。
結論として発熱体は白金カイロ、オーバーグローブを使い気温によってインナーグローブを使い分けるのが一番賢い選択だと思う。外気温に関係なくグローブの中にカイロを入れておけばカイロ自体は一定の温度を保ってくれ、外気がグローブ内部の熱を奪うよりもカイロの発熱の熱量が大きく暖かさをキープできるのだ。





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