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没後100年 富岡鉄斎

後期後半に行ってきた、京都近代美術館『没後100年 富岡鉄斎』展

文人画よく分からんけど、行ってみようと思い行ってきました。栖鳳とほぼ同時代の方なので、より双方の解像度が深まるかと思い。日曜美術館の鉄斎展で前情報仕入れていざ展示。

まず、鉄斎の肖像画・写真を見た第一印象、『仙人』。世俗感がない。部屋が本に埋もれてて、小汚い(失礼だな)

作品にはほぼ漢文が書かれてて、読もうと思っても読めない。読めたとしても意味が三分の一も分からない。ここだけ注目すると、意味わからん終了となるので、頑張って読むけど漢文も絵の一部として楽しむ事にした。
漢文の文字の書き方は作品によって変えてて、この人楷書書かせたらむっちゃ上手いんだろうな〜と思った。私は字が下手くそなので、羨ましい。
意外だったのは鉄斎のさっと描かれた花の絵が凄く好みで瑞々しくて抜け感が感じられた。群衆の一人ひとりの顔がかわいかった。

鉄斎の印が一斉に展示されてて、印はざくっく原材料石なので、これ一個一個掘るの固くて大変だしミスれんよなぁ〜としょうもない事を考えてた。

鉄斎は『万巻の書を読み 万里の道をゆく』を実践した人なので、旅先での絵も多い。
その中で、北海道のアイヌの熊を祀る儀式の作品(蝦夷人熊祭図)があって、私の感想が「あっ!このシーン、ゴールデンカムイで見た。繋がってるな」

当時なんて、今みたいに交通網も発達してないし、スニーカーもないから歩き辛いだろうし、防寒着もエアリズムもないのによく色々行ったよなぁ〜、すご。そんで、めっちゃ健脚。

文人画って南画ぽいと勝手に思ってだけど、南画よりゴリゴリ描き込みがない。かといって大和絵みたいに柔らかすぎない。実際観ないとわからん事ばっかだなと痛感。



【これが一押しとして】
青緑山水図(花の絵じゃないんかい!)
これは77歳の作品で、観た瞬間に引き込まれた。人々の生活を雲をかき分けて覗いてる視点で、霧や雲海が晴れる時に感じる湿度を感じ、山の緑の瑞々しさと鮮やかが目に入ってきた。


【図録】
小口折のPUR製本。
本がページ数の割に軽い。
作品が見やすい。展示で見ずらかったところが見れるのが良い!
作品とそこまで色の差がない。
見返しの見開きで印が印刷されてて、最初めくった時に透けてるのが良いんだよなぁ。
作品の讃文と印の解説がついてるのがありがたい!これで作品がもっと分かる(はず)





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