乃木坂物語33〜日陰の道を選んだ私〜
南「ちょっと来て」
私はたまらず飛鳥の手を引っ張って人がいない部屋へ
南「ギブアップする?」
飛「しない…」
南「じゃあ泣かないで…泣くなら1人の時にしな?」
飛「……」
南「飛鳥、悩みなら聞いてあげれるけど解決するのはあなたなの」
飛「わかってる…」
南「今の飛鳥見てると全部が中途半端に見える
そのキャラになりきるんじゃない
飛鳥が感じてそれを噛み砕いたキャラでいいの
完璧じゃなくていいんだからね?」
飛「わかってるよ!だけどそれすらも掴めてない…
南萌にはわからないでしょ!」
南「わからないわけないでしょ!わかるから声掛けたんじゃない
私は子役からずっとこの世界にいる
大人達の顔色見てやってきたこともある
今だって飛鳥がやろうとしてる事に近付ける様に稽古を見てる」
飛「……」
南「私のポジションはメンバーがやるキャラの代役
なにか非常事態があっても対応出来る様にね?
だけど、私は代役で舞台には立ちたくない
選ばれたメンバーで完走して欲しいと思ってる」
飛鳥の目に力が戻っり始める
あと少し…
南「飛鳥は…みんなはここが私の居場所って言ってくれたけど、今回の舞台、映画をやる事で私の役目は終わったと思ってる
このまま卒業…活動辞退も考えてる」
飛「何を言ってんの?南萌のアイドル活動は始まったばかりでしょ!」
南「私は元々陰の存在なの。表舞台に出る事は本来なら許されることじゃない…」
飛「馬鹿言わないでくれる?あんたが陰なわけないでしょ?それをみんな聞いたら怒るよ?」
南「別に怒られる事はないし…」
飛「じゃあなんでライブに出たの?なんで楽しそうにしてたの?
いい?私が言えるのは乃木坂に南萌は必要なの。
私たちには南萌が必要なの。
一緒に坂を登るの。みんなでアイドルとして光り輝くの…」
南「……」
飛「なんか悩んでる事どうでも良くなってきた。
このまま凹んでたらあんたに負けを認める…
それだけは私のプライドが許せない
見てろよ。舞台絶対に成功させてやる」
いつもの飛鳥の目に戻った
迷いもなくなった
南「じゃあやってみなさいよ。私が気にする事がないくらいに、私がいつ居なくなってもいい様に…」
私は飛鳥の地雷を踏んでしまう
飛「まだ辞めようって考えてるわけ?
言ったでしょ?南萌の居場所は乃木坂なの!
南萌はここに居ていいの!
そんであんたを絶対に私の隣に立たせるから
絶対にあんたなは負けないから!」
南「飛鳥…」
駒「あーあ、飛鳥に火が付いたね?」
若「いいんじゃないの?切磋琢磨するのも」
衛「まぁどうしても辞めるなら全員が納得しないとダメだよね?」
井「遅れて来たから状況わからないけど?」
新「さゆにゃんは気にしなくていいよ?」
堀「まぁ2期生は全員反対すると思うけど…」
北「間違いないね?」
南「はぁ…本当に馬鹿ばっかり…」
橋「それが乃木坂なのよ」
奈々未の言葉に皆が頷く
南「奈々未はいつからいたの?」
橋「ずっといたわよ?」
南「気配なかったけど?」
橋「そう?まぁ飛鳥に火をつけただけでも上出来よ」
飛「奈々未!こいつを絶対に私の隣に立たせるから」
橋「ほう?シンメかWセンターって事ね?それは楽しみだわ」
南「私は選抜にもセンターにも興味ないし、立つ気もないから」
堀「それは無理だと思うよ?」
新「ダンスは上手いし、歌もいくちゃんくらい上手いよね?」
若「多分拒否したら大変だろうね?」
衛「ファンが大変だと思うよ?」
橋「よし、とりあえず飛鳥が本気になったところで稽古しようか?」
それからの飛鳥は見違えるかのように演技力が上がり舞台は大成功
新曲のインフルエンサーでもセンターに引けを取らないくらいに注目されていた
この時の私は飛鳥に対して恐怖心すら感じていた
……To be continued
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