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乃木坂物語37〜日陰の道を選んだ私〜

み「それでは聴いてください…インフルエンサー」

イントロが流れるとパフォーマンスが始まった

みんなで練習して形になった最高難易度の曲

私は全然上手く出来なかった

だけどメンバー全員が助けてくれた

「南萌ちゃんなら出来る!」

この一言で私は助けられた

しかし、その時は起きてしまう

バタン!

大サビのところで私は躓いて倒れてしまった…

みり愛がかっこよく歩いて来るところなのに…

この瞬間私の体から力が抜け、立ち上がる事が出来ない

ごめん…そう思っていたらみり愛が私の手を掴み立ち上がらせにこりと笑う

「大丈夫」と目で訴える様に…そして何事もなくパフォーマンスを続ける最年少。

私のポジションの隣のろってぃーが私の背中を軽く叩く

私はろってぃーの顔を見ると笑って頷く「大丈夫」と言ってくれてる様だった

だから私は諦めずに踊る事が出来た

だけど悔しくて涙が出てくる…

どんな仕事でも悔し涙は流した事がないのに…

そして曲が終わりみり愛が再び感謝を伝え挨拶をしてステージ袖にはける

私の隣にはろってぃーとちひろが笑って一緒にはけた

ステージから裏に着いた瞬間私は足に力が入らず座り込んでしまう

南「ごめん…」

真「南萌!」

ち「まだアンコール残って…」

南「私…もう立てない…」

バチン!

頬に痛みが走る

橋「まだライブは終わってない。あんたの根性魅せてきな?さっきの失敗は終わってから悔やめ!」

南「わかった…」

私の体に力が戻りアンコールの着替えに向かった

ち「奈々未も大変だね〜」

真「ほんまやな〜」

橋「子守りは大変よってあんた達も準備してきなさいよ?」

ち「はーい」

真「ラスト気張らなあかんな〜」

2人も準備しに行く

み「橋本さん…」

橋「南萌の事お願いね?さっきの失敗であの子…」

み「南萌ちゃんは大丈夫です。それに私は失敗と思ってませんから」

橋「みり愛…」

み「私は南萌ちゃんに支えてもらったから…
それにみんなが南萌ちゃんを守る番でもあります
だから大丈夫です」

純「みり愛の言う通りですよ?」

橋「純奈…」

陽「あれをパフォーマンスとしてにしたから大丈夫でしょ?最後は笑って終わらせればいいだけだし、なんかあれば私達で守ればいいんだから」

橋「全く…」

アンコールが聞こえる中、準備万端でステージへ走り上がる

み「アンコールありがとうございま〜す」

アンコール1曲目は「ロマンスのスタート」

盛り上がるにはもってこいの曲なのだが、私は先程の失敗を引きずっていた

曲は進み「ハウス!」

ロマンスのスタートと同様、メンバーはファンを煽りボルテージをあげる

そして突然隣にはちはると陽菜が笑顔で私にちょっかいを出してくる

そして耳元で陽菜が「笑ってな。アイドルだよ?」と言った

私はこの言葉で我に返り出来ていたか分からないけど笑顔にした

そしてMCは陽菜、愛未、れなちが思いを話してラストの前に…

み「南萌ちゃん?」

南「はい?」

み「初めてのアンダーライブの感想…」

南「私のなんて…」

ち「みんなも聞きたいよね〜?」

「聞きたーい」

み「ほらね?」

南「はぁ…。
私が思ったのは大変でした。最初はまとまらないし、上手くいかないしで本当の意味で最弱…
でも、よくまとまって最終日成功だと思いましたが…
インフルエンサーで大事なところで私は失態を犯しました…」

静まり返る会場…

「そんなことない!」

南「えっ?」

「失敗じゃないよ!」

み「さっきから元気なかったのはそれが原因なんだね?
でもみんなが気にしなければ失敗じゃないからね?」

会場から拍手が起こる

み「そして次がラストなんですけど、私達13人でしか歌えないと思っています。
私が前にいるからとか関係なくて好きな曲だから…
それにこの曲で始まり、この曲で終わるのもいいですよね?」

みり愛の言葉で会場が白く光る

み「白のサイリウムありがとうございます。本当に綺麗…
昼公演に話した好きな花の花言葉があって意味は、「私は勝つ」なので私達は勝ちます。」

会場からは大歓声

み「それでは聞いてください…風船は生きている」

2期生最年少の背中は大きく見えた

パフォーマンスが終わり裏へ戻る

み「ありがとうございました〜」

こうしてアンコールが終わり終演…

「のーぎざか!」

「46!」

み「嘘!」

純「これは応えたいね?」

南「……」

陽「まだ気にしてんの?」

南「違うけど…なんか凄いなって…」

ち「私もびっくりしてるけど、でも応えたいよね?」

橋「行ってきたら?」

み「いいんですか?」

橋「頑張ったご褒美だよ。盛り上げてきな?」

「はい」

橋「南萌は楽しむことだからね?」

南「……」

そしてまたステージへ戻ると大歓声

み「ありがとうございます。Wアンコールは嬉しいね〜
私達もまだまだ元気なので楽しみましょう〜」

「ダンケシェーン」

これもライブでは盛り上がる定番の曲!

和「アンダーライブ最高だなー!」

「だなー!」

そしてみり愛が感謝の言葉を再度伝え、ステージを降りる

みんなの体力もないのだが…

「のーぎざか!」

「46!」

相「嘘…」

絢「こんな事あるんだ…」

み「行こうみんな…私達は勝つんだ…」

橋「南萌」

南「ん?」

橋「あんたセンターしてきな。みんなもいい?」

純「異論なし」

か「最強の13人になっちゃう?」

相「……」

南「でも…みんな限界…」

相「やろう…やって最強に…」

み「大丈夫。私達なら出来るから
伊織は無理しないでよ?」

相「わかってる」

橋「思いっきり煽ってこい!」

南「はぁ…行くよ!」

「おー!」

3度目のステージへ

み「ありがとうございま〜す。
ダブルダブルアンコール…あっトリプルありがとうございます
ダブルアンコールはあるけどトリプルはなかなかないよね?
みんな元気すぎだよー
本当の本当に次がラストだからね?
盛り上げて行くぞー」

曲が始まり…

南「アンダーライブラスト〜騒げぇぇぇ!」

大歓声を体で受ける

南(なにこれ…)

疲れてるはずの体が軽くなる

楽しい時間だけしか感じない

そして曲が終わると伊織が倒れそうになるのを純奈と絢音が受け止める

私も伊織のそばへ向かうと「ごめんね?」と口を動かす

私はただ首を横に振るだけしかできない

み「みんなありがとう〜。気をつけて帰ってね?
明日は握手会だから声出ないのはなしだからね?
本日は本当にありがとうございました〜」

ステージ裏へ戻ると規制退場のアナウンスが聞こえる

橋「お疲れ様。ゆっくりでいいから着替えて帰るよ〜」

「はーい」

橋「あんた、いい顔してたよ?
まぁあれを感じ取ったら辞めれないでしょ?
早く選抜でパフォーマンスする南萌が見たくなったよ」

南「だから…」

橋「あんたも早く着替えな?」

私は初めて余韻に浸っていた

み「南萌ちゃん帰ろ?」

絢「帰りましょ?」

ち「南萌の居場所はここ、乃木坂だからね?」

みんなが笑顔で頷き手を差し伸べる

南「はいはい。」

陽「捻くれ者」

川「それを言うなら天邪鬼やろ?」

まだ居てもいいかなと思う私だった

……To be continued

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