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ずっと好き20

入院中、麻衣や顔なじみのメンバーがお見舞いにちょくちょく来てくれて退屈はしなかった

麻衣から全国ツアーがあるから来て欲しいと言われた時は治るか不安だった

4月にはリハビリも開始した

やっと車椅子からも解放され、リハビリを続けながら仕事も復帰した

毎日が充実した生活を送り、7月の全国ツアー神宮球場のライブを見に来た

やっぱり麻衣が1番輝いて見えるのは身内だからか...

それとも...

サプライズでバナナマンの日村さんが出てきたのはびっくりした

あんな難しいダンスを踊れるのにもびっくりした

そして1番びっくりしたのは

「東京ドーム2Days決定!!」

これを見た時は1番テンション上がったかもしれない

ラストの曲で会場が1面紫1色に染まる風景は神秘的で綺麗だった

ライブが終わるとスタッフさんから声をかけられ控え室へ案内されると...

麻「お兄ちゃん!」

先程の東京ドームの発表の興奮が収まっていない感情だった

それからは顔なじみのメンバーとかと軽くおしゃべりをして解散

○「なんかでっかいグループになったな〜」

会場から出ようとすると

?「ホントにしーちゃん以外興味ないんですね?」

○「橋本さん?」

橋「違いま〜す」

○「...奈々未さん」

橋「ふふっ、覚えてくれててよかったですよ」

○「意地悪ですね〜」

橋「○○さんは弄りやすいので...
それと、ちょっと卒業するの早かったかな〜って思ってます」

○「やっぱり立ちたかったですよね?
東京ドームのステージ」

橋「まぁ...でも裏方ですけど私も行けますから」

○「切り替え早いですね?」

橋「そうじゃないとやってられませんよ?あと、ドームのチケットはアリーナのいい所抑えときますから」

○「それはダメですよ?ファンの人が...」

橋「しーちゃんから言われてますからダメです」

「橋本さん!」

橋「は〜い!それじゃあまた...」

奈々未さんは呼ばれて戻って行った

彼女の背中はなんか、かっこよかった

月日はたち、東京ドーム初日はみんな気合入っていた

もちろん麻衣の煽りも凄かったけどパフォーマンスも感動した

2日目も初日と同じなのだが、オープニングが初日と違う形で興奮をした

終わったあと、控え室行くとみんな余韻に浸っていてテンションがおかしかった

変なテンションだったけど無事に挨拶も終わり帰ろうとすると

橋「○○さん?もう帰るんですか?」

○「帰りますよ、あそこにいてもみんなの邪魔になりますからね」

橋「じゃあ私も外の空気吸いに行こうかな?」

○「えっ?大丈夫なの?」

奈々未さんはキャップとマスクを出てきた

準備万端だった様だ

そして2人で外へ出る

橋「今日は、ひめたんと万理華の卒業ライブみたいな所もあったから倍の盛り上がりでした」

○「あの2人もまだ卒業には早いと思うんですけどね?」

橋「卒業のタイミングは人それぞれだから...あれ?」

○「どうしました?」

橋「あの子...」

○「知り合い?」

橋「顔見知りなんですけど...」

彼を見ててわかった...

推しの卒業ライブだったんだと...

○「声掛ける?」

橋「...迷ってます、声かけていいのか...」

○「なら声を掛けようか?あのままほっとけない」

僕は東京ドームをボーっと見ている彼に声をかけた

○「大丈夫?」

?「...は、はい」

彼を見てすぐにわかった

ライブが終わっても尚、彼だけ時が止まっていたから

○「日芽香ちゃん推しなんだね?」

?「...はい」

○「...辛い?」

?「辛いというか...」

○「というか?」

?「俺...ひめたん推したのが遅くて...握手会とか行きたかったんです...でも...ラジオで卒業発表して...」

○「君の名前は?」

?「○○...渡辺○○です」

○「僕も○○って言うんだよ?」

渡○「えっ?」

○「同じ名前って偶然だよね?」

渡○「......」

○「確かに推しの卒業って辛いよね?
でも彼女が選んだ道なんだ...
でもね?泣いてもいいと思う」

彼は思いっきり泣いた

この感情は僕には絶対経験出来ない

麻衣が卒業したらファンは彼みたいに泣くのかな?

そして彼が少しスッキリした顔を見せる

彼の中で気持ちの整理がついたのかな?

渡○「...あの○○さん」

○「ん?」

渡○「俺...」

○「何も言わなくていいよ?○○君が思った通りにしみればいいと思う
君の気持ちは君だけしか知らない事だから」

渡○「俺...今の感情にしばらく浸ります
それで、ちゃんと自分の気持ち探します」

○「いいと思うよ?頑張って」

渡○「はい」

彼は先程とは違う、ひとつのモヤモヤが解放されたからだろうか?

彼が帰っていく背中を見ながらそう思った

橋「○○さんてお人好しですね?」

○「少しでも彼の事を救ってあげたかったから...」

橋「だからメンバーにもモテるんですよ?」

○「こんな僕を好きになってもなんにもないのに...」

橋「しーちゃん一筋だからですか?」

○「どうだろうね?」

僕はそう言って東京ドームを後にした

彼とはまたどこかで会いそうだな

今日の出会いが彼にどんな影響を与えたのか

○○が知るのは後の話となる

……To be continued

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