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貴方の心を掴みます4〜芽実〜

夜22時を少し過ぎたあたりで携帯がなった

平「次はあなたの番」

てちから届いたメッセージに私はドキドキが抑えられない

芽「スケジュール確認しなきゃ…」

スケジュールと言っても私は芸能人ではないから余裕はある

芽「どうしよう…平日でも大丈夫なのかな?」

考えてもしょうがないと思い、希望の日をてちに送る

しばらくすると『大丈夫』とだけ返ってきた

あの時、私に勇気がなかったから○○の事を傷つけた

嫌われているかもしれない

○○がバイトしてる喫茶店で、会話出来たのは京子とめいめいが相談してきた日だけ…

芽「ちゃんと謝って気持ちを伝えなきゃ…」

でも何をしたらアピール出来るの?

芽「あっ!」

私はある事を思いつき検索すると…

芽「ここならいいかも!日帰りでも帰れる距離…」

日帰り…か…

芽「はぁ…」

あの時の自分の行動にため息が出た

芽「本気の恋って苦しいな…」

私はそう思いながら眠りについた



迎えた予定の日、指定した時間よりも早く着いてしまった

鏡でセットした髪の毛、お化粧を念入りにチェックして待つ

○「めみたん?」

私だけに向けられた大好きな人の声に振り向く

芽「○○…」

○「早くない?」

芽「は、早くないよ…○○こそ早くない?」

○「ちょっとコーヒー飲みたくてね?いる?」

手元には間違いなく私の為に買ったコーヒー

芽「うん…」

○「普通の女の子は慣れた?」

芽「卒業して結構経ってるからね?でも…」

○「ん?」

芽「あの時の事は…」

○「もう忘れない?」

芽「えっ…」

○「めみたんのあの時の選択は間違ってないよ。だから気にする事はないと思う
だから今を…この時間を大切にしよう?」

どこまでも優しい人…

もし、選ばれなかったら私はあなたの事を…

○「泣かないでよ…」

芽「えっ?」

頬を伝う涙を指で拭ってくれる

○「せっかく可愛くして来てもらったらのに…ごめん」

芽「○○のせいじゃないよ…私が…」

○「辞めよう?今日は楽しまないといけない日でしょ?
めみたんの笑顔が見たいな?」

芽「じゃあ、わがまま聞いてもらおっかな〜?」

○「いいけど、俺が出来る範囲でお願いします」

芽「じゃあね〜めみって呼んで?」

○「いいけど…後が怖いな〜」

芽「いいじゃん。○○と思い出作りたいんだから…」

○「あの〜めみさん?」

芽「なぁにぃ〜?」

○「ぶりっ子出てますよ?」

芽「バカ!鈍感!罰として今日は彼氏ね?」

○「やられた…」

芽「ふふっ。えい!」

私は勢いで○○の腕に抱きつく

○「ち、ちょっと…」

芽「もうアイドルじゃないんだよ?だから…いいよね?」

今日は自分の気持ちにブレーキはかけない

○「わかったよ…それで?今日の予定は?」

芽「今日は○○にカメラマンになって欲しいんだよね?」

○「カメラマン!?」

芽「そ!それで、私の魅力を○○に魅せるの!
でも、普通に撮るんじゃなくて、彼氏目線で」

○「なるほどね」

芽「じゃあ、最初はツーショットね?」

携帯でツーショットを撮る

芽「じゃあ出発します」

遊歩道を歩きながら2人でいろいろ話をしながら写真を撮る

手を繋いでる所やベンチに座って黄昏てる所、○○に抱きついた所を撮られてみたり…

芽「お腹空かない?」

○「そうだね〜どっか探さないと…」

芽「甘いな〜」

私は手提げ袋からタッパーを取り出す

○「嘘…」

芽「ジャーン!めみ特製のお弁当だよ〜」

○「料理出来たんだ…」

芽「出来るよぉ〜」

○「では、いただきます…うまっ!」

芽「ふふっ凄いでしょ?」

○○の食べてる所リスみたいで可愛いな〜

カシャッ!

○「ちょっとめみ!」

芽「だって可愛かったんだもん」

○「まったく…」

このまま時間が止まればいいのに…きっと○○は私を選ばないから…

○「めみ?」

芽「ん?」

○「ちゃんと公平に選ぶからそんな顔するなよ…」

芽「そんな顔してた?」

○「してたよ…めちゃくちゃ…」

芽「…じゃあ午後も楽しませてよね?っていうか、私が○○を撮る番だけどね?」

○「嘘だろ…っていうか、俺を撮る意味…」

芽「あるよ。私の思い出の一部だもん」

○「なんも言えません」

芽「よし!じゃあ撮り合えばいいね?思い出の共有ってことで」

お互いに写真を撮り合う

1分、1秒を無駄にしないように…

○「そろそろ終わろっか?」

芽「そうだね…あっ!最後に2人で撮ろ?」

○「いいよ」

夕日を背にして並んで撮る瞬間の隙を見て

チュッ

カシャッ!

○「めみ!」

芽「最後のわがまま…」

○「大丈夫なのか?」

芽「頬にキスはありなんだよ?」

○「そっか…」

芽「じゃあ帰ろ?でも、バイバイするまでは彼氏だからね?」

最後の強がり…ちょっとでも気を緩めたら泣いてしまうから…

2人で晩御飯を食べてる時も手を繋いでいた

少しでも○○の温もりを優しさを感じていたかったから

そして時間は終わる10分前…

芽「ありがとう…家まで送ってくれて…」

○「気にするなよ。」

芽「ねぇ…私はずっと○○の事好きだよ?
あの時からも…ずっと…」

○「うん…わかってるよ?」

芽「ちゃんと気持ちを聞いてくれてありがとう。」

○「おう!ちゃんとゆっくり休めよ?」

芽「○○もね?おやすみ」

○「おやすみ」

○○の背中が見えなくなるまで私は見送った

芽「なんで恋ってこんなに苦しくなるの…」

少し○○の余韻に浸り携帯でてちにメッセージを送った

芽「終わったよ…」

芽実からのメッセージを受け取った…

平「お疲れ様…」

それだけを返信して次のメンバーへメッセージを送った

「次はあなたの番です」

……To be continued

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