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貴方の心を掴みます1〜愛萌〜

くじの結果、私が1番...

平「1番の人は誰にもバレない様に連絡をして下さい」

そうだった...誰にも順番をバレてはいけないんだった...

どうしよう...

みんないそいそと帰っていくのは○○とのプランを練るためだろうか...

私もその1人なんだけど...

予定どうしようかな...

家に帰り、ベッドにダイブして携帯で調べる

『彼氏とのデートプラン』

するといろいろ出てくる

定番の水族館デート、遊園地、景色のいい夜景等など...

愛「あーもう!」

なんだかんだで一緒にいる時間は長いけど意識をすると普段通りに頭が働かない

愛「無難がいいのかな...」

調べながらもあれこれ考えていくもまとまらない

すると、あるテーマのプランが出てきた

『彼とくっついて読書デート』

クリックすると写真付きで説明書きをされたページに飛ぶ

普段からも隙があればくっついていただけに、○○の反応は渋いかもと考えてしまう

『頑張らないけど自然体が距離を縮める』

書いてある内容を読んでいくと席は個室と書いてあった

愛「これ...いいかもしれない」

私は飛び起きてカバンから手帳を手に取る

スケジュールを確認すると○○の休講日と私の休講日が同じ日があった

仕事も入ってない

私は急いで予約スケジュールを見ると...

愛「空いてる...よし」

その日に予約を取る事を完了

平日だから人も少ないはず...

私は予定を平手さんに伝えると「OK!」とだけ返って来た

何故だろう...従弟なのに、変に意識するとドキドキしてしまう

いつも通りでいればいいだけなのに...

同い歳の従弟...幼馴染でもいいのかもしれないけど、好きになると気持ちが強くなる

迎えた日、私は予定よりも早く着いてしまう

待っている間に鏡で何度も確認してしまう

○「愛萌?」

顔を上げると目の前には○○がいた

愛「は、早くない?」

○「愛萌の方が早いでしょ?どれくらい待ったの?」

愛「そんなに待ってないよ?」

○「そっか、それで今日の予定は?」

愛「今日は...まぁ私に着いてきたまえ!」

○「秘密なわけか」

愛「秘密じゃないけど、お楽しみだよ?
ふふふっ」

電車に乗り、目的地の最寄り駅までは普段の事を話してた

いつもとは雰囲気が違う○○に緊張している...

電車を降りて気付いたこと!

愛「ねぇ?」

○「どうしたの?」

愛「ん!」

ちょっといじけた顔をしながら手を出すと...

○「はい、このつなぎ方がいいんだよな?」

恋人繋ぎを何も言ってないのにしてくれた

愛「ば、馬鹿...なんでわかるかな〜」

○「なんだかんだで長いだろ?」

愛「普段からそうしてくれてればよかったのに...」

○「照れくさいだろ?それに従姉って関係とかもあったからな?」

愛「私だけがずっと○○の事好きだったのにな...」

○「ちゃんと考えるから...というか、今日をちゃんと楽しもうよ」

愛「うん」

やっぱり誰にも取られたくない

大好きだから余計に...

私達は目的地に到着、中へ入る

愛「予約した宮田です」

「お待ちしておりました。ごゆっくりとおくつろぎくださいませ」

店内はフリードリンク制で、制限時間も特にない

○「それにしても凄い本の数...」

愛「2人とも本を読むの好きでしょ?
だから...」

○「こういう落ち着いたデートもいいね?」

いつもとは違う優しい笑顔に胸がキュッと締め付けられる

愛「ほ、本をとりあえず探してこよ?」

○「そうだね?席はあそこでいい?」

○○が指を指す場所は2人がけソファーだった

しかもくっつかないと座れない幅の...

いいんだよね?

我慢しなくても...

○「愛萌?」

愛「ふぇっ?」

○「席はあそこでいい?」

愛「うん、いいよ?じゃあ本を探してこよっか?」

2人は一旦離れて目的の本を探す

いつか本に囲まれた仕事をしたい...

でもそれはアイドルを辞める選択が出てくる...美穂の様に...

いろいろ考えながらも、読みたい本を見つけ席に戻ると、○○が先に戻っきていた

○「温かいお茶でよかった?」

愛「うん、ありがとう○○」

2人が座るとやっぱりくっつく

○○の体温を感じる...それだけでも幸せだった

少しすると肩に重みを感じて見ると○○が眠っていた

しかも肩に頭が乗ってる

本を読むのをやめて○○の寝顔を見る

愛「いつの間にか、かっこよくなっちゃって...
私の気持ちなんかわからないよね...○○は...」

愛おしい...誰にも取られたくないよ...

このまま時間が止まればいいのに...

愛「アイドルにならなかったら、私達は付き合ってたのかな?」

○○の頭に私は頭を乗せて呟く

もちろん、寝てているから返事はない

気づくと私も夢の中へ...

「...も...きろ...」

愛「ん〜...はっ!」

○「起きた?」

愛「ごめん...寝ちゃってた...」

○「俺も寝ちゃったから大丈夫」

周りにはお客さんはいないから起こされなかったのかな?

そして外はオレンジ色の光が差し込んでいた

愛「あ〜あ...」

○「どうしたの?」

愛「○○との時間を無駄にしちゃったな〜ってさ...」

○「そう?俺は愛萌の寝顔久しぶりに見れたからな〜」

愛「最低...変態...」

○「でもさ?なんか幸せそうだったよ?」

愛「知らない...」

○「この後はどうする?まだここにいる?」

○○と一緒に居れる時間は後数時間しかない...どうする...あ!

愛「ねぇ、あそこ行かない?」

○「あそこ?どこだよ...」

愛「公園!○○とよく遊んでた公園だよ!」

○「まだあるの?」

愛「あるから言ってるんじゃん」

○「じゃあ行こっか?」

私達は本を棚に戻し、お会計をして公園へ

○「着いたはいいけど真っ暗...」

愛「いいじゃん!ほら、行くよ〜」

○○の手を握り中へ入る

1本しかない街灯の周りは明るい

○「こんなに小さかったんだ...」

愛「懐かしいでしょ?」

○「そうだな...」

愛「あのさ...○○が誰が好きなのかは知らない
けど...私は○○が好き!
いつもは恥ずかしいからあんな感じだったけど...」

○「愛萌、俺はね?みんなが好きだよ?
だけど、ちゃんと考える。
ちゃんと選ぶ」

愛「贔屓しない?」

○「しません!」

愛「みんな、○○に推してもらうだけじゃなくなって...恋してる...」

○「ぶっちゃけ、まともに話してる人あまりいないけどね?」

愛「○○は優しいからみんなが惹かれるんだよ?」

○「普通のことしかしてないんだけどね...なんでだろ?」

愛「女の子は優しい人に弱いの!
ましてや○○かっこいいし...」

○「愛萌...」

愛「私の気持ちは伝えた...
後は待つだけ...」

○「わかった...」

愛「今日はありがとね?もっと一緒にいたいけど...ルールだから帰るね?」

○「送っていくよ...」

愛「大丈夫、家近いから...またね?○○」

○「お、おい...」

私は公園を後にした

1つ目の角を曲がった所で私は我慢していた涙を零す

愛「もっと素直になれば良かったな...」

誰にも聞こえない声で後悔ひ吐き出した

私は平手さんにメッセージを送る

『アピール完了』と

ピコン

平「ん?愛萌ちゃんから...お疲れ様でしたっと...
くじとはいえ、愛萌ちゃんにはしんどいかったかもな...
次は...この子か...」

次の子にメッセージを入れて今回の役目を終えた

ピコン

?「誰だろう...平手さんからだ...
次は私の番か...」

私はスケジュールを確認して平手さんにメッセージを返信した

?「頑張るぞ...」

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