君の手がくれた「おと」は…10
私はズルい女かもしれない
母のあの一言…
母「既成事実を…」
という言葉の誘惑に負けたからだ…
それが発覚した時には私の気持ちは固まっていたが…
○○と暮らし始めて3ヶ月、璃果ちゃんのアドバイスで何事もなく2人の時間を過ごしていた
仕事も上手くいっていた矢先の事だった
真「同棲生活はどうなの?」
早「上手くいってるに決まってるやんな?なんか幸せオーラ出まくってんで?」
遥「そんなことないよ?普段通りだよ」
真「私も彼氏欲しいな〜」
遥「まゆたんなら出来るでしょ?それよりお昼食べよ?」
お弁当を食べるために蓋を開けると…
遥「うっ…ちょっとごめん」
真「かっきー大丈夫?」
早「どうしたんだろう…」
聖来が心配しながらお弁当の蓋を閉めていた。
私はトイレで吐き出す物がないが洗面台に寄りかかっていた
遥「はぁ…なんだろ…匂いだけで気持ち悪くなるなんて…」
気持ち悪さが落ち着いたのは30分後だった
真「大丈夫?」
遥「なんとか落ち着いた…」
早「かっきー、これ使って?」
紙袋を渡され中を見ると…
遥「聖来?」
早「万が一。具合悪い可能性も考慮ね?」
中には妊娠検査薬がはいっていた
遥「ありがとう…でもなんで持ってるの?」
早「それは…その〜」
真「聖来…裏切ったね?」
早「ちゃんとまゆたんにも…ね?」
真「なら許す。」
こんな会話が終わり午後の仕事を終えて家に帰るとすぐに検査薬を使用した
遥「出来てた…嬉しいけど…」
なんとも言えない感情に襲われている私は○○の前に歩いた
リビングで携帯をいじる○○は私に気づいて
○(どうしたの?)
遥(あのね…妊娠した…)
○(本当に?嬉しいよ。遥香と…あっ…)
遥(お父さんになんて言おうか…)
○(素直に話そう?でも、1度病院でも検査してもらってその結果でもう一度話しよう?)
遥(わかった。明日朝1番で行ってくるね?)
○(了解。そっかパパになるのか〜)
○○の笑顔を見て、不安な気持ちはどこかへいなくなっていた
翌朝、病院へ向かい診察をしてもらった結果は…
医「おめでとうございます。3ヶ月目ですね?」
遥「ありがとうございます。」
医「安定期に入るまでは、気をつけて下さいね?」
遥「わかりました。」
医「なにかあればすぐに病院を頼って下さいね?」
遥「はい。」
会計を済まして母子手帳を受け取ると自分が母親になった事を実感した
○○、母親、まゆたん、聖来に連絡を入れると、おめでとうの言葉が返ってきた
そして母親からは「夜、そっちに行くから」と返ってきた
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その日の夜は凄い事になった
母親、○○のご両親、さくも駆け付けた
もちろん話の話題は父親について…
○(お義母さん、お義父さんと週末…)
私は○○の手話、母の声を手話に変えて通訳をする
遥母「もちろんそのつもりよ?反対なんかさせませんよ」
○母「それなら私達もご一緒させてもらおうかしら?ご挨拶もしてませんしね?」
さ「ほとんどかっきーのお父さんを納得させるだけじゃん…」
遥母「ごねてるのはお父さんだけだから気にしないで?さくらちゃん
それに遥香のお腹の中には命が宿ってるんだから、2人を引き裂くなら離婚かしらね?」
遥「ちょっとお母さん!」
和やかな雰囲気でその場は終わり週末は実家へ…
……To be continued
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