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貴方の心を掴みます3〜京子〜

キャプテンである佐々木久美と家で遊んでいた日、私の携帯が鳴った

ブーブーブー

久「京子、携帯なってるよ〜」

京「本当?誰だろう?」

飲み物を取りにキッチンにいた私は慌てることもなくリビングに戻り携帯を確認すると…

京「えっ?もう…」

久「もしかして京子の番が来たの?」

京「久美だから言うけど、私はどうしたらアピール出来ると思う?」

久「とりあえず、スケジュールおさえときな?それから京子はそのままでいいと思うよ?」

京「スケジュール…あっ来週の日曜日が休み予定だ。
そのままって言われても…」

久「最近料理とか覚えたでしょ?」

京「料理…それだ!」

久「○○は私達の事を初期から知ってるからいいと思うよ?」

京「じゃあ、料理でアピールするけど…」

久「?」

京「家にあげてもいいのかな?」

久「てちに話してみたら?」

京「そうしてみる…」

私はすぐに平手さんに予定と家に呼んでいいのか、メッセージを送る

返信はすぐに来た

『スケジュール、○○の件は了解!
くれぐれも間違いを起こさないように!』

久美は私の顔を見てにやける

久「ルールだからこれ以上は聞かない。しっかりアピールしなさいよ?」

京「久美…ありがとう。」

その後はいつも通り、久美とたわいもない話をした。

翌日からは仕事の合間にクックパッドで何を作るかを考えていた。

京「一緒に作るのもありかな?時間的にもだし…買い物は一緒がいいし…」

そんなこんなで予定当日を迎えた

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朝起きて、身支度をして待ち合わせの最寄りの駅へ

時刻は午前9時30分

待ち合わせ時間は10時

京「ちょっと早かったかな?」

○「京子さん?」

京「○○君!まだ時間じゃ…」

○「ちょっと早めに出たら早く着いちゃって…」

京「私はカフェで時間潰そうかなって思ってたから…」

○「そうなんですね?でも、ちゃんと話すのは初めてかもですね?」

京「そうだね?みーぱんとか久美とか彩がよく絡んでたもんね?」

○「俺は京子さんとも喋りたかったですよ?」

京「ならさ?まだお店やってないからカフェで話さない?」

○「いいですよ?」

私達は駅前のカフェで短い時間だけどお互いの話をした

○「今日はどんな予定なの?」

カフェで話してからは○○君の敬語はなくなり少し距離が縮まった

京「今日は、一緒に料理がしたいんだよね?」

○「あ〜、ひらがな推しの時見てましたけど愛萌切れてましたからねー」

京「あれからめちゃくちゃ練習して、今では自炊もするくらいになったんだよ?」

○「おっ!それは楽しみ。国民的彼女の本領発揮?」

京「もしかして…写真集見た?」

○「えっ…と〜」

京「見てんじゃん!でもどうだった?」

○「綺麗でしたよ?京子さんらしさが出てました」

京「そっか…///」

顔が熱くなるのがわかる。○○君も顔赤いし…

このまま会話をすることもなくスーパーへ

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○「朝のスーパーって結構空いてるんだ」

京「作りたい物いろいろ考えてるから、○○君の食べたい物教えて?」

○「お昼と夕食?」

京「うん。」

○「そうだな〜…あっ!お昼はパスタがいいかも。前に京子さん作ってたよね?」

京「あ〜…わかった。いいよ」

○「夕食は和風系がいいかな?」

京「じゃあお昼は私が作るから、夕食は一緒に作ろ?」

○「OK」

私達は必要な材料をカートに乗せたカゴに入れていく

なんか本当の恋人みたい…

絶対にならなきゃ…○○君の彼女に…

○「京子さん?」

京「どうかした?」

○「なんか難しい顔してたから…」

京「なんでもないよ?夕飯何がいいかな〜って考えてただけ」

○「そうなんだね?」

京「○○君はちゃんと見てくれてるのは嬉しいよ?」

○「まぁいろいろと目に入るからそれだけなんだけどね?」

やっぱり○○君は優しい。優しすぎるからみんなが惹かれていく…

京「よし!それじゃあ会計して帰ろっか?」

○「そうだね。」

今は私だけの時間…出来る限りのアピールをしよう

そう決めて2人で家路に着いた

帰りの途中、ほとんどの荷物を○○君が持ってくれた

○「荷物持ちは男の役目だからね?」

笑顔でそう言うのもずるいな…

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○「お邪魔します…」

家に着いた途端緊張する彼を見て私は笑ってしまった

京「愛萌の家にも行くんでしょ?なんでそんな緊張してるの?」

○「あいつの家は実家だし、親戚だしって感覚だから」

京「まぁいいや。手を洗って来たらソファーで座ってて?
私はお昼の支度するから」

○「手伝わなくて大丈夫?」

京「大丈夫!絶対美味しいから期待してて?」

○「わかりましたよ…」

彼は手を洗ってリビングでテレビを見ている

私はキッチンでそれを眺める。

恋人、夫婦ってこんな感じなんだな〜って思うとなんかそれだけで幸せになれた

番組で作った料理はクックパッドを見なくても作れた

京「○○君出来たよ〜」

○「はーい」

テレビを消してリビングへ

○「ヤバっ!めちゃくちゃ美味そう」

京「人に作る楽しさわかると上達するのも早いんだよね?
さぁ食べてみて?」

○「いただきます……うまっ!」

京「良かった。」

まだお昼なのにこんなに幸せでいいのかな?

ちゃんとアピールできてるのかな?

不安だけがよぎる

昼食後は彼にどんな服が好きなのか雑誌を見ながら話してた。

ソファーに座って時には彼の方に頭を乗せたり恋人の様に…

このまま時間が止まってくれたら…

そう思ったりもしたが、時間はそれを許す訳もなく過ぎていく

『本当の時間』あの曲と同じだ

幸せな…楽しい時間ほど早く過ぎていく

時計を見ると時刻は18時を過ぎたばかり…

あと4時間もない

京「○○君?」

○「ん?」

京「そろそろ夕食作ろ?」

彼も時計を見る

○「もうこんな時間か…やろっか?」

2人でキッチンに立ち手分けして作業をしていく

なんか視線を感じ横を見ると○○君が私の事を見ていた

京「どうしたの?」

○「いや…一緒に住んだらこんな感じなのかなって…」

京「そうかもね?でも、それを望むかどうかは○○君次第じゃない?」

○「……」

京「私はずっと待ってるよ?でも、他のメンバーもちゃんと見てあげて?
私はあなたが好きだがら…」

○「京子さん…」

京「でも今は私だけを見て?ね?」

○「うん、わかってる」

私は調理を辞めて彼に抱き着いた

彼も私を抱き締め返してくれた

報われるか報われないかは今はどうでもいい…

ただ彼の温もりだけを感じた

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京「完成!そっちは?」

○「出来たよって美味そう…」

京「じゃあ準備して食べよ?」

テーブルに作った料理を置き向かい合って食べた

やっぱりメンバーとは違う…

楽しいと思っても幸せと思う気持ちは弱かったのに今は幸せだけが私を満たす

夕食を終えて片付けも2人でこなし、残り少ない時間を過ごした

京「ねぇ?わがまま言ってもいい?」

○「出来る範囲ならいいよ?」

京「時間まで…抱きしめて欲しい…」

○「おいで?」

私は手を広げて待つ彼の胸元へ

○「幸せって怖いよね?」

京「どうして?」

○「みんなから好かれて、出来るならみんな平等にって思うのにそれは許されない…
誰か1人選ぶのが怖い…」

京「みんな、○○君の彼女になりたいから必死にアピールしてる
今は私の番だけど…それもあと少しで終わりになる
優しいのはいいことだけど、それは○○君含めて全員が不幸になる…
でも、○○君が誰を選んでもみんながそれを応援する
それが好きな人への恩返しだから…」

○「京子さん…」

時計を見ると22時になった

京「終わっちゃった…」

○「……」

京「これでさよならじゃないんだからね?
まだまだアピールするから!見ててよ?」

○「わかった」

彼はきっと辛いはず…これを残りのメンバーでも味わうから…

彼を見送り平手さんにメッセージを送り、彼の温もりの余韻に1人、酔いしれていた

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京子のメッセージを受け取った平手は次のメンバーへメッセージを送った

平「次はあなたの番です」

……To be continued

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