別れ際、もっと好きになる
ぼくの好きな人は背が高くて優しい人
でも、ぼくの気持ちをわかってない!
ぼくは毎日君を好きになっていく
○「理々杏、また明日ね?」
理「うん...」
○「どうしたの?」
理「なんでもないよ?気をつけてね?」
○「うん。じゃあね?」
そう行って手を振り背中を向けて人混みに消えていく
私は彼の背中を目で追うと切なさと寂しさが溢れてくる
理「ずっと一緒に居たいよ...」
帰る時になると○○のこと今よりも好きになる
次の日も、そのまた次の日も同じことの繰り返し...
○「理々杏?」
理「どうしたの?」
○「好きだよ。」
理「突然どうしたの?でも...ぼくの方が好きだけど?」
○「そろそろ考えよっか?」
理「えっ?」
何を考えるの?別れるのは嫌...
○「同棲してずっと一緒に居たいなって...」
理「うん。」
もう別れ際に寂しい気持ちにならなくて済むなら...
○「週末の休みに考えよっか?」
理「うん...」
彼は手を振り人混みに消えて行こうとする
もし...これが最後になってしまった...
頭に突然思い浮かぶ...
襲われる突然の不安に私は押し潰されそうになると体が動く
理「行かないで!」
彼のシャツの袖を掴む
○「理々杏?」
理「行かないで...ぼくはもう我慢出来ないよ...
別れ際...ぼくは○○の事さっきより好きになる...」
自然と流れる涙を○○が優しく拭って...
○「知ってるよ?だから...」
理「嫌だ...こんな思いするの...離れたくない...行かないで...」
○「……」
理「重いよね...ごめん...」
○○はぼくを抱き寄せる
○「重くないよ?それと、明日終われば週末なんだけど...」
ぼくは離れたくない一心で○○に力いっぱい抱きつく
○「理々杏...もう少し我慢出来る?」
理「……」
○「理々杏がここまで駄々っ子になるのは可愛いな?
明日、理々杏の家に泊まるから今日は帰ろ?」
ぼくは腕の力を抜いて○○から離れる
○○はいつもはしない頭に手を置き優しく撫でる
○「じゃあね?また明日」
ぼくは手を振って見送るも○○をさっきよりも好きになる
ぼく達が同棲したのは1ヶ月後の事...
別れ際がほとんどなくなったけど○○を好きなのは変わらないし、毎日更新されていく
それでも...
○「理々杏、明日出張になった...」
彼を玄関で見送ると忘れかけていた感情がまた沸き上がる
理「あっ...」
『別れ際、もっと好きになる』って
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?