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君の手がくれた「おと」は…〜サイドストーリー璃果〜

私が就職した会社に○○が来た

どれくらいぶりかの再開、だけど隣にいる綺麗な女性…

その人は○○の彼女だった…

○○には私の気持ちを伝えて会わないつもりだったのに

遥(私と友達になって?)

この一言で私は敵わないと思った

○○をへの想いをキッパリ諦めて少ししてからの事…

何故か同期の筒井浩平君のプロジェクトに参加することになった

もちろん沙耶香も一緒だからそこまで不安はなく…

会議の時は補聴器を付けるがよくわからない所は沙耶香が助けてくれた

ある日の会議の日、沙耶香が風邪を引いて休んだ

璃(どうしよう…わからない…)

浩「よし。一旦休憩にしましょう」

みんなが部屋を出ていくのを見て休憩とわかる。

私も水分補給とかで部屋を出て戻るとメモが1枚…

「わからなかったら何時でも聞いてきていいよ。
筒井浩平」

その日は彼に助けてもらいながら仕事をした

沙耶香の仕事をこなしていると職場には誰もいない

外も暗くなっていた…

璃(どうしよう…終わらないかも…)

トントンと肩を叩かれ振り向くと浩平君がいた

私はメモに忘れ物?と書くと…

浩『手伝いに来た』

璃『大丈夫。帰ってゆっくり休みなよ?』

浩『佐藤1人じゃ終わらない…というか1日で終わらせる内容じゃないよ?
掛橋の仕事でしょそれ?』

璃『そうだけど…』

浩『友達想いなのはいいけど自分もいたわらないと倒れるよ?』

そう言って残りの資料を半分以上こなしてくれた

それから約2時間後の21時に全て終わらせた私達

浩『飯行かね?』

璃『どこかやってるの?』

浩『居酒屋くらいかな?でも飯食えるだろ?』

璃『わかった』

浩平君と2人きりの食事は楽しかった。

筆談を嫌がらずにしてくれたのが嬉しかった

浩『タクシーで送ってやるよ』

璃『大丈夫。終電…』

携帯を見ると終電は終わっていた

浩『その様子だとないな?今日は俺の言う通りにしとけよ?』

そして頭をポンポンされて私はドキドキしてしまった

顔が熱い…

タクシーの中ではさっきまで近かった距離も少し離れていた

その後、気がつくと彼を目で追う様になっていた

沙(璃果?)

璃(どうしたの?)

沙(さっきから筒井君のこと見すぎだよ?)

璃(えっ?)

沙(好きになった?)

璃(わからない…だけど気になってる…)

沙(恋してるじゃん)

璃(恋…?)

沙(うん。○○君達みたいになれるといいね?)

璃(○○達…あっ!)

私はある人物へ連絡を入れると「OK」が返ってきた

仕事が終わり待ち合わせ場所へ行くと座っていた1人の人物

璃(お待たせ…遥香…)

遥(そんなに待ってないよ?それで相談って?)

璃(実はね…)

私は全て話すと…

遥(璃果はその…筒井君だっけ?好きなんだと思うよ?)

璃(○○以外人を好きになったことないからよくわからないんだよね?)

遥(じゃあ目を瞑って会いたい人を思い浮かべてみて?)

私は目を瞑って会いたい人の顔を思い浮かべると…

遥(ふふっ…答え出てるね?頑張れ!)

璃(うん…自信ないけどね?)

遥(大丈夫。璃果なら上手くいくよ。楽しみにしてるからね?)

遥香の笑顔に私は助けられた

○○の彼女だからとかじゃなくて1人の友人として…

そして気持ちを固めたのはプロジェクトが無事に成功した夜…

彼を誘い居酒屋へ

2人で乾杯をして本題をぶつけた

璃『あのさ?』

浩『ん?』

璃『浩平君って彼女いるの?』

浩『いないけど、好きな人はいる』

璃『そっか…』

浩『俺と付き合って欲しい』

私はその言葉に彼の顔を見る

いつも見せてくれる優しい笑顔

璃『私?耳聞こえないよ?』

浩平『大丈夫。手話覚えるから』

璃『でもでも、大変だよ?』

浩平君は私の手を握り…

浩『俺が璃果の耳になるよ』

目から自然と流れる物を浩平君は指で拭ってくれると…

浩平『返事は何時でもいいからね?』

私は彼の顔みて首を横に振る

璃『今答える…私で良ければ…お願いします』

遥香の言った通り大丈夫だった

遥香に報告をして数ヶ月後、遥香達の結婚式でブーケを受け取り席へ戻ると…

浩(ちゃんと話し合おうか?2人の幸せを)

璃(うん。)

私のために覚えてくれた手話とこの先の未来を…幸せを…


私の誕生日の日、みんなが集まってパーティーをしてくれた

それだけでも嬉しい

浩(璃果?)

璃(こうちゃんどうしたの?)

浩(結婚しよう。)

璃(うん!)

拍手が起こり

遥(おめでとう璃果)

瑠(先越された〜)

沙(よかったね?)

○(おめでとう)

璃(みんなありがとう…)

私は恵まれている。

耳が聞こえなくても幸せにはなれる。

彼の手が私におとをくれる、幸せをくれる

だから私もこの手で届ける…

幸せへの感謝と愛を…

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