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乃木坂物語9〜日陰の道を選んだ私〜

ある日、外仕事が舞い込んできた

野「麻衣ちゃん、奈々未ちょっといい?」

結成当初からのマネージャーさんの野中さんから呼ばれ向かうと…

○「おはようございます」

「おはようございます」

野「2人に仕事が来たよ?」

はしゃぐ野中さんの横で冷静な○○さんが口を開く

○「お2人に雑誌のグラビアのお仕事が来ました」

白「雑誌!!」

橋「……」

白「凄い!私達が上手くいけばメンバーにも…」

橋「○○さん、もしかしてあの子から?」

○「南萌とよく仕事するカメラマンさんからの依頼です」

橋「という事は間接的にあの子絡むか…
私は辞退します
白石だけお願いします」

白「ちょっと奈々未!?」

野「奈々未、それはダメよ?」

○「南萌が指名したお2人なんですが…
先方には断りの連絡しておきます」

橋「白石だけは出来ますよね?」

○「いえ、2人で撮影なので、片方がダメだと仕事になりませんので」

白「奈々未…」

橋「私はあの子に仕事をくれと頼んだ覚えはないし、棚ぼたでもやりたくない」

○「先方に返事をしないといけないので3日後にまた返事を聞きます」

○○さんはその場を後にした

白「奈々未!どんな理由でも乃木坂の名前と私達を知ってもらうチャンスだよ?」

橋「そんなことはわかってる…」

野「わかってる?私にはそう思えない
今のあなた達は仕事を選べるの?
それとも南萌ちゃんが絡んでるから?
そんなのはわがままでしょ?」

白「南萌ちゃんが選んだ道はわかってるよね?
それでもあの子が私と奈々未を指名してきたのは…」

橋「そんな事わかってるけど…
今更、笑顔でありがとうなんて言えると思う?
南萌にきつく当たって、仕事は来ましたじゃあ遠慮なくなんて…」

野「馬鹿じゃない?そんな意地張って…」

白「そうだよ、素直にいえばいいじゃん、ありがとうって…
あの子はグループの為に頑張ってオファーしてくれたんだよ?
それに応える義務があるでしょ?
お礼は私達が売れることでしょ?」

野「奈々未、ここでやらなきゃあなたは、メンバーや南萌ちゃんから逃げる事になるのよ?」

白「時間は3日ある…
いろいろ話そ?みんなとも…」

橋「はぁ…はいはい、わかりましたよ…」

その後、メンバーにも相談すると

桜「やってみたら?南萌ちゃんからの指名でしょ?」

松「麻衣ちゃんとななみんなら間違いないやん」

等、の声が上がり、奈々未も渋々ながらもやると言ってくれた

撮影当日、2人とも変に緊張していた

白「凄いね…奈々未はクールでかっこいい」

橋「しーちゃんだって凄い綺麗じゃん」

白「南萌ちゃんに感謝だね?」

橋「まぁ…」

白「まだ抵抗してんの?
大人になりなよ〜」

橋「うるさいよ!」

白「全く…でも頑張ろうね?」

橋「そうだね…これが上手くいけば、雑誌とかにも取り上げてもらえるし」

とは言ったものの、いざ撮影が始まると緊張しっぱなしだった

カ「白石さんもう少し笑顔お願いします
橋本さんはもう少しキリッとしましょう」

カメラマンさんからの指示が飛ぶ

カ「それでは30分休憩しましょう」

私達は控え室へ

カ「マネージャーさん?」

野「はい、どうなさいました?」

カ「南萌ちゃんのマネージャーさん呼んで貰えますか?」

野「…わかりました」

編「やぁカメラマンさん、南萌ちゃんの指名の子達はどう?」

カ「緊張してるせいか、私が納得できるものはまだ…」

編「どれどれ?あ〜ぎこちなさ出てるね〜
経験値の問題だね?」

カ「そうですね、今、南萌ちゃんのマネージャーさんに連絡取ってもらってます
もしかしたら南萌ちゃんも来るかも…」

編「最悪、南萌ちゃんでカバーもできるか…」

カ「極力、彼女達を載せてあげたいんですけどね…」

編「大丈夫、君ならやってくれると信じてるからね?」

こんな会話がされていることは私達は知らなかった

白「どうしよう奈々未…」

橋「私だって緊張しっぱなしなんだから…」

白「いいの、撮れてないよね…絶対」

橋「こんなのあの子に知れたらめんどくさい…」

白「そうだよね…」

私達はケータリングにすら手を付けられず、緊張が解けないまま時間だけがすぎた…

スタッフさんから呼ばれて撮影再開…

?「カメラマンさんすみません…」

カ「南萌ちゃんのせいじゃない…私が2人の緊張を解けないのがいけないから…」

南「指名したのは私だし…」

私達が見たのはスタッフさんやカメラマンさんに頭を下げる南萌ちゃんの姿だった

?「わかりましたか?彼女がどれだけあなた達…いや、乃木坂を知ってもらう為に行動しているか…」

白「○○さん…」

○「南萌も本当はみんなとアイドルをしたいと思ってる…
だけど、それが出来るのはあなた達次第です
それと、撮影は南萌の写真と変わるかもですよ?」

橋「えっ…」

○「当然ですよ、特にファッション誌はモデルさんの表情で衣装が活きるらしいので、このまま諦めてもいいと思いますよ?」

野「○○さん!それは…」

○「クライアントがそう話してましたからね?」

白「…だ…それは嫌だ!」

橋「しーちゃん…」

白「負けたくない…世間にもあの子にも…
奈々未!」

橋「そうだね?またあの子に言われるのも癪に障るからね〜」

○「期待してますよ?」

南「○○さん、期待外れでした…」

○「まだ諦めるのは早いかと…」

南「はぁ…困った人達…」

○「まぁ気合は入ったみたいなので、様子みましょう?」

野「南萌ちゃん…」

南「野中さん、大丈夫ですよ?だから私も身を削る事が出来るので…」

野「私はね?南萌ちゃんもみんなとキラキラしてる姿見たいの、だから待っててね?」

南「期待しないで待ってます」

撮影開始と共に雰囲気が変わったのがわかる

そして私達の視界に南萌がいる

だから…

絶対に成功させるんだ!

カ「はい、お疲れ様でした
撮影終了です」

白「ありがとうございました」

橋「お疲れ様でした」

野「2人ともお疲れ様、着替えてきて?」

私達は着替えの為に控え室へ

南「お疲れ様ですカメラマンさん」

カ「やっぱり南萌ちゃんの言う通りだったよ?」

南「大切な仲間ですから…」

カ「そっか、南萌ちゃんも負けない様にね?」

南「まだ負けませんよ?」

着替えを終えて戻ると、初めて見るあの子の笑顔…

橋「しーちゃん?」

白「ん?」

橋「あの子は絶対アイドルとして表に出させたい…」

白「もう大丈夫なの?思いっきり嫌ってたのに?」

橋「うるさい!」

白「私もあの子と歌ったり踊ったりしたいな〜」

南「何やってるんですか?」

白「着替え終わったから…」

南「違いますよ、なんでこんなに時間かかってるんですか?」

白「なんでって…」

橋「あんたねぇ…」

南「撮影は早くていいの撮れたらまた呼んで貰える確率が上がるんです
モデルが時間取るなんて…」

○「はいそこまで!」

南「ちょっと○○さんなんで…」

○「2人は南萌さんと違うんです、撮影なんてほぼ初めてですよ?
お2人共にお疲れ様でした
今日はゆっくり休んで下さい」

「お疲れ様でした」

野「2人共お疲れ様」

橋「なんかムカつく…」

白「でもさ?なんかわかったかも…」

橋「何を?」

白「もし、これが番組だったら助けて貰えるけど、撮影はそうじゃないって事…
今日は南萌ちゃんに助けられたから…」

野「いい勉強になったみたいでよかったね?」

白「どんどん経験して、有名にならないと…」

橋「とりあえずあの子にギャフンと言わせる!」

野「ふふふっ」

これをきっかけに他のメンバーも外仕事が増えていった

順調に坂を登って行くと思っていた

だけど、またしても試練が待ち受けていた

……To be continued

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