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君が手がくれた「おと」は…2

私の彼氏はちょっと他の人とは違う

それは耳が聞こえない事

最初は話すことが出来なくてどうしたらいいのか考えた

結果私が手話を覚えればいい事で解決したんだけど…

○○に気を使わせてばかり…

でも、○○と幸せを掴む為に私は頑張ると決めた…はずだった

同僚との遊びは極端に減り、飲みに行ったりご飯食べに行くことも減った

周りからは「遠藤君にベッタリ過ぎない?」とか「甘やかすのは…」とか…

だって耳が聞こえないんだから…

トントン

振り向くと○○が書類を持ってきた

○(大丈夫?なんか元気ないよ?)

遥(大丈夫だよ?なんかあれば相談するから…ね?)

○(ならいいけど…)

○○は変に勘がいい…それが余計に負担をかけたくはい

?「かっきーちょっと…」

遥「聖来?どうしたの?」

早「噂になってんで?遠藤君の事」

遥「噂?どんな?」

早「遠藤を狙ってるとか…」

遥「あ〜それはないよ?だって付き合ってるもん」

早「はぁ?」

真「ちょっと聖来!うるさいよ」

早「まゆたん聞いてよ!かっきーが…かっきーが〜」

真「落ち着きなさい!かっきーがどうしたの?」

早「遠藤君とつきおうてるんやって!」

真「なんだ…そんな…えーーーー!!!」

遥「まゆたんも聖来もうるさいよ?」

真「だって、あの話からそんなに経ってないじゃん」

遥「さくのおかげかな?」

早「なんでさくちゃんが?」

真「聖来知らないんだっけ?○○君のお姉ちゃんなの」

早「知らん…なんで隠してたん?」

遥「それは、さくがみんなに気を使わせない為らしい…」

早「ずっと気ぃ使ってるやん…」

真「あの子はそういう子じゃん?」

遥「それがさくだよね?」

早「でも、かっきーは気をつけること!」

遥「なんで?」

真「○○君を独占しすぎてるからだよ」

遥「別に独占なんか…」

早「とにかく!遠藤君と付き合ってる事はみんな知らないんだからね?」

真「それに、○○君だって周りに気を使いながら仕事してるんだからね?
付き合ってるのはわかるけどオンとオフはちゃんとだよ?」

遥「わかってるよ〜」

早真「わかってないから言ってるの!」

遥「そんな事ないよ…」

早「恋は盲目って言うやろ?」

真「特にかっきーから惚れてるから余計だよ?○○君の時間もあるんだからね?」

遥「わかりました…」

やり取りを終えて仕事を始める

仕事が終わり○○と帰っていると…

○(遥香さん?)

遥(どうしたの?)

○(遥香さん自分の時間作ってる?)

遥(もちろんだよ?なんで?)

○(ほとんど毎日、一緒にいるから…
他の方達と…)

遥(それはまゆたんや聖来からも言われたよ…でも…○○と一緒に居たいから…)
○(気持ちはわかるけど、何かあった時、助けてくれるのは仲良しの人だから…それに姉貴にも言われてるので…)

遥(もしかして○○に気を使わせちゃってるよね…ごめんね…)

○(遥香さんの笑顔が見れるだけで嬉しいから…)

遥(○○…)

○(ずっと放置されたら辛いけどね?
それに彼氏だから…)

遥(わかった!もっと時間をちゃんと考えて使うね?)

○(その笑顔がみれただけで幸せだよ)

遥(ば、ばか!/////)

○○の気持ちも知れたし、私もちゃんと周りをよく見て行動しようと思った日になった

それからは自分の時間と○○の時間と上手く両立?させつつ過ごしていると…

部「賀喜〜ちょっといいか?」

遥「はい…どうされました?」

部「先方との取引で遠藤君と同じ耳が聞こえない人がいるらしい、確か手話出来たよな?」

遥「はい、出来ますけど…」

部「すまんが、この取引の担当になって貰えないか?」

遥「いいですけど…2人つけてもいいですか?」

部「いいぞ、誰に頼む?」

遥「○○と田村さんで…」

部「田村は確か同期だったな、○○って遠藤君か?彼がいれば相手も取引しやすいだろうから適任か…よしじゃあ頼むな」

遥「はい、頑張ります」

部「田村!賀喜と仕事組んでくれ
それから、賀喜はもう少し遠藤君とイチャイチャ抑えろよ?」

遥「えっ?」

部「周りはみんなわかってるからな?
資料はメールしとくよ」

自分のデスクに戻ると

真「頑張ろうね?」

遥「よろしくね?」

真「あとは誰選んだの?聖来?」

遥「○○を選んだ、先方に○○と同じ耳が聞こえない人がいるんだって」

真「じゃあ、私はフォローに回るよ、取引成功させようね?」

そして私は○○にもその事を伝えると…

○(力になれるなら頑張るから)

遥(ありがとう、よろしくね?)

翌日から大忙し…

書類を揃えたり、先方のアポを取ったりとバタバタしていたが、聖来や同期、先輩にフォローされながら打ち合わせの日を迎えた

遥「(緊張するよ…)」

真「大丈夫だよ、私達がいるんだから
ね?○○君…て聞こえないか…」

○「?」

遥(真佑が、3人いれば大丈夫だって)

○(うん、間違いないね?)

真「○○君なんて?」

遥「そうだねだって」

真「ふふふっ」

私達は受付で対応してもらい、会議室に案内され待つ

遥「(緊張がやばい)」

扉が開き先方が姿を表した

すると…

ギュッ

突然の事でその場にいた誰もが固まった

1人の女性が○○に抱きついた

○「!!!!」

?(○○!会いたかった)

○(璃果?)

璃(元気そうだね?)

○(とりあえず、仕事しなきゃ…
みんな困ってるよ?)

璃(○○にやっと会えたのに…)

なんだろう…このイライラした感情…

私は女の子の肩を叩くと振り返った

遥(久しぶりの再会のところ申し訳ないけど、仕事しませんか?)

璃(そうですけど、あなたは?)

遥(○○の彼女の賀喜遥香です)

璃(はぁ?○○の彼女は私なんですけど?)

カッチーン!!

遥(あんたね〜)

真「ストップ!仕事しようね?2人とも」

○(2人ともちゃんとして!)

璃(でも…)

○(でもじゃないの!こっちは仕事で来てるんだから
子供みたいにわがまま言わないの!)

璃(……)

遥(○○…)

○(遥香もちゃんと先方に謝って!)

遥(わかった…)
「取り乱してしまいましてすみませんでした…」

先「い、いえ…こちらも佐藤が失礼しましたから…」

こうして、佐藤璃果という女の子と○○の関係がどうなのかわからぬまま…

モヤモヤしながらの打ち合わせを行った

モヤモヤの原因が嫉妬だと気づくのはもう少し後の事…

璃果ちゃんに振り回される事になるなんて思うはずもなく…

……To be continued

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