君の手がくれた「おと」は…3
私は生まれつき耳が聞こえない
だから、人見知り…
耳が聞こえてたらこんな性格じゃなかったかもしれない
産んでくれた親も恨んだこともある
でも、私に生きる希望をくれた人がいた
遠藤○○の存在だった
初めての友達…初恋の人
障がいを持つ人が行く学校「ろう学校」で出会った
○○といると音がない世界でも楽しかった
優しくて、かっこ良くて…
でも、彼は引っ越しをして離れ離れ…
高校は普通の学校へ進学した
人見知りを直したくて、親に頼んだ
高校で仲良くなってくれたのは「林瑠奈」
彼女は手話が出来る
それもあって、高校では不自由がほとんどなかった
瑠奈の性格なのかみんなが仲良くしてくれた
周りも筆談してくれたし、ちょっと手話覚えてくれたり嬉しかった
高校も卒業して今の会社に就職…
でも、障がい者は触れてはいけないもの扱いされた
その中で仲良くしてくれたのが同期の「掛橋沙耶香」
私は恵まれていると思った
沙耶香とは筆談が主な会話手段だけど、嫌な顔しないでいてくれた
掛(璃果?ご飯行かない?)
璃(いいよ?何食べる?)
掛(焼肉〜)
璃(好きだよね〜?)
掛(璃果だって好きでしょ?)
璃(もちろん)
掛(じゃあいこう?)
私達はいつも行く焼肉屋へ
掛(ん〜〜美味し〜い)
璃(幸せそうだね〜いつも)
掛(美味しいの食べると幸せじゃん?)
璃(そうだね?)
2人で食べていると私の視界に見覚えのある人がいた
璃(沙耶香、ちょっと知り合い見つけたから呼んでもいい?)
掛(いいよ〜)
私は席を立ち、その人の方を叩く
振り返ると…
林(璃果!?)
璃(瑠奈、久しぶりちょっと来て?)私は瑠奈の手を掴み席まで連れて行く
もちろん、瑠奈と沙耶香は初顔合わせだからソワソワしてた
璃(会社の同期の沙耶香だよ?)
林(健常者だよね?)
璃(うん、瑠奈と同じ健常者)
林「初めまして、璃果の高校の友達の林瑠奈です」
掛「あっ!あなたが璃果の親友さん?
私は掛橋沙耶香です」
林(私って璃果の親友だったの?なんか嬉しい)
璃(恥ずかしくて直接言えなかった)
掛「あの〜」
林「璃果と同期って事は同い年?」
掛「そうですよ?」
林「なら私も同い年だから敬語いらないね?」
掛「そっか…私の事は沙耶香でいいよ?」
林「じゃあ私は瑠奈で」
仲良くなったのは聞こえなくてもわかる
林「沙耶香、私が通訳するから筆談しなくてもいいよ?」
掛「いいの?瑠奈が大変じゃない?」
林「大丈夫、璃果の顔見て?めちゃくちゃ笑顔だもん」
掛「ホントだ、じゃあお願いするね?」
そこからは三人でカフェでガールズトークをした
こんな幸せな時間を堪能して、仕事にもいい影響なのか、私の企画が採用された
それからは先輩に教わりながら資料を作ったりした
そして先方との会議の日に事件が起こった
会議室の扉を開けると1番会いたい人がいた
私は嬉しくてその人に抱きついた
でも、彼には彼女さんがいた…
でも、私は彼女さんに宣戦布告をするが、先輩に怒られ、会議を開始した
しかし、内容はあまり頭に入ってこないのは大好きな○○がいるから
だけど、邪魔なのはあの彼女…
私が○○の彼女に相応しいのに…
仕事が終わり沙耶香と瑠奈とご飯
瑠奈は私の会話を沙耶香にもわかるように声を出しながら話してくれた
璃(○○に出会ったよ?)
林「(○○って璃果が片想いしてる人だよね?)」
掛「気持ち伝えたの?」
璃(伝えた…でも彼女がいた…)
林「(マジ?)」
掛「どんな人だった彼女さん?」
璃(すごく綺麗な人…健常者で…)
林「(綺麗な人か…沙耶香、どう思う?)」
掛「1回○○君とちゃんと話をしたら?」
璃(話か…)
林「(そうだね?○○君の気持ちもあるし、それでもダメなら諦めるしかないよ?)」
掛「そうだね〜?相手の気持ちがちゃんとしてたらそれ以上は無理だもん…
でもさ?私と瑠奈が璃果に相応しい人探してあげる!」
林「(ちょっと沙耶香…)」
掛「大丈夫!諦める前に気持ちちゃんとしてきな?」
璃(沙耶香…)
林「(ちゃんと区切りつければ前向けるでしょ?璃果の幸せは私達の幸せでもあるからさ?)」
璃(瑠奈…2人共ありがとう…)
私はいい親友を2人も持った事を感謝した
私は○○にLINEをした
璃(今度ご飯食べない?)
○(いいよ?いつがいい?)
璃(週末がいいかな?)
○(わかったけど人数は?)
璃(2人でもいい?)
○(わかった、店は任せてもらえる?)
璃(いいよ?それじゃあ週末ね?)
○○との約束を取り付けた
振られる事はわかってる…
でもちゃんと気持ち伝えて、諦めれる様にしたい
やっぱり初恋は実らないんだな〜
そうして週末を迎える…
……To be continued
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