【ぼっちは閲覧注意!】ぼっち・ざ・ろっく! 感想

きらら枠のアニメ(きらら系列原作のアニメ)好きに付き合わされて鑑賞することに。

★4.7(最大★5)


このアニメの見どころですが、主人公の後藤ひとりというコミュ症で想像力豊かな人間の内面を、主観的に描いているところです。
例えば、忘れたい過去を思い出したとき、主人公が溶けてなくなりたいと思ったとして、このアニメでは映像として本当に溶けてなくなっていきます。(もちろんギャグ描写なので数カット後には元に戻ってる)
きらら系の女子高生の青春の絵の中に、コミュ症キャラの内面を徹底的に映像化するというシュールなギャグが笑えたり、共感しすぎて笑えなかったり、そんなアニメです。
自分には涙が出るほど痛烈に刺さりすぎたためか、★5にはできませんでしたが、満点評価の人がいてもおかしくないとは思います。
他にも、作画が生き生きとしていて、スタッフが楽しんでアニメを作っていることが伝わってきます。2022年のアニメ中ではトップレベルに完成度の高いアニメだと感じました。

あらすじ

中学時代ぼっちだった主人公の後藤ひとり(通称:ぼっちちゃん)は、高校生活こそみんなにちやほやされたいと願うも、結局友達を作れずはや数か月。
たまたま公園で知り合った伊地知虹夏(俺たちのママ)に誘われるがまま、インディーズバンドのギターを担当することに。ギターは独学で勉強し、ネットでは「ギターヒーロー」として有名人ではあるものの人前で演奏するのは初めての後藤ひとり。結局、初ライブでは上手く行かなかったものの、その後も伊地知虹夏をリーダーとする「結束バンド」のメンバーとして活動していくこととなる。

原作

原作は、はまじあきによる4コマ漫画(まんがタイムきららMAXにて連載中)。
1巻のみAmazonUnlimitedで読めるので、Unlimitedに入っている方は是非、ご一読いただければ。(原作からぼっちの顔面は崩壊してる)

描写がとても細かい

見どころでも語ったように主人公が溶けてしまうような描写をする一方で背景の作り込みが半端ないです。
例えば、後藤ひとりの部屋にあるギターの専門書には沢山の付箋が貼ってあって、主人公の努力を絵で語っていたり、と。ながら見しているだけでは気づかなさそうな細かい描写が多いです。
楽器や演奏の描写など音楽に詳しい人にはもっと気付ける部分があるのだろうなと思います。

メンバーとしっかりと仲を深めていく

作品冒頭では一人ぼっちだった後藤ひとりが、話が進むごとにメンバーとの仲を丁寧に深めていくシーンがとても印象的でした。
例えば、打ち上げの飲み屋でふと外の空気を吸いに外に出たところで、たまたま立ち会った虹夏と何でもない立ち話をするようで、虹夏の本当の夢、本音の話をするシーンなど。
ギャグシーンはちゃんと笑えるようにポップに作っている一方で、ドラマ描写は痺れるくらいリアルに描いている。そのギャップがこの作品の最大の魅力だなと思います。

でもやっぱりコミュ症にはみるのは辛すぎる

ゴリゴリのコミュ症の自分にはぼっちちゃんのコミュ症ギャグシーンは笑えるというより辛いものがありました。
ただ、そんなコミュ症の内面も純文学だけでなくギャグとしてエンタメになるのだなと思うと少しは救いになるのかなと、そう思いました。

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