見出し画像

代表の思い|農工ビールを作る理由

こんにちは。農工ビールプロジェクトの代表を勤めているまつ村です。

本記事では、農工ビールを作って何?目的は?代表のあなたは何者なの?という内容をお伝えしたいと思います。

というのも本プロジェクトは、ただただ美味しいビールを作りたい!という話ではなく、「挑戦者を応援したい!」という少年ジャンプもびっくりな青春溢れるビジョンを裏に持っています。

そんなの知る由もないし、なんならメンバーにも完全には伝わっていないような気がするのでここにまとめます。ぜひ読んでください。

代表の自己紹介

私は東京農工大学の大学院に所属しています。学年は博士後期課程二年という呪文のような代です。専門は電気化学で普段はリチウムイオン電池とか植物電池とかを研究しています。絶望的にビールが関係なさそうな専門です。

画像2

もちろん研究は大好きで、ひきこもって実験できるタイプです。ただ、研究を社会に実装して、一般の人にも科学の面白さをお届けしたい欲も強いです。

話すと長くなるので手短にですが、科学は社会で使われる技術になることで爆発的に発展します。これはLEDでもリチウムイオン電池でもmRNAワクチンでもそうです。なので私は技術の発展を促進し、世界の新陳代謝を上げることを目指しています。

ちなみにビールは大好きです。

農工ビールプロジェクトとは

みなさん農工大って知っていますか?東京農工大学です。大根踊りで有名な東京農大とは別の学校です。知名度が低いのですが意外とすごい学校です。どれだけ凄いかは後で話しますね。

農工大は府中に農学部キャンパスが小金井に工学部キャンパスがありまして、東京のちょうど真ん中らへんに位置しています。農地もたくさんあって、府中のキャンパスは地図上では森ってなってます。

そんな農工大には、優れた研究力と豊かな農産物があるわけなのですが、その魅力があまり発信されていないんですね。特に、農学と工学の融合なんてこれからの時代に必要不可欠でしかないですから、知られていないのは悔しいものです。

なので本プロジェクトは、「農工大の魅力を発信したい!」というのが目的です。

学部生と大学院生とOBのデザイナーやビール職人やらが集まって、農工大生による農工大のための農工大の資源を活かしたビールを作っています。また、作るだけじゃなくてお客さんに販売するところまでしっかりきっちりやります。リンカーンもびっくりです。

そして、もう一つのテーマは学生がプロジェクトに挑戦することで成功体験を積み、自分のクリエイティブに自信を持ってもらうことです。自信をつけた学生が「自分にも何かできるかもしれない!」という思いで、社会に創造性あふれる商品や作品やサービスを生み出すような世界観を思い描いています。

画像3

農工大の魅力とは

そもそも伝えたい農工大の魅力ってなに?

生協の白石さん、もやしもんのロケ地、ハマカーンの出身、ゲスの極み乙女の出身とかとか有名なんですし、僕は全部好きです。でもそれだけじゃないよ!って話をします。


豊かな農産物のラインナップ

農工大は都内のど真ん中に大きな農場がありまして、野菜とかブルーベリーとかが新鮮で高品質な物が作られています。それだけじゃなく、味噌とかカルピスなどの発酵食品も作っているんです。

地域の方々には認知されていて、キャンパス内の夢市場ではすぐに売り切れるほどの人気商品です。

画像5

引用:農工夢市場

最近では、学生が主体になって養蜂サークルが立ち上がり、超高品質のハチミツを作ったりしてます。地域のパン屋さんと組んでハニートーストを作りたいなんて話もあって積極的でクリエイティブですよね。ハチミツが成果物のサークルなんてそうそうありません。

ゲーム空間内に作ったバーチャルキャンパス

今度は工学部の話です。工学部は農学部ほどわかりやすい個性は選びづらいのですが、教員あたりの共同研究数が国内トップだったり、論文引用数も10位以内に常に入っていたりで普通に研究力が高いです。

僕は土に差し込むだけで微生物が発電する電池を作ったりしています。不思議ですよね。

そんな工学部では今年、キャンパスをFORTNITEで再現し、その中でオープンキャンパスをやりました。MCは農工大出身のハマカーンが担当しました。なかなか面白い取り組みを始めてると思いませんか?YouTubeで当日の様子が見られます。

引用:東京農工大学 YouTube


農工融合

農学部と工学部の2学部がメインの大学であることが最大の特徴です。なかなかマニアックな組み合わせをしてますよね。

農学って野菜を作るだけじゃないんですよ。人の営みそのものです。大昔は米ができるところに文明が築かれました。なので農学部には、生物多様性・自然環境・資源循環・街づくりとかが含まれるわけです。

最近は資源とエネルギーが不足していますから、人や物が循環して助け合って生きていくことになるでしょう。そういった新しい世界観こそ農学なのです。

そんな農学を、工学の力でアップデートしていくことは、これからの時代を象徴していると考えられないでしょうか。

そして、農工大はその世界最先端に立てる大学だとは思いませんか?農工大がやらずして誰がやるのよ農工融合。


脱・知る人ぞ知る良い大学

農工大を知ってくれている人はよく農工大生を褒めてくれる気がします。それはOBの先輩方が優秀で誠実で評価されてきたからです。ポテンシャルは大きいはずなんです。可能性は無限大です。知る人ぞ知る良い大学で収まらずに進みましょう!

画像6

農工大の魅力全開の超音波熟成ブルーベリービール

そんなこんなで農工大には個性的な魅力があることを感じていただけたでしょうか。特に農工融合は最大の推しポイントだと思っています。

自然とテクノロジーを両方学びたい人はぜひ農工大へ来てください。一緒に田んぼでプログラミングでもしましょう。

さて、そんな魅力が伝わるような商品を作って、お届けすることが農工ビールを作る理由です。従って、農工ビールは農工大の魅力を象徴するようにデザインしなくてはなりません。

そこで考えたのが農工融合の超音波熟成ブルーベリービールです。


農学部のブルーベリー

農学部には歴史あるブルーベリーの木があります。「日本のブルーベリーの父」といわれる故・岩垣駛夫先生が譲り受けたアメリカ産の原木が残っています。小平で日本初の商業栽培をしたのはその教え子と聞いています。

現存する原木は1本(Homebellという品種)で、ビールの試作品はこのブルーベリーを一つ一つ自分たちで収穫して使いました。

画像7

東京農工大ブルーベリー研究会という組織もあり、ブルーベリーの栽培・研究・実際の使い方を極めているプロ集団です。そんな農工大が作るブルーベリーは本当に質が高いですよ!

果樹園や畑には大学の畜産で出た糞尿を堆肥に使い、畜産の餌となる穀物を作ったりと循環型農業を体現していることにも注目です。


工学部の超音波熟成技術

超音波ってなにそれ?コウモリのやつ?って人も多いと思います。

身近なところだとメガネの洗浄機に使われているのが超音波の発生装置です。超音波は水に細かい振動を与えることで汚れを落としたり、液体を混ぜたりすることができます。

地味にアロマディフーザーも超音波で霧を発生していますよ。

正確には超音波熟成を専門に研究しているわけではないんですが、私の研究ではよく超音波を使って高性能な材料を合成します。メカノケミカル合成と言います。

この超音波を使うとお酒を短時間で熟成することができる、というのが超音波熟成技術です。​​超音波熟成の技術はワイン・焼酎・ウィスキーなどの長期熟成を行う酒類で利用例がありあます。10年もののワインが1時間でできちゃうみたいな技術です。

原理は簡単に言うと「めちゃくちゃよくかき混ぜる」っていうことです。お酒には水・アルコール・香味成分が混じっているのですが、それらは均一に見えて分子レベルでは偏って存在しています。これらを時間をかけて混ぜるのが長期熟成であり、コクと口当たりが改善されます。超音波はこの成分の偏りを分子レベルで破壊し、均一に混ぜ合わせることができます。

画像8

ただ、ビールは長期熟成が一般的ではないということもあって超音波が使われた例は見たことがありません。しかし、フルーツの香りをビールにつけるには相性抜群なのではないか?というのが今回の実験です。


農と工の融合

超音波とフルーツを組み合わせることで、香りや味をビール内に分子レベルで短時間に拡散させ、まろやかな風味を実現できるだろうと考えました。

農学の作るブルーベリーの良さを、工学的な技術で最大限に活かすというアプローチはまさに農工融合なのではないでしょうか?農工大の魅力を象徴するようなビールだと考えています。


農工大OBOGのビール醸造家とタッグを組んだ製造体制

画像9

今回の農工ビールは、農工大OBである和泉俊介さんのブルワリー「和泉ブルワリー」で醸造を行っています。和泉さんはGather Around Beerをモットーに、東京都狛江市でクラフトビールを作っています。和泉ブルワリーのお客さんは本当に楽しそうに笑顔でビールを飲んでいる人が多く、みんなに愛される素敵なブルワリーだなぁといつも感動します。

詳しくはテレビ東京で取材されていた和泉さんの動画をぜひ見て欲しいです!原宿のBeer Cellar Sapporo 原宿でも和泉さんのビールが飲めますのでぜひ!

和泉さんだけでなく、あの有名な和歌山県の平和酒造でビール醸造長をなさっている、農工大OGの髙木加奈子さんにもアドバイスをいただきながら進めています。

農工大のオリジナルクラフトビールを作りたいという思いに共感し、一緒に取り組んでくれる先輩方に大感謝です。最終的には絶対美味しいクラフトビールにしてくれるはずです!

2021年11月に600L限定販売の予定!

農工ビールは3月にプロジェクトが立ち上がり、現在試作第一弾が完成したところです。ブルーベリーの綺麗な紫色が出て、超音波をかけることでの口当たりの変化はありそうな結果でした。

画像10

これから試作第二弾を行い、10月にはクラウドファウンディングやコラボイベントなどを随時行っていこうと思います。本販売は11月の学園祭になります。ネットやお近くの店舗でもお買い求めいただけるように、販路の獲得頑張っていきます!

生ビール樽でも販売できるはずですので、飲食店で11月に置いてもいいよ!とか考えてくれる方がいたら涙を流して喜びます。その他、なんでもお気軽に連絡いただきたいです。


将来のビジョン

今年のチャレンジ単発で終わらせては意味がないので、事業として継続的に続けていきます。常に面白い企画をしていきたいです。

毎年進化し続けるビールを目指す

農工大ビールは毎年イベント的に楽しんでいただけるビールを目指します。ボジョレーヌーボーのようなイメージです。「俺は2022年の農工ビールが好きだったなぁ」とか語り合ってもらえるビールにできたらいいなぁと思っています。

今回のコンセプトは農工融合の超音波フルーツビールですが、まだまだ試してみたいコンセプトは沢山あります。ポケモンのゲームみたいに、農工ビール”農” vs 農工ビール”工”みたいなのも良いかもしれないですね。

私たちのチームは学生がメインです。学生はすぐに代替わりします。後輩が去年の先輩よりも良い物を作りたいと思うパワーは侮れません。どんどん良い作品になっていくんじゃないでしょうか。わくわくしますね。


大学対抗ビールフェス「オクトーバーユニバーシティ」

大学発のクラフトビールをもっと流行らせたいなぁと思っています。クラフトビールってかなりこだわりを詰め込めるんです。色んな大学の学生や教員やOBOGが創意工夫したビールを作って競い合うイベントの開催を目指しています。

美大の作るおしゃれな瓶ビールとか、テクノロジーが凄いところのAIが作るビールとか、ロボットがサーブしてくれるビールとか、無限に面白いものが出てきそうでワクワクします。

農工大は強豪校の座をキープしたいですね苦笑

団体を作り、スポンサーや会場を抑えて、実現していきたいです。もし興味を持っていただける人がいましたらご連絡いただけると嬉しいです。他大学でクラフトビール作りに興味がある人も連絡いただきたいです。一緒に開催しましょう。

画像11

農園併設のビアガーデン

農工大にはブルーベリー以外にも畜産や野菜や米なんかもあります。そして何より広い農地があるわけです。ドローンやロボット農機なんかの最先端技術がふんだんに使われた農園で、一般の人も楽しめる農業と、その収穫物を楽しめるビアガーデンを作れれば、まさに農工融合のコンセプトパークですよね。ぜひ作りたいです。

最後に

農工ビールは僕らの創造性を結集した作品かつ商品にしたいと思っています。

人はいつの間にか自分の創造性を発揮するのが怖くなるものですよね。子供の頃は好き勝手に絵を描いていたのに。

小学校の展覧会みたいに、みんなの創意工夫があふれる社会を僕は見てみたいです。なので農工ビールには「自分の創造性を発揮することは誰にでもできる!」というメッセージを僕は乗せています。

学生たちのチャレンジを見て、若い人には勇気を、ベテランには挑戦心を持ってもらいたい。挑戦者の背中を押すビールでありたいと思っています。

合わせてチェックしたい

公式ホームページ

Twitter

Facebook:Facebookページはこちらから

代表のTwitter:こちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?