【『怯まず前へ』第1回】 チームエントリー発表から
※10000m10人平均:29分03秒76
箱根だけは譲れない。エース相澤を活かす走りを!
2019年12月10日、待ちに待った箱根駅伝チームエントリーが発表された。その中で、前回8区区間3位で走った鈴木選手が調整不足で外れたことは痛いが、昨年怪我で走れなかった渡邉選手や出雲と全日本走れなかった主力の𠮷川選手、蝦夷森選手、過去2年5区を走った田中龍選手などが入ったことは好材料であり、往路3連覇&総合優勝の奪還に向けて十分戦える戦力になってきたと思うので、悲願の達成に向けて頑張ってほしい!!
今季は新戦力の台頭が目立つ。その中で特に定方選手はこれまで3年間三大駅伝に一度も出走したことがなかったが、今季は努力でメンバーを勝ち取り、出雲6区区間3位、全日本7区区間2位と主要区間で好走し、エース格に成長した。さらには、関東インカレハーフ2位の宮下選手や昨年10区を走った大澤選手はそれぞれ出雲で好走し、全日本で主要区間を任されるなど戦力に厚みが増した。
また、4年生の活躍も目立った。相澤選手は出雲3区、全日本3区で共に区間賞そして区間新記録と驚異の走りと活躍を見せた。今西選手は出雲5区、全日本4区で共に区間2位と平地でもレベルアップした姿を見せた。渡邉選手は故障を乗り越えて全日本1区で復帰し、区間6位と復帰戦で十分な役目を果たした。
その一方で、今季は出雲3位、全日本5位と「優勝」にあと1歩届かなかった。それは、主力の𠮷川選手が故障の影響で走れず、ベストメンバーが組めなかったことと西山選手が故障明けの影響で本来の力が発揮できなかったことが大きいだろう。しかし、タイム差を考えると出雲は優勝した國學院大わずか11秒差、全日本は7区終了時で先頭と25秒差とそれほど大きくはないので、ベストメンバーが組めれば箱根で十分優勝争いに絡めるチャンスはあると考えられる。
ただ、箱根に向けては「エース相澤に頼ってしまっている」ところが課題である。1人1人が「相澤さんがいるから大丈夫だ!」ではなく、「相澤さんに絶対トップで渡す!」や「1秒でも速く相澤さんにタスキを渡すんだ!」という気持ちがいかに持てるかが大切であると考える。特に全日本では3年生以下の区間順位があまり良くなかったので、箱根では3年生以下がいかにそのような気持ちを持って頑張れるかで優勝争いへの鍵になってくると思う。箱根では、1人1人が「相澤を頼る駅伝」ではなく、「相澤を活かす駅伝」をしてほしい。
また、西山選手と吉川選手の復調も鍵を握ってくると考える。西山選手は故障の影響で出雲1区区間10位、全日本5区区間11位と本来の力を発揮できなかった。吉川選手も出雲、全日本それぞれ故障の影響で走ることができなかった。箱根に向けては、彼らがしっかり走れるかによって優勝争いに関わってくると思うので、まずはしっかりと復調をし、さらに昨年のような走りをしてほしい。
前回は往路2連覇をしながらも8区で逆転を許してしまい、最終的には「総合3位」と「優勝」にはあと1歩手が届かなかった。その悔しさを胸に1人1人が「箱根だけは譲れない」という気持ちを持ち、「怯まず前へ」や「その1秒をけずりだせ」のスローガンのもと1秒1秒を大切に走り、そして「相澤を活かす走り」をし、今大会の目標である「往路3連覇と総合優勝の奪還」を目指して頑張ってほしい!!
今大会のポイント
・前回経験者が6人エントリー
・定方選手がエース格に成長
・大澤、宮下、蝦夷森選手の台頭
・直前で調子を上げた1年生が6人エントリー
・渡邉選手の復活
・エース相澤選手を活かす駅伝がいかにできるか
・エース相澤選手をどの区間に配置するか
・エース格の西山選手や𠮷川選手がどれだけ復調しているか
・山の2区間に経験者が残るが、前回以上の走りができるか
・往路で主導権を握り、復路にどれだけ貯金をつくれるか
・前回大きく差をつけられた7区や8区に力のある選手が置けるか
前回経験者の成績(※エントリー選手のみ)
1区:西山 和弥 1時間02分35秒(区間1位)
3区:𠮷川 洋次 1時間02分33秒(区間4位)
4区:相澤 晃 1時間00分54秒(区間1位 ※区間新)
5区:田中 龍誠 1時間12分52秒(区間8位)
6区:今西 駿介 58分12秒(区間3位)
10区:大澤 駿 1時間12分31秒(区間10位)
今季出雲駅伝と全日本大学駅伝の成績
第31回出雲駅伝 総合3位(2時間10分09秒)
第51回全日本大学駅伝 総合5位(5時間15分40秒)
次回は「箱根駅伝壮行会」の記事をアップします。お楽しみに!