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今『キン肉マン』で起きている事と他でのケースはどうなっているのか

今、『キン肉マン』で起きていることはいささか、厄介なことになっている。

他でしっかりと背景を含め問題点を書かれているため、自分も詳細に書いても重くなるだけなので、軽く触れながら語らせて頂きたい。
そのため、抜け等が多くありますが、あくまで自分のお気持ち表明程度でご理解して頂ければ助かります。

たとえ軽い気持ちであったとしても、漫画のスクリーンショットをSNSやブログに著作権者の許諾無く投稿(アップロード)する行為は、法で定める一部の例外(※)をのぞき、著作権の侵害にあたり、場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償請求の対象となります。悪質な著作権侵害、ネタバレ行為(文章によるものを含みます)に対しては、発信者情報開示請求をはじめ、刑事告訴、損害賠償請求などの法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。
※著作権法上の「引用」の条件を満たす場合など。

正直、むやみやたらな画像利用に関しては理解は出来し、同感である。
だが、文章を含めたネタバレはグレーゾーンであり、あやふやな基準で出された、この声明はまずい。

そして、最近の『キン肉マン』長らくweb連載でやっており、今までも画像利用での感想は溢れていた中でのいきなりの発言である。この発言の意図というか裏には『キン肉マン』が紙に連載も戻ったという部分もありそうとのこと。
こういった側面からの流れでは読者からも反感しか買うしかない。

そして、この問題は明らかに時代と逆行している。それを他のケースから見ていこう。

海外のゲーム実況から見るケース

ゲームにおいてネタバレは多々存在する。そのため、近年一般化したゲーム配信においてネタバレ配慮した一定のルールが設けられているケースがある。その他にも収益に絡む点での配信のルールもあるが。

ただし、海外に置いてはネタバレ配慮のルールは強く反発され、「メーカー側」が謝罪した上で緩和している。だが、その一方で国内では緩和したルールは適用されていない。

ただ、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に置いてはアニメ放送もあってだろう、かなり緩和されている。ほぼ、『ペルソナ5』での部分は配信オッケーではある。
ただ、この条件は『ペルソナ5』のソフトに置いても適用されるかはよく分からない。

これらを『キン肉マン』のケースと当てはめても、画像利用や配信後すぐでのネタバレ感想は避けられるモノではない。ゲーム配信も発売と同時に開始するケースは多くなってきているからだ。

これはゲームソフトも現物のパッケージからDL、ネットから引き落とす形態に変わっているからだ。発売後すぐに世界中の誰もが一斉にプレイできる環境が整っているのだ。そして、プレイヤーは自身の声で動画を発信することが可能である。
それはPlayStation 4などのコンソール機だけでもストリーミング配信が出来る様になっているからだ。そして、ハード機自体に設定された合法的な行為でもある。

これはゲームにおけるケースである為、漫画と同等と見るにはいささか弊害もあるかもしれない。それでも『キン肉マン』は明らかにこういった流れに逆行しているのは分かるだろう。

そして、ユーザーらが結託して声を上げれば、権利を持つ作者であっても条件の緩和は避けられない。海外のゲーム配信文化は企業側も無視できないほどの強大なコミニュティであるからだ。

また、彼らがボイコットを出せば、それだけで売り上げだけでなく、ブランドイメージまで損なう可能性は高い。だからこそ、ゲームにおけるネタバレ配慮のルールを緩和している。

そもそも、昨今の社会的な流れは作品設定に至っても読者(?)が言及するケースが海外、国内問わず発生している。これを話し出すとキリが無いため、やめておこう。
ただ、『僕のヒーローアカデミア』の丸太騒動も同じ集英社での作品から起きたことだ。今はそういう時代になっていることは確かなのだ。

権利者の許諾を得て

ゲーム配信では正式な許諾を得て、オフィシャルとするケースも増えてきている。それによって、互いの企業にとってwin-winな関係を築こうとしている。

それだけでなく、ゲーム配信を広くして貰うことで宣伝となると考え、きちんとしたガイドラインを設けて、それさえ守ればゲーム配信をオッケーとする場合もある。

また、ゲームだけでなく作品においても外部の有名人がアンバサダーとなって宣伝して貰うケースもある。ある種、権利者の許諾を得て作品を語る正式な場である。
また、作家自ら発信するケースも増えてきている。

今後は「権利者の許諾」もしくは「ガイドライン」というのが、企業間、企業対個人でwin-winな関係を築いていくのが大事となってくるだろう。つまりはグレーゾーンを作らない流れだ。
今後の企業のコンプライアンスとなっていくと考えて間違いない。

そもそも、これらは「権利者様の許諾が必要となる著作物使用」を扱う色々なリスクが認知されている事態から始まっている。今後はグレーゾーンしか提示されてない著作物に対しては扱うに扱えないのだ。

これ以外の話であっても、YouTube等で作品のレビュー動画が消されるケースもある。著作物使用をしている以上、これらは仕方がない話ではある。
ただ、完全真っ黒なマンガ本編を動画に置き換えたモノ動画サイトで幅をきかせる中では、こういった措置は不満を集める結果となっている。

ここに置いてもユーザーの性善説を信じるなり、白黒の裁量が一個人で握られていればなおのこと無理である。グレーゾーンがあれば拡大解釈を許すことになりかねないからだ。

日本人はまだ制限や規律を守る傾向にあるが、海外はそうとは限らない。そもそも、権利に対する法律も違うことから、考え方も違う。日本限定とするならまだ分かる。ただ、『キン肉マン』は海外でも知れ渡っている作品だ。

ゲーム販売でのスラングではあるが、「おま国」という言葉がある。内容は海外のゲーム販売サイトでのリージョン規制である。
『キン肉マン』も同様に海外展開しない、もしくは独自の販売経路とルールも添えてなら、このルールは守られるかも知れない。

「おま国」にしても色々と問題のある案件であるが。

作者の方が上?

関係者のみんながみんな思いつきで語っているから、集英社に関係する人達でも整合性がない。
そもそも、ゆでたまご先生自身らの過去のインタビュー等をまとてみても、リアルで「ゆで理論」になっている。

大体、週プレNEWS編集部もある種、先生の考えに同意しますといった具合だ。それでは何の為の編集だろうか。

これに関しても『アクタージュ』でも同等の手を取っていたために、この点だけでも強い反発があった。そして、今回だ。二度も同じ轍を踏んだと言ってもいい。

今回の件は他の作品、他メディアでも散々言われていることである。違法アップロード、映画泥棒なども同じ問題である。せっかくのいい機会をうやむやにお茶で濁して、その場しのぎの結果といってもいい。
ただ、あくまで『キン肉マン』に限った話なのがある種救いかもしれない。これが漫画業界全体の流れになっていれば、大騒動となっていただろう。

最後になったが、今回の『キン肉マン』画像利用については私は反対する理由はない。ただ、それにプラスして文章のネタバレも駄目とし、感想すらその拡大解釈内に含まれると声明を出したのは今の時代ではミスマッチだと言いたいだけだ。
そもそも、画像利用も著作権法上の「引用」の条件を満たす場合はオッケーとしている。これも拡大解釈できなくもない部分である。

はっきりいって、大人が子共に諭す程度にグレーゾーンに依存した声明だ。子供だましである。ゆえに「ゆで理論」と揶揄する人も多くいた。私もその一人だ。
これが出版社という著作物を扱う企業が出す声明ではない。一応、私だけが思っている点ではない様である。

その点に私は怒っているのである。

しかしながら、今までがそういった権利問題が緩かった点から始まった騒動である。私の怒りもある点では的外れとは言えよう。だからこそ、この件によって、議論の足かがりとなって欲しかったとつくづく思う次第であった。

それに正直、感想すら駄目なら駄目と言いきってもいい。『キン肉マン』ぐらいのコンテンツならSNSでバズらなくとも売れ行きにほぼ影響がないからだ。それほどまでに従来のファンが付いている。

まあ多分、喉元過ぎればで数年後はこの騒動の経緯も忘れ去られ(読者だけでなく作者本人ら、編集ら含め)、今までと同じ状況になっているだろうな。

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