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ツカモト シュンのサブカル一人語り

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ツカモト シュンが勝手気ままに一人で語るコラム、雑記。 基本一つの作品をテキストにして、サブカルチャーに関して語っていくスタイル。
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#なろう系

悪役令嬢モノ、18禁ゲームと語りながらありえない舞台となった作品達の謎? ~そうなった理由とは

ここ数年、悪役令嬢モノのアニメが多いが、その原型であるはずのゲームでの悪役令嬢モノはそうそう聞くことはない。 個人的には今後出てくるタイトルに気になるモノはあるが、ジャンルとしての悪役令嬢モノとは少し違ってはいるようだが。 さて、アニメ化されるほどの人気ジャンル、悪役令嬢モノではあるが、多くでその舞台となる悪役令嬢が出てくるゲームがほとんど無いという歪さ。 これは悪役令嬢が女性モノだから男性である私が知らないだけというのも考えられる。それゆえ、web小説では18禁ゲームを

アニメ『薬屋のひとりごと』の世界観から見る、一般となろう界隈の乖離

『薬屋のひとりごと』のアニメ化によって、その世界観が一部にとって問題というのか話題になっている。 話題になっている中華風なのに文字がひらがなが出てきたり、中国か韓国か、何がベースなのかといった世界観の矛盾というか突っ込みである。 ただ、これは問題でもなんでもなく、なろうを知る者にとってはテンプレートで作られた世界観、そして、設定の中身の無さは常識的に分かっていることだろう。 そう、ナーロッパと揶揄される概念である。 それだけに『薬屋のひとりごと』でひらがなが出てこようが

誰もが出版社に依存しない流れがきている話

■作家よりも内情を議論する 5ちゃんねるのまとめで、こんなモノがあった。 5ちゃんねるだけにその信憑性は確かではないが、「小説家でなろう」から書籍化した作家らが印税、年収に関しては以前にもTwitter上で発言していたこともあり、内容自体と実際の現状はそう外れていないと思われる。 また、スレッド内でも同様の内容が発言されている。 このスレッドを見ていて面白いと感じたのは、投稿者以上にスレッド内の住人達が内容に対して議論していることだ。 そして、まとめサイトのオチでも使

『虫かぶり姫』は少数に向けたメディアだったのだろうに… ~大人によって資本主義の犬になったアニメ

近年にしては珍しく少女向けアニメということで、『虫かぶり姫』というアニメを見ていた。まあ、あまり面白くはなかった。 ただ、これは少女向けアニメだからではなく、何処まで真摯にアニメを作っているから分からないからである。 まず、アニメの制作陣がこの作品を盛大に勘違いしていると感じる。 それは女性向け恋愛ゲームのように多くの男性陣に囲まれた作品としているからだ。公式サイトのキャスト、キャラクターからもこの点は確認できるが、実際アニメを見ていれば分かることだが、男性よりも女性の方

「追放されたチート付与魔術師は 気ままなセカンドライフを謳歌する。」 第12話感想 ~タイトル回収だけではない、怒濤の展開

「追放されたチート付与魔術師は 気ままなセカンドライフを謳歌する。」 第12話がニコニコ静画にアップされていたので、その感想を。 あらすじは各自、本編を見て頂くとして、本題の感想に入りますと今のなろう系では定番の追放モノのざまぁ展開をしたタイトル回収回ではあるが、ざまぁされた方が憑き物が落ち改心だけで新たな踏み出しを見せていた。 しかし、この展開は普通に漫画を読んでいる人なら、正解というか王道と感じるだろう。だが、なろう系の追放モノでのざまぁ展開はそうでない。追放した者の

理想の「神作家」と現実の「神作家」 ~タイパラの残滓

以前、タイトル、あらすじから頭の悪いタイトルの作品を見つけたので、読んでみた。確かに頭は悪いし、糞と一喝できる内容だった。 ただ、しかし…作品外での背景を考えると馬鹿に出来ない作品だけに悩み続けている作品でもあった。 『高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い』(著者:茨木野) 自分がひとまず読んだのはコミカライズ版だが、原作も購入済み。しかし、糞な内容を読みながら、論理的に分析するのには相当体力を使うため、

『くまクマ熊ベアー』TVアニメ2期で見えてきたモノ ~部数アップが切っ掛け?

■目に見えた、アニメ化効果 『くまクマ熊ベアー』という作品がTVアニメ2期の放送日が決定されたようで、少しびっくりとした。 この作品のアニメは原作から改変した1話を放送したことから、悪い意味で話題となっていた。まあ、自分はその話題だけを聞いていただけで、見てはいなかったが。 ともあれ、そんな悪評だけが先行してしまった作品のアニメが2期を作られる要因とは何かは思っていたが、その答えは先の記事、出版社が冒頭から出してきた情報にある。 そして、振り返ってアニメ1期の際での記

原作付き作品でのアニメ演出と作家性

さくじつ、アニメの作家性に関しての書かれた内容が話題になっていた。 この中で語られているように『リコリス・リコイル』に関して、作家性が劣化しているか言われれば納得しかねる部分はある。しかし、発言に対しては理解できる部分がある。 原作遵守で作られるアニメに作家性があるのかと言われれば、確かにどうだろうか。この部分だけなら、多くの人が納得もでき反発はなかっただろう。 しかし、『リコリス・リコイル』を例に出してくれば、議題になる前にその話題性、人気から反感しか出ててこないだろ

コスパ重視時代との対決 ~矛盾するライトノベル商業構図

先日の記事は割と反応はあったモノの、タイトルにある"矛盾するライトノベル商業構図"に関しては、ほとんど触れられていない状況であった。ここは反応だけの話だから、それが結果の全てでもないだろうが… 確かにこの反応にしても前回の記事は『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』から見た話でやっている以上、多少は仕方がないと部分と自分も理解していた。また、その中で見えてきたことであり、考えは完全に纏まっていない部分もあった。 それで今回は改め、"矛盾するライトノベル商業構図"を軸にして

矛盾するライトノベル商業構図2 ~漫画好きに編集されたコミカライズ

今回は視聴傾向を探るために過去の記事を元にしています。また先日、語った「矛盾するライトノベル商業構図」ともリンクしていく部分ではありますので、そこへの補足も入れています。 さて、少し前にTwitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死で真剣であり真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこんな頭が悪

【漫画レビュー】追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~漫画好きに認められた漫画作品(コミカライズ)

以前、Twitterでとあるコミカライズ作品の画像が流れてきた。 これを見た時、なろう系追放もここまで来たかと思った。追放理由がコントのノリから始まるのだから。 馬鹿にされがちななろう系ではあるが、書いている方は必死であり、真剣である。そして、真面目な作品へとしようとしている。だが、これほど冒頭でこれほど頭が悪く、かつ、面白い流れのなろう系追放を描いた作品に、私は俄然興味が湧いてきた。 そして、この1ページだけでなく、1話を、そして、コミックを買って1巻も読んだ。 た

矛盾するライトノベル商業構図 ~ラノベ10冊分のワンパッケージ作品の台頭

2022年春アニメである『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』を見ていて、自分としては面白くないながらも考えさせられる点が多かった。 正直、この作品で何が面白く、何がダメかと考えていると、別の点で大きな問題を抱えているのが見えてくる。それだけに自分は本当の意味で楽しんで見ていた作品と言えるかは疑問ではあった。 その点はひとまず置いておくにせよ、この作品で見えてきた問題とは商業展開で求めるモノが売り手、買い手でズレて認識しているのではないか?である。 そもそも、転生モノの

アニメ『このヒーラー、めんどくさい』を見るのがめんどくさい ~視聴側での再調理が必要な作品

今期のアニメで『このヒーラー、めんどくさい』があるのだが、この評価がなかなかしづらい。世間的には、否定的な意見は多いのだが。では、原作にも駄目かと言われると、その逆で評価されている部分が多い。それでも多くの人から評価されているわけでもないが。 そして、映像コンテンツに対して倍速視聴が駄目と言われる昨今で、この作品だけは倍速視聴推奨という視聴者間での言われたりする。 しかし、このアニメの何処が駄目なのかは説明するのが難しい。 倍速視聴推奨と言われる点からも5分アニメで成立す

異世界シンドローム ~洗礼なき祝福

今、異世界転生に限らず、異世界モノがブームである。ただ、このブームは本質を理解されぬまま、商業展開し続けている印象がある。 先のTweetの様に編集が漫画原作者に聞き出している。要は編集というプロであっても、自分で見つけられていないと語っているのだ。それが数年前の現状、今はどうなっているか、ハッキリとは分からない。 だが、現在発刊されている異世界モノを読む限りは分かっているのと、分かっていないのが、両立して世に出ている印象がある。中には編集の手が関わっていないことが読み取