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二十一歳。女。穴を掘る。

穴があったら入りたいという言葉がありますが、恥ずかしいことが起こった時いきなり穴を探して入る方が恥ずかしいと思うんです。いやそれはそういう喩えなだけやろと思われたら終わりですが。例えば。部屋を掃除したときに小学生のときに書いた闇みたいなポエムを兄弟に見つけられて音読された時とか、こけるごっこしてたら本当にこけた時とか、人前でおなら出た時とか、就活でのあれこれとか(悲しきかな、全部実体験です)。

なんで穴を求めるんでしょうか。シンプルに身を隠すためでしょうか。穴に入って一体どう時間を過ごすんでしょう。言い方が悪いかもしれませんが人間って穴から生まれて穴にかえるじゃないですか。人間の暮らしの中で穴って大事なものなんじゃないか…。いやそれはこの時代にも存在してるくらいなんだから当たり前か。穴って私たちにとってなんなんでしょう。冒頭の言葉の「穴」が一人になれる場所、逃げ道みたいな意味で使われるなら布団の中だって穴だと言えるんじゃないでしょうか。自分の部屋も個室空間であるトイレも穴だと言えるのでは…。あああ。地面の凹みだけではない、穴の世界に入ってしまいました。

他の人に聞いてみると、一人で部屋にいてふと自分のことが情けなく感じてしまったときとか、ギャグがすべったときとか。いろんな時に穴を求めるみたいです。

もうさ、これはさ、穴に入って確かめるしかない。掘るしかない…。という謎の心が芽生えました。(何故に。)

犬が寄ってきました。かわいいですね。

なんやかんやあって、掘りました。穴。穴の中の居心地は思っていたよりも良くて、外の気温よりもじんわり温かかったです。土に包まれていました。

前日の夜に「穴掘ろうぜ!」と謎のお誘いをしたにも関わらずノリノリで来てくれたマイフレンズ、「真剣にやれ!」と謎のエールをくれたマミー、優しく見守ってくれた散歩中のおばさまたち。優しい世界…。SNSで呼び掛けたけど誰も来てくれなかったことは忘れません。恥ずかしかったこと!全部全部私のネタ話として血肉になってくれ!

恥ずかしいの墓。

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