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ReDesigner for Student のブランドポスターを作りました。

インターン先のReDesigner for Studentで、学校掲示用のブランドポスターをデザインさせていただきました!

大切な仕事を任せていただいた上、たくさん相談に乗っていただき、ワガママも受け入れていただいて、本当にありがたくて幸せな期間でした。丁寧めに記録を残しておこうと思います。

コンセプト〜ラフ制作

ポスター制作のお話をいただいて、まず「どんなことを伝えるポスターを作るべきか」を考えました。

最初の段階では主に

・デザイン、デザイナーという概念を可視化する
・就活という概念を可視化する

の2つの方向性を考えていました。

色々案を出して考えていくうちに、デザインを可視化するのはあまりにも難しく、まだ学び始めたばかりの身で解釈を深めても数年後には(全然違う...!)になっていそうだなと思い始めます。

また、広報ポスターを作っている以上、デザインの概念を可視化すること以上に、このサービスを可視化することのほうが重要なのではないかという考えに至りました。

そこで、最終的に

自らの輪郭(職業、働き方)がはっきりしていない就活生の状態を、ポジティブに表現する

というコンセプトを立てます。
この段階でラフ案をたくさん出して、ディレクターの田口さんと表現の方向性を探りました。

本当にラフのラフではずかしい!

ここで色々なトーンの案を見ながらあれこれお話しして、早めに方向性を定めることができました。

でもここがやっとスタートライン!
コンセプトに基づいたまっすぐな表現を作れるように、またノートに戻って整理しました。

実験

コンセプトやおおまかなトーンが決まった後は、どんな視覚表現ができるか実験を繰り返しました。

自らの輪郭(職業、働き方)がはっきりしていない就活生の状態を、ポジティブに表現する

どんなデザインをしていてもそうですが、この期間はクエストに参加しているゲームの主人公のように、何をしていてもこの文章が頭の中に表示されています。周りの景色に対する感覚が鋭くなるのが自分でもわかって面白いです。デザイナーのハイパー集中期間。

生活の中で「自らの輪郭がはっきりしていない状態」をひたすら探します。鏡の結露、ビニール袋に入っている野菜、すりガラス越しの人影、、、

結露している鏡。質感は良いけど、どうしてもカメラや撮っている手が写り込んでしまう。
ミラーペーパー。ぐにょぐにょでおもしろいけど、こちらも撮影が難しい。
ピントが合わないとか、、?
合わないとか、、????
水滴でぼかすのもいいなあとか

その中で印象に残り、かつこちらが自由にコントロールできそうだなと感じたのがビニール袋越しの人影でした。
壁にでかい白画用紙を貼って、ゴミ袋を開いて天井から吊るし、友達を呼んで「ごめんそこ立って!」と言って写真をたくさん撮りました。

不審ですね。

人物とビニールの距離や、ビニールの厚さを調整することでいろんな表現ができそう!

撮影

モチーフを「ビニール越しの人物」に決めてからは、より説得力のあるビジュアルを作るために撮影の細部を詰めていきました。

さすがにゴミ袋を切り開いたしわしわのビニールを使うわけにはいかないので、理想の厚さと長さの巻きビニールを探す。
そんなんどこに売ってんだよ!って感じですが、時は令和。建築資材の通販サイトで良い塩梅のビニールを巻を見つけたので購入しました。

一生分のビニール

そして撮影についてですが、綺麗な白背景と照明を用意することが難しく、田口さんにワガママを言ってスタジオを借りることにしました。本当にありがとうございます...

私はカメラの知識が全然なかったので(よくスタジオ借りたいですと言えたな...)、大学の同期にたくさん手伝ってもらいました。美大生って最高。

激重ビニール巻を担ぐ友達

スタジオでは、ReDesigner for Studentのキーカラーであるオレンジ色のフィルムを使ったり、より輪郭をぼかすためにカメラのレンズの前にシートを取り付けたり、いろんなパターンで500枚くらい写真を撮りました。選ぶのが大変だった...

デザイン作業

いよいよ大詰め。MacBookに向かって頭を抱えつつ、写真と文字情報のパターンをたくさん作成しました。

この文字をどこに置こうかな...とかあぁこの情報入れるとこないって...とか思っているときにいつも思い出すのが、1年生のパッケージデザインの授業で原研哉先生からもらった言葉です。

グラフィックデザインをするなら、入れる文字があって嬉しいと思わなきゃいけない。
行き詰まったらトイレに行ったり、ドラマを見たりしてから戻ってきて、あれこれ試していると水面に葉が落ちてやがて静止する瞬間みたいに、(あっここだっ。)と思う瞬間がある。」

この言葉をもらって以来、文字があることをありがたく思おうと心がけていますが、でも難しいものは難しい。色々作ってみたのですが、結局しっくりくるものはなかなか作れず。
グッドパッチのデザイナーであるみねさんやkaiさんににたくさん助けていただいてしまいました。

文字組の作業では、(ドン詰まりパニック泣きつき)zoomにみねさんが来てくださり、イラレを開きながらライブで文字組作業を進めました。

先輩のイラレの画面を見ていると、本当に「うわここですね!!!!!!!!!!!!」となるから不思議です。
なんか、やっぱりデザインってSTARWARSだなと思いますね。ジェダイマスターへの道です。私はまだまだライトセーバーに振り回されてまくっています。

完成

そんなこんなでついにデザインデータが完成し、ポスターが刷り上がって現在色々な大学に届いているようです。うれしはずかし。

当然と言えば当然なのですが、デザインにはそれを作った日々のことがぜーんぶ出てしまうのでいつも変な気持ちになります。鏡よりも圧倒的に鏡ですね。

いつも色々なことを教えてくださる田口さんが心強いディレクターでもあり、クライアントでもあるという状況に初めはビビっていました。

自分の力量が伴っていないとわかっていたので、たくさん案を出したり、いっぱい実験したり、とにかく細かく相談することを意識しました。そうしたら手を差し伸べてくれる人がいて、目の前で敵を倒してくれる先輩もいて、遠くで大事なことを伝えてくれる巨匠もいて、、やっぱりデザインはSTARWARSです。


あれこれ喋りすぎましたね。
へっぴり大学生を信じて大切な機会を下さった田口さん、お力を貸してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
より良いデザイナーになれるように、これからも精進します🐯

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