めも

野草は、その根を、深からず、
花と葉、美しからず、
しかも露を吸い、水を吸い、
ふりた死人の血と肉を吸い、
おのがじし、その存在を奪い取る。
生存に当たっても、踏みにじられ、刈り荒らされ、
ついに死滅と腐朽にいたる。

だが私は、心うれえず、心たのしい。
高らかに笑い、歌をうたおう。

私は、私の野草を愛する。

魯迅『野草』


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