ゴブリンスレイヤーTRPG 導入用シナリオ『冒険者登録と冒険者講習会』

シナリオの概要

推奨冒険者レベル1
PC人数1~4人
プレイ時間30分~1時間
因果点1点(導入の導入なので)
経験値0点

このシナリオは各PCが冒険者登録しに冒険者ギルドへ来た所から始まります。ちょっとコメディ寄りのシナリオです。
PCがパーティーを組むことになった理由を求めたい方など、ゴブリンスレイヤーTRPGの導入の導入用シナリオとして、ご利用いただければ幸いです。
私が自身で遊んだ時に書いた、セリフ例も記載しておきます。
適当に遊びやすいように改変したりして使って下さい。
ただし二次配布と、改変前・改変後に問わず自作宣言するのは禁止とさせていただきます。

1.冒険者登録

”ある晴れた春の日。
とある辺境の町の冒険者ギルドは若者たちでごった返していた。
この者たちは皆、冒険者登録にきた、いわば冒険者の卵だ。
ーー輝けるチェインメイルを纏った勇者の英雄譚に憧れる者。
ーー冒険を己の武の試しとする者。
ーー田畑を耕す事に飽き、冒険に一攫千金を夢見る者。
ーー深き迷宮に魔術の秘奥を求める者。
理由は様々にあれど、皆一様に冒険を心待ちにしている。
きみも、そんな冒険者の卵の1人である。”

冒険者ギルドにPC達が冒険者登録しに来ている状態。
登録するには受付嬢さんの前に並ぶ必要がある。
ここで先制判定(2d6+機先)を行う。
先制判定で早い者から順番に冒険者登録ができる。
なんか雰囲気出すためにモブも適当に入れてみてもよい。

RP例
  GM受付嬢さん(以下U「次の方!お名前は?」
  PC田中さん(以下田中「田中でぇ~ス」
  U「田中さんですね。字の読み書きはできますか?」
  田中「できませぇ~ン」
  U「分かりました。ではいくつか質問させていただきますね」
  U「まず、冒険者としての職業と年齢を教えてください」
  田中「21歳の魔術師でぃ~ス」
  U「なるほど、魔術学院の卒業生の方ですか?」
  田中「独学でぇス!」
  U「独学!凄いですね!(字の読み書きが出来なくて、独学で魔術師……)」
  U「(要観察っと……)冒険者登録が終わった後は、銅級冒険者の方による冒険者講習会があるので、ぜひご参加ください!ではお次の方ー!」

PC全員分終わったら2.冒険者講習会の班分けと座学講習へ。

2.冒険者講習会の班分けと座学講習

U「はい!それでは新人冒険者の皆さん、冒険者講習会が始まりますので、参加者の方は禿頭戦士さんの指示に従って下さい!」
禿頭戦士(以下禿)「おーいヒヨッコども!俺が禿頭戦士だ!」
禿「今日はおめぇらが楽に死なねぇように、色々教えてやるから、今のうちに耳クソを掻き出しておけよ!」
禿「まずは班分けからやるぞ。ひのふの……、12人いるようだから、4人ずつに分けるぜ。そうだなぁ……」

ここで全員幸運で判定(2d6+幸運)目標値10。
全員成功すると、PC全員同じパーティーに。1人失敗するとその人だけ違うパーティーに。
大失敗すると
禿「あれ、よく見たら13人か。じゃお前は1人だな」
と、ソロパーティーになってしまう。
ただし受付嬢さんが
U「禿頭戦士さん!ここで分けたパーティーのまま活動する方が多いんですから、前衛後衛バランスよく分けて下さいね!識字と計算ができるかどうかも可能であれば配慮して下さい。それと、ソロパーティーは出ないように、5人の組を用意してください」
禿「そ、そうか、すまねぇな……」
という風にフォローを入れる。
どう転んでもパーティーがちゃんと分けられる。

"パーティー分けが終わった後は、冒険者ギルド併設の酒場を使って簡単な座学講習が行われた。
遺跡などの扉は不用意に開けずに罠の有無を確かめる事等の当たり前な内容もあったが、
パーティー内で呪文回数を管理しておく事の重要性、冒険者ツールは買っておくべきだという事、
依頼上で民間人の協力者に何らかの害があると、ギルドの査定に響く場合がある、などの重要な内容もあった。"

そして座学講習が終わると
禿「じゃ次は実技訓練と行こうじゃねぇか。おめぇらついてこい!」
という訳で、新人冒険者達は、禿頭戦士に連れられて町はずれに向かう。
3.実技訓練

3.実技訓練

禿「ようし、ここらでいいか」
そう言って、禿頭戦士は歩みを止めた。
ここは町はずれにある草原で、近くには石造の柱や門らしき建物の残骸がある。遺跡か何かだろうか?
禿「ここは冒険者ギルド所有の訓練場だ。と言ってもまだ建設途中だがな」
禿「そこにある遺跡なんかを利用して、迷宮型訓練施設なんかもできるらしいぜ」
と、そんな疑問を感じ取ったのか、禿頭戦士がそう答えた。
禿「よし!じゃあ、早速実地訓練を始めるぜ!」
そして禿頭戦士は後ろを向き
禿「おーい!」
そう呼ぶと、2人が遺跡の柱の影からスゥッと現れた。
1人は全身にボディーペイントを施した男だ。頭に髪の毛はなく、片手には酒瓶を持っている(この人がボディぺ呪術師、以下ボ)。
もう1人は骨が見えるほど病的なまでに痩せ細っていて、性別は分からないが、剣と盾を持っている(この人が骨女剣士、以下骨。オンセではスケルトンの画像を使いました)。
ボ「ケケケ、今回も活きのいい被検体、いえ、冒険者が揃っているようさねぇ」
骨「そうね!しごき甲斐があるわね!」
禿「おいおい、お手柔らかに頼むぜ?」
禿頭戦士は、不敵に笑いながら続ける。
禿「紹介するぜ、この薄気味悪いアル中が、ボディペ呪術師、この剣士のお嬢さんが骨女剣士だ。こんななりだが、2人とも銀級冒険者なんだぜ」
禿頭戦士が銀級冒険者という言葉を発すると同時に、周囲にざわめきが起きた。
銀等級冒険者になれるものは数少なく、珍しい存在なので当たり前の反応だろう。
パンパン!(手を叩く音)
禿「静かに!じゃ各パーティー、好きな講師を選んでくれや。早い物勝ちだぜ?」

ここでパーティーで相談して、どの講師にするか選んでもらう。
これをきっかけにパーティーリーダーなんかも暫定で決めておいても良いかも(意見が割れた時とか用に)

禿頭戦士を選んだ場合
禿「おう、俺を選んだか!だが残念ながら遅かったようだな、悪いが他の奴を選んでくれ」
と言われて断られる。
もう一回選ぶ羽目に。

ボディペ呪術師を選んだ場合
ボ「キキキ、私を選ぶとは奇特な連中さねぇ」
ボ「それでは実験、いえ、訓練をスタートするさねぇ」
そしてパーティーのメンバーをそれぞれ品定めするように見はじめた。
一頻り見た後で、1人頷き、○○(適当な術師PC、出来ればメインが術師のPCが良い)に向けて酒瓶を差し出し、不気味に笑いながらこう言った。
ボ「カカカ、お前さん、これを飲んでみな」
目標30の魂魄抵抗判定(魂魄反射+冒険者or竜司祭レベル+沈着冷静ボーナス)これは必ず失敗するが判定はする。

大成功した場合は
ボ「ククク、お前さんなかなかイケル口のようさねぇ?」
ボ「ほれもう一献」
で、もう一回目標30の魂魄抵抗判定(魂魄反射+冒険者or竜司祭レベル+沈着冷静ボーナス)
以下失敗するまで無限ループ

魂魄抵抗判定に失敗すると
酒瓶を飲んだ瞬間、二日酔いの時のような頭痛が起こり、虚脱感にも苛まれた。
呪文回数が0回に。
ボ「ケケケ、効いたようさねぇ。じゃあ、何でもいいから呪文を使ってみな」
ここでオーバーキャストについて説明する(電子書籍版のルールブックだと227ページ)。
実際にオーバーキャストで呪文行使をしてもらう。呪文行使判定(知力集中or魂魄集中+呪文遣い系職業レベル+技能修正)
ここでの呪文は大失敗しても成功したことにする。失敗したらついでに因果点についての解説をしても良い(因果点については電子書籍版のルールブックだと166ページ)。
ボ「ククク、やればできるじゃないさね。まぁいざという時は死ぬ気になれば、どうにかなるかもしれない
  って事は、覚えておくといいさね」
ボ「じゃ、私からは以上さね!今日は帰って寝な!」
そう言い残し、ボディペ呪術師は帰ろうとする。

ここでPCが思いつけば、今やった事を冒険者ギルドに言いつけるぞと脅す事が出来る。
そうすると目標値10の交渉:脅迫判定(体力集中+交渉)を行う
成功すると、冒険者全員に銀貨20枚ずつ渡される。
思いつかなければそのまま4.講習後へ。


骨女剣士を選んだ場合
骨「あら!私の所に来るなんて、見る目があるわね!」
骨「じゃ、死ぬ気で避けなさい!」
そう言いながら、○○にいきなり切りかかってきた!(対象は盾を持っていないPCで)
骨女剣士の命中は固定値で50、武器ダメージも固定値で100。新人冒険者なら回避しても成功する事はないでしょう。
もし盾を持っていないPCがいない場合は、回避を選ぶよう促しましょう。
回避判定の結果、大失敗が出ても、ここでは失敗とする。

回避が大成功した場合
骨「あら、なかなかやるわね!ならこれはどう!?」
と、勢いをそのままにもう一度切りかかってきた!
以下大成功以外になるまでループ

回避が失敗した場合
○○は死に直面したからだろうか、骨女剣士の剣筋が非常にスローに見えている。ただし体はまるで底なし沼の中にいるかのように動かない。
ここで因果点の説明をする(電子書籍版のルールブックだと166ページ)。
因果点はチュートリアルなので初期1点としている。なので判定に必ず成功する。
成功すると
死にたくない!!!動け!!動け!!!そう強く、必死に念じると、○○は何とか紙一重で骨女剣士の剣を躱すことができた。その刹那、ダイスを振るような音が聞こえたような気がしたが気のせいだろう。
骨「あっー!?っと、危なかった!殺っちゃったと思っ……ンンッ!何でもないわ!やるわね!」
骨「コホン。このように、私達冒険者の底力は凄くて、遥か格上の者が相手でも、一撃くらいは今みたいにどうにでもなるものよ、憶えておきなさい」
骨「じゃ帰るわねー」
そう言い残し、骨女剣士は帰ろうとする。

ここでPCが思いつけば、今やった事を冒険者ギルドに言いつけるぞと脅す事が出来る。
そうすると目標値10の交渉:脅迫判定(体力集中+交渉)を行う
成功すると、冒険者全員に銀貨20枚ずつ渡される。
RP例
田中「骨嬢さん、これはさすがにやりすぎじゃないんスっかねェ~?冒険者ギルド的にこういう教え方はアリなんっすかねェ?」
田中「あーそういえば最近、武器を新調したからお金がないんッスよねェ~(チラッ」
骨「そ、それは大変ね!あ、アンタ達はなかなか見込みがいいから、特別にお小遣いをあげるわね!こ、これで武器分くらいは賄えるわね!」
思いつかなければそのまま4.講習後へ。

4.講習後

禿「これで冒険者講習会は終了だが、最後に一つだけ言っておくことがある。それは、逃げるのも勇気、という事だ。それで依頼失敗になりゃあ、罰則もあるだろうが、生きてりゃまたチャンスはあるからな」
禿「まぁ依頼によっちゃあ逃げられないものもあるがな。まぁ長くこの稼業を続けるコツとして憶えておいてくれ」
禿「では解散!」

"君たちを含む新人冒険者たちは冒険者講習を終えた。
そのままギルドに向かい、依頼を受けるものもいるし、訓練場に残り、修練に暮れるものもいる。
そうして冒険者一人ひとりが違う冒険を選び、挑んで、それぞれの栄光と挫折を味わうのだろう。"


シナリオ終了

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